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【漫画】ひとりぼっちの地球侵略4 感想

【前:第三巻】【第一巻】【次:第五巻

※ネタバレをしないように書いています。

一緒にこの地球を侵略しましょう

情報

作者:小川麻衣子

出版:小学館

ざっくりあらすじ

岬一と希の関係を知っていながら静観を貫いていた凪は、岬一に「大鳥先輩が父さんと母さんを殺した」と告げる。真相を知るために、アイラのおばさんに貰った鏡に飛び込み過去へと向かった。

感想などなど

大鳥希は侵略者である。毎日読書して過ごすことが侵略だと主張し、侵略する気が一見すると全くないように見えたとしても、脅威の身体能力は宇宙人のそれである。気色の悪い姿をした外敵と戦う姿だけが、そのことを思い出させてくれる。

第二巻にて岬一が押しつぶされた時、怒りに震えたその勢いのまま地球を侵略しようとした。実際のところ、あのまま真っ当な侵略行為を進めていたら、地球は今ごろ、大鳥希のものになっていたかもしれない。彼女のマイペースさによって地球は救われているのかもしれない。

しかし、どうやら彼女は地球にやって来た頃から、そんなマイペースな宇宙人ではなかったようだ。この第四巻では、大鳥希が地球にやって来て侵略を真面目に進めている頃が描かれていく。するとどうだろう、驚きの事実が次々と明らかにされていく。

 

そんな過去をどうやって知ることになるのか?

そこまでの流れを理解するためには、『アイラのおばさんが大鳥希に会いたがっていた』という話と、『凪が「大鳥先輩が父さんと母さんを殺した」と言い出す』という話の二つについて知って貰う必要がある。

まずは『アイラのおばさんが大鳥希に会いたがっていた』という話について。

アイラはエラメアという惑星の宇宙人の血が混じっている。その先祖は……なんと今も生きている。明確な記述はなかったが、千年単位で生きているように思われる。彼女は自身を歴史の傍観者と言い、オルベリアという星についても大鳥希以上に知っているように思われる。

さらに大鳥希と広瀬岬一にも興味があると語り、これから先も干渉してくるようだ。放っておいて欲しいと言う大鳥希の意思は関係がないというように。その干渉の一つとして、

「近い将来、真実を見定めなければならない時が、来る」

と言い、岬一に鏡を手渡した。どうやら真実を見定めるための手段として使うものであるらしい。

そして、『凪が「大鳥先輩が父さんと母さんを殺した」と言い出す』という話に移っていく。凪が大鳥希と広瀬岬一の関係性に気付いていたことは読者の知るところであるが、まさか両親の死に大鳥希が関わっていたことに話しが繋がるとは予想できなかった。

まさか、これがアイラのおばさんが言っていた「真実を見定めなければならない時」なのだろうか? 貰った鏡を開いてみれば、岬一の意識は飛び、気付けば過去に戻っていた。

 

大鳥希という宇宙人は、多くの謎に満ちている。彼女はどうして心臓を岬一に渡してしまったのだろう? 侵略しようとせず、マイペースでいるのは何故だろう? 宇宙人が侵入してくる場所である港とは何なのだろう? 高校になってから岬一の前に現れたのは何故だろう?

上げていけばキリがない。しかし過去を知ることで、多くの真実が明らかにされていく。

このエピソードを通して、ブログ主は大鳥希という侵略者をさらに好きになった。人間味溢れるという言い方は、宇宙人である彼女に向けた表現としては不適切かもしれない。しかし、彼女の岬一に向けた感情と、心臓を上げるという行為は、非情であるべき侵略者とはかけ離れていて、人間味に溢れているとしか言えない。

岬一が流した涙と同じく、ブログ主も少しホロリと来てしまった。これから先も、二人で侵略できる世界が続くよう祈るばかりだ。

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