工大生のメモ帳

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【漫画】ひとりぼっちの地球侵略3 感想

【前:第二巻】【第一巻】【次:第四巻

※ネタバレをしないように書いています。

一緒にこの地球を侵略しましょう

情報

作者:小川麻衣子

出版:小学館

ざっくりあらすじ

宇宙人との血が混じっていることで、他人の心を読む能力を持っているアイラ=マシェフスキーが、日本で起こりつつあるという災厄を回避するためにロシアからやって来た。そんな中、学校は文化祭の準備が着実に進みつつあった。

感想などなど

凪の不穏な顔で幕を閉じた第二巻。第三巻ではその凪の不穏さは更に磨きがかかり、新キャラにして強キャラかという雰囲気を漂わせていたアイラの牙城が、あっさりと崩れていく第三巻の始まりである。

舞台は高校、時期としては学祭の真っ只中。第三巻は文化祭準備から始まり、文化祭が終わるまでの期間を描いている。学園物としては定番のシチュエーションであり、みんな大好きラブコメ展開も巻き起こっていく。

しかし、地球侵略を目論む宇宙人が大鳥たちの事情など知るはずもない。文化祭のダンスに向けて、衣装作りや振り付け練習に至るまでかなり多忙となってしまう大鳥希、クラスで喫茶店を開くことになった岬一、共に忙殺されている最中、襲撃が起こってしまう。

しかも襲撃された場所は、文化祭に向けて学生がごった返す高校。校舎の天井に張り付く宇宙人は軽くホラーであろう。

その対処に当たる大鳥としては、誰にも見つかることなく、誰も被害に遭うことなく事態を収拾したい。岬一の大切な日常……いや、岬一”との”大切な日常を守るため、彼女としては戦わなければいけない。

 

第一巻、第二巻共に共通して、敵と戦ってきたのは大鳥希ただ一人であった。リコというアホの子であることが幸いしたが、敵の侵入頻度が増えていることなど鑑みるに、これまで通りで行くとは限らない。戦力増強は必須と言えよう。

そんな中、アイラ=マシェフスキーというロシアの大金持ちの御令嬢がやって来た。スラリと整ったプロポーションと綺麗な瞳が特徴的だ。しかし、その実態は遠い御先祖に宇宙人を持ち、超能力をその身に宿した女子高生であった。

その超能力は他人の心を読むことを可能にし、大鳥希と同じように宇宙人の襲来を検知するだけの能力も兼ね備えていた。戦闘も可能であるような雰囲気も醸し出している。お? 彼女が来れば戦力増強になるやんけ! という方は少しばかり見通しが甘い。

彼女の目的は『この街に起こるという災厄を止めに来た』のだという。この災厄というのが何なのか? それが分かれば楽なのだが、現在詳細までは分かっていない。

もしかするとその災厄の原因は、宇宙人である大鳥希という可能性もある。そんな中、すぐさま大鳥希と協力体制を敷けるかといえば無理だ。

彼女はとりあえず様子を見るとして、一緒に文化祭準備に勤しむことになる。周りと距離を置こうとして、何だかんだで優しく協力して、最終的には楽しそうにするアイラが、ブログ主的には好きだ。

 

さて、戦力増強の話に戻りたい。結論から言ってしまうと、この第三巻でリコと岬一が宇宙人と戦うだけの戦力として名を連ねることとなる。それはスーパーサイヤ人的な強化ではなく、ちょっとした偶然と工夫によってできた宇宙人と戦うことができる手段を得た……という意味で。

ナイフで心臓を刺された程度では、ドラゴンに踏み潰された程度では死なないからこそできる戦い方で、大鳥希にとっての願いである日常を守ることと相反するような行動だ。この変化をすぐさま喜べるだろうか?

この第三巻を読んでいると、岬一と大鳥希が出会わなかったもしもの世界を想像してしまう。至って平凡だが、彼のことを慕う者もたくさんいて、凪だって高校になると退院して、幸せな日々がそこにはあったのではないか?

彼女との関係を腐れ縁だと語る岬一。その場所には、もう誰も割り込むことはできない。色々な想像が膨らんでしまうラストの展開は、第四巻への期待も同時に高まってしまう。憎い構成である。

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