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【漫画】つりこまち2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

ガールミーツガールの青春フィッシング

情報

作者:山崎夏軌

試し読み:つりこまち 2巻

ざっくりあらすじ

本格的にオリンピック金メダルを目指すことにしたマリモは、どうすれば代表に選ばれるのか調査をはじめ、幼馴染の乃莉に協力を仰ぐ。しかし、彼女はどうにも不機嫌なようで――。

感想などなど

テトラの影響で釣りの楽しさを思い出し、プロを目指すために行動を開始したマリモ。

しかし釣りのプロとはどうやったらなれるのか?

マリモにはその辺りがさっぱり理解できなかった。金メダルを目指すためには、そもそも代表に選ばれなければいけないというのに、その方法が明確化されていないというのは競技として欠陥なのでは……?

と愚痴っていても仕方がない。マリモはプロになるためどうすればよいか、幼馴染の乃莉に相談する。幼いころから一緒に遊んで、気心の知れた間柄。釣りに関して相談するなら一番に思いつくような相手……しかし、その幼馴染の機嫌が芳しくなかった。

第一巻の騒動を経て、『テトラの影響』でオリンピック金メダルを目指すようになったマリモ。乃莉はずっとマリモにオリンピックを目指して欲しくて、色々と言葉をかけたりし続けてきた。『自分の影響』でオリンピックを目指して欲しかった。

マリモがオリンピックを目指すようになってくれたことは嬉しい。でもそれは『自分の影響』ではなく、どこの馬の骨かもわからない『テトラの影響』であるということに対し、モヤモヤとした感情を抱える乃莉。

要は嫉妬である。

ただその嫉妬は、マリモのことを考えてきたからこそとも言える。なにせ彼女は、マリモがオリンピックを目指すために必要な情報をノートにまとめ、いつ監督を頼まれても問題ないようにしていたのだ。

この第二巻からは、乃莉の指示に従ってプロを目指す釣りが始まっていく。

 

プロを目指す方法を、簡単に説明すると『実力で勝ち上がる』ことだ。

釣り具メーカーに勤めているプロ、TVやSNSで釣りに貢献しているプロなどいるが、マリモが今からその席を狙うのは無理がある。そこで彼女が狙うべき、一番可能性がある席として、乃莉が用意したのは『釣り動画配信者』として有名になる!

……というのは一年かそこらで狙えるほど甘くない。マリモンとしてYouTuberデビューしプロを目指す路線の漫画になったら、それはそれで面白そうな気がするが、マリモの狙う道は違う。

実力真っ向勝負で強者に勝って勝って勝ちまくる戦闘狂路線だ。

第一巻で鷹がスタンドのような形で登場し、「あぁ、この漫画の路線は決まってしまったのだな」と思った読者も多いのではないだろうか。ちなみに第二巻では、『ガンマンの格好をして馬にまたがった女子高生』『九尾を従えた女性』といった敵キャラが登場する。

あくまでその人物の釣りスタイルや、実力を表現する比喩のようなものだが、「釣りをしていると思ったら銃を笑顔で持っている」「記者と対談していると思ったら九尾が登場する」という文章で羅列するととんでもないシュールな光景となっている。

この第二巻でマリモの前に現れた第一釣り人は有手瑠菜。ゴスロリ服に金髪ツインテールという釣り人とは思えない格好で、バスフィッシング大会に登場。女子中学生でありながらすでにプロ、有望視されているオリンピック候補生である。

彼女は釣りについてこう語る――「スポーツフィッシングなどと言っても所詮は狩り 残酷と言われても仕方なし!ですがバラエティー番組で芸能人が釣りをしたり動画配信サイトを観ても釣り動画の多い事多い事もちろん海外の方も動画をあげていらっしゃって世界的に釣りというものが身近で魅力のあるものだという事が分かりますわ!(以下略)」(作中より抜粋)

彼女は長々と釣りについて持論を長々と垂れ流す語りたがりで、(以下略)と書いた後も延々と語ってくれる。他にも釣りについて、色々とためになる話をしてくれる良い娘だ。ド素人にも分かりやすい。人気になるプロは、こういった喋りの技術も要求されるのかもしれない。

そんな良い娘だが勝負に手を抜くようなことは許されない。これまで生きるためにしか釣りをしてこなかったマリモが、プロになるために始めた釣り。ここから連続で勝たなければオリンピックへの道は閉ざされる。

テトラのライバルとして、マリモには頑張って欲しいものだ。

 

第一巻ではマリモの凄さはあまり伝わらなかった(凄くないとは言わないが)。

第一巻の内容としてはマリモが立ち上がるまでの物語であり、本気でプロを目指すための釣りという意味では、第二巻からが始まりである。となると改めてその凄さが分かる。

ネタバレになるので詳細は省くが、この第二巻で釣りを通じて相手の心を(良い意味で)壊すことで勝利をもぎ取った。彼女の芸当はプロにしか分からない凄みがあるのだろう。有手瑠菜の説明のおかげで、ド素人でも漠然と凄さが分かるようになっているのが面白い。

まだまだ戦闘狂の戦いは始まったばかり。これからどんな釣り師が立ち塞がってくるのか期待してしまう第二巻であった。

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