※ネタバレをしないように書いています。
駄目人間ですが何か?
情報
作者:佐伯さん
イラスト:和武はざの
試し読み:お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 4
ざっくりあらすじ
真昼の爆弾発言により騒然とする中、彼女への想いを募らせる周は、彼女に釣り合う男になろうとするが……。
感想などなど
「好きです」という言葉以外が告白にならないとお思いか?
『私にとって……彼は一番大切な人ですよ』というように、休日に一緒に出歩いていたイケメン(=周)のことを説明した真昼。これはもはや、一種の公開告白ではないかと思ったのはブログ主だけだろうか。
大切な人というワードのインパクトは相当なものだ。ここまで言われて黙って引き下がる男、そんなことを言って周囲から追求される真昼を心配する男、草食を極めた男、だからこそ真昼に大切な人と言われた男……それが本作の主人公・周である。
ただ彼の気持ちを理解できないとは言わない。眉目秀麗、容姿端麗、成績優秀……といったようにとりあえず凄い人を褒め称える言葉を並べておけば成立する美少女・真昼の隣に立つとなった時、気後れしてしまうような状態ではいずれ心が破綻する。
彼女の隣に立っても恥ずかしくない男になるため、奮闘を開始し早々に成果を出す回……この第四巻を要約するとそんな感じだ。
何事においても成果を出すとなると簡単ではない。努力してきた人間と、してこなかった人間の間にある差というものは大きい。努力してきた人間は、これからも努力し続けるだろうし、その方法だって理解している。努力してこなかった者が、その人物に追いつこうとした時、それは何か特別なイレギュラーがないと成立しない。
とりあえず周がしようとしたことは、身体を鍛えること。
周はこれまでまともな食事をしてこなかった。運動は嗜む程度、部活に所属している訳ではない。太ってはないが筋肉は細い。ただ彼女に似合う男になるには、それなりの筋肉が欲しい。
筋肉は全てを解決するんだなぁ……と適当な感想を抱きつつ、徐々に健康体になりつつある男・周。筋肉を付ける上で一番大切とされる食事管理を担ってくれる美少女がいる周にとって、それほど苦労はしないかもしれない。羨ましい。
そして次は勉学。テストで毎回のように学年一位をとる彼女に追いつくため、ひとまず学年一桁を目指して勉強を開始した。
勉強ノートを貸してくれたり、下手な家庭教師よりも上手に勉強を教えてくれたりと、勉強の世話までしてくれる乙女がお隣さんの周にとって、これをこなすのもそれほど難しいことではなかった。羨ましい奴め!
というように彼女の隣に立つための鍛錬で、彼女との距離を詰めていく策士・周の努力は第四巻で花を咲かせ、「もう完結で良いんじゃね?」という結末を迎えることとなる。
もう第三巻の時点でゴールインしたとカウントして良い派閥のブログ主からしてみれば、この第四巻はゴールテープを切った後のウィニングランであった。
努力したら努力した分だけ愛情で返して甘えさせてくれる女性を、天使と呼称しよう。