工大生のメモ帳

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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…4 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

破滅フラグは終わってない……

情報

作者:山口悟

イラスト:ひだかなみ

ざっくりあらすじ

あとは魔法学園卒業を待つばかり、と安心していたのも束の間、キースが行方不明に。カタリナの世話に疲れたからだ、という母の指摘に大反省したカタリナは、仲間達を引き連れてキース捜しの旅に出たけれど…

感想などなど

アホの子カタリナはジオルドの思いに気付いてしまった。それにより二人は恋に落ちて永遠の愛を誓い合う……という展開にはならず。悲しきかな、カタリナは慌てふためき「そんなはずはない」と自分に言い聞かせる始末。

もはやあのキスは一種の告白だと思うのだが、カタリナはジオルドの真剣な眼差しから目を逸らしつつ、王族との結婚を先送りするために魔法省という役員を目指して奮闘……奮闘? うーん、まぁ、楽しく生活していた。

そんなある日のこと。キースが家を飛び出して、『公爵家の跡取りとしての責務に耐えられなくなったので家をでます。探さないで下さい』という手紙が届けられた。カタリナ大好きシスコンキースが、責務がきつい程度のことで家を飛び出すとは到底思えないのだが、事実いなくなってしまっているのだから信じるしかない。

そして母親はカタリナに言い渡す。「キースがいなくなったのは、あなたのせいよ!」と。「あなたの世話に疲れたのよ」と。

客観的に見てみると、カタリナという姉は非常に手がかかる。目を離せば食べ過ぎてトイレに駆け込むし、スカートで木を登ろうとするし、学業には手を付けないし、異性(同性も?)から魔の手が差し伸べられようとも気付かない。

第四巻にて闇の魔術で眠らされたことや誘拐されたことを、犯罪に巻き込まれたと認識していないことまで判明する。恐ろしい、鈍感とアホが組み合わさると厄介であるということを教えてくれる。

キースはそんなカタリナの行動に振り回されていること自体は事実だろう。しかし、時折零れる溜息は、嫌悪感から来るものだろうか。カタリナに対して向ける眼差しに、怒りや憎しみは混じっているだろうか。

そんなはずはない。キースがカタリナに対して抱く感情は、明らかな好意だ。

そんなこと鈍感なカタリナが気付くはずもなく、母親の発言に対して責任を感じ、コレまでの自分の行動を恥じ(次の日には忘れる)、キースを探すための旅に出る。

 

大半の人がお察しかもしれないが、キースは誘拐されてしまった。ときおり挟まれてくるキース視点を見る限り、彼を誘拐した人物はキースの知り合いであり、その裏には怪しい人物の影が見え隠れする。

ラーナやラファエルという有能達の捜査線上には、闇の魔力が浮上し、キースの母親などを操ってキースを誘拐したことが判明していく。

さて一方のカタリナと言うと……旅を満喫していた。第三巻にてカタリナを誘拐した犯人であるソラと熱い抱擁を交わしたり、ジオルドと良い感じになったり、美味しいお菓子を満腹になるまで食べていた。

おかしい、キースを心配していたはずなのに、良い旅夢気分みたいになってる。その上、キースに対する心配と旅の楽しさにより、ジオルドにキスされたという記憶が上書きされてしまった。アホの子の記憶容量は、もう一杯一杯である。

第一巻と比較すると様々な経験を経たというのに、彼女の脳みそは成長していないようだ。アホの子は、死ぬまでアホなのだろうか。いや、カタリナの場合は死んだ後もアホというのが正しかった。

そして今回も、カタリナの周りをぎょっとさせるような行動が炸裂し、いつの間にか事態を解決させてしまった。彼女にはそこに思考が至るまでの過程がすっぱ抜けているため、抜け道を通ったRTA的楽しみ方をすることになる。彼女は神にも愛されているのかもしれない。

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