工大生のメモ帳

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とらドラ6! 感想

【前:第五巻】【第一巻】【次:第七巻】

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

ラブコメの名作。

情報

作者:竹宮ゆゆこ

イラスト:ヤス

ざっくりあらすじ

文化祭も無事に終わり、櫛枝との距離も近づいたと思っていたのも束の間……北村がグレた!? 生徒会選挙も控えているというのに、理由を突き止めようと奮闘する竜児と大河。その意外な理由とは。

感想などなど

プロレス劇、ミスコン、福男、キャンプファイアーという波乱まみれの文化祭が終わり、大河は一人でも生きていけることを行動で示し、そんな孤独な彼女の下へ懸命に走り寄る竜児と櫛枝――全く予想できない展開続きの文化祭でした。

今回も全く予想できない展開ばかりの話となっています。まず、櫛枝と竜児の関係性が進展していることを示す話から始まり「良いねぇ」と思っていたら、北村のグレが放り込まれてきます。考えてみると伏線もあったように思いますが。

とにかく、そんな北村を中心に広がる一連の騒動の感想を書いていきましょう。

 

グレる。元々真面目だった人間がグレた時の衝撃は中々のものです。しかも、生徒会選挙を間近に控えている生徒会選挙最有力候補となれば、衝撃はひとしおでしょう。

北村という男について、これまでの五巻を読んできた人ならば分かって貰えるはずです。くそ真面目が服を着ているような男で、しかしながら冗談にきちんと返してくれるような話しやすさも兼ね備え、兄k……姉貴と慕われるような生徒会長から直々に副会長に任命されるような男だ。

しかし、文化祭を終えたすぐ後、生気が抜かれたように日々を漠然と生き、下ネタを呟き、社会の窓が全開であることも珍しくなく、挨拶もまともに返せなくなるという無気力状態……どうやら噂では「逢坂と付き合って、無理矢理プレイを強要されているんだ」と言われている模様。まぁ、まず逢坂と北村は付き合っていないのでデマですが。

そんな北村に、三十歳独身教師による「生徒会選挙、頑張らないとね」というささやかな応援がグレの始まり。

 

「生徒会やめゆーーーーーーーーーーっ!?」

そんな事を叫び学校を飛び出して、次の日には金髪に染めて登校してきた北村。理由を尋ねられても何も答えようとしない。どうやら生徒会長は何か原因を知っているようだが、「本当なら軽蔑する」と意味深な言葉を残して去って行く。

……ふむ、理由はひとまず置いておくとして、「生徒会長に立候補しない」ということだけは本当のようだ。生徒会選挙に金髪の男が立候補できる訳もない。

あくまでグレたのは、立候補したくないからこそだと言える。では『生徒会長に立候補したくないと思えるような理由』とは何か。

立候補におけるプレッシャー? 一般論で言えば正しい気もするが、北村の場合は当てはまらないように思う。プレッシャーを感じるような男ではないだろう。

文化祭で燃え尽きた? タイミング的にはバッチリだが、生徒会長の立候補を止めてグレる理由としては弱すぎるように思う。

では何か。はっきり言って分かるはずがない。北村というキャラに対する理解が足りなかったのだ。北村という人間を作り上げた過去を、我々読者は全く知らない。

「何故、生徒会に入ったのか」

「何故、入学してすぐ逢坂に告白したのか」

「何故、生徒会に所属して止めることなく続けることができたのか」

これらの理由を尋ねられて、六巻を読んでいない読者は答えられないはずだ。荒唐無稽、破天荒、無茶苦茶、そんな北村も青春を知りたい男子高校生の一人に過ぎないという事実を改めて理解するべきだ。

悩みがない人間なんていない。そういう奴は馬鹿か、気付かないフリをしているかのどちらかだ。北村は馬鹿ではない、気付かないフリをするほど器用でもない。

 

例えどんな問題が起ころうと、まっすぐに生きている人間は阿呆に見える。

例えどんな問題が起ころうと、賢く逃げて生きる人間は賢く見える。

……どうだろう、間違っているだろうか。今回北村に起こる問題は、誰にでも起こる可能性がある。逢坂だって、竜児だって例外ではない。

ではもし立場が逆だとしたら、北村と竜児が入れ替わっていたとすれば、全く同じような物語が展開されるだろうか、否、そんなはずもない。それぞれの生き方と考え方のすれ違いが、この物語を生み出した。キャラ達それぞれに一貫して存在する哲学もまた、楽しみつつ読んで貰いたい。

【前:第五巻】【第一巻】【次:第六巻】
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