※ネタバレをしないように書いています。
コスプレ・スクールライフ
情報
作者:福田晋一
試し読み:その着せ替え人形は恋をする 9巻
ざっくりあらすじ
バイトを増やして一眼レフカメラを購入した海夢は、コスプレする側ではなく撮影する側としてイベントに参加することに。一方、新菜は造形レイヤーのアキラさんと会う約束をして――。
感想などなど
第八巻での文化祭は最高だった。新菜はすっかりクラスに馴染み、最後のプリクラは微笑ましさでニヤニヤしてしまった。新菜に取って貰った人形を抱きしめる海夢とか可愛すぎた。読者としては大満足、燃え尽きたと言って良い。
という訳で、この第九巻は箸休め的な内容となっている。
なにせ海夢はコスプレをしない。新菜の衣装作りもない。そもそも大きな目的のないコスプレ日常ラブコメであり、物語の最終目的などという大仰なものはないが、この第九巻における物語は薄い。
ただこれまで出てきた懐かしの人物が再登場したりといったファンサービスが散りばめられており、すっかり新菜の友好関係も広くなったなぁ……と嬉しくなりつつ、新しいコスプレの可能性を感じつつ、次巻への期待が膨らむ内容となっている。
そんな第九巻は海夢太った事件から幕開けとなる。
海夢はバイトとしてファッションモデルをやっている。コスプレでの衣装代といった費用は、そのモデルでの仕事でのバイト代で賄われており、そこで出会った美容師やスカウトの人やカメラマンといった人達からの評価は上々らしい。
それもそうだろう。第一に可愛い、第二に可愛い、第三に可愛い。第四くらいに抜群のスタイルが上げられる。第一巻で、新菜を男と意識する前の貴重な海夢の様子が確認できる測定回が懐かしい。
そこでは海夢の具体的な数値は描かれていない。無駄にバストポイント間が20センチということだけは描かれているが……ともかく海夢のスタイルが良いということは否定できないだろう。
あれほど肉中心のスポーツマンのような食事をしていながら、あれほどのプロポーションを維持できるというのは衝撃的である。最近は新菜の家で夕食を食べるという一家団欒を過ごしている、付き合っていないのが不思議な関係性の二人だ。それで少なからず食生活は改善されているから、この素晴らしいプロポーションは維持され続けることだろう。
そう誰もが思っていた。海夢も、新菜も。
それなのに新菜は太っていた。太るはずのない計算された健康的な食生活だったはずなのに、だ。その太った理由が明かされた時、ある種のホラーのような恐怖を感じた読者は多いのではないだろうか。
さて、太ったことでかつての衣装は着られなくなった海夢はショックを受ける。がそこから瞬時に立ち直れるような、幸せなイベントが待っていた。あらすじでも書いた通り、貯めたバイト代で購入した一眼レフカメラが届いたのである。
ちなみにブログ主も一眼レフカメラは持っている。レンズは二つ、中々に高い買い物であったが、満足度は高い。カメラを買えばいくつもレンズを購入し、その他備品を揃えることで出費がかさむ。レンズ二つに抑えているブログ主は偉い。
これから先、海夢がカメラの沼に嵌まる可能性は大いにある……と第九巻を読んで感じた。そもそも購入するカメラを選んだ理由が、「海夢のMが入っているから」というげに恐ろしきものとなっている。
これまで脈略があるようでない突発的な行動力に振り回されてきたが、自分の突発的な行動に十万近くを躊躇いなく使うのはやはり怖い。彼女には財布を握らせてはいけない気がする。
そのカメラをひっさげて、向かうはコスプレ会場。今回はコスプレする側ではなく撮影する側として、女装コスプレイヤー・あまねさんや、カメラを紹介してくれた涼香さん(第二巻で初登場、ヌル女をプレイしてくれたカメラマン)といった懐かしの面々も登場する。
そしておそらく最も多くの読者が再登場を待ち望んでいたジュジュ様も……この辺りはネタバレなので辞めておこう。とりあえず原作を応援したい方は原作を買い、感想をネットに好き勝手に放流することをおすすめしよう。