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【漫画】ひとりぼっちの地球侵略5 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

一緒にこの地球を侵略しましょう

情報

作者:小川麻衣子

出版:小学館

試し読み:ひとりぼっちの地球侵略 (5)

ざっくりあらすじ

10年前の真実を知った岬一。大鳥希は初めての夏に浮かれ、アイラもどこか夏を楽しみにしているようだった。そんな中、凪の心の中では。

感想などなど

さて、追いかけられた挙句に押し倒された春が終わり、夏になろうとしてた。となると始まるは、みんな大好き夏休みである。

学生の頃、夏休みを心待ちにしつつ過ごした一学期が懐かしい。降り注ぐ夏の日差しの下を、元気に走り回っていた元気は今となっては残っていない。まだ若いつもりではあるが、クーラーの効いた部屋から出ずにラノベでも読んでいたいというのが正直なところだ。

しかしハワイの観光雑誌を片手に、夏を満喫する気満々の大鳥希先輩。炎天下の中で走り回る気満々である。侵略行為よりも夏休みの方が、優先度ははるかに高いようだ。

しかし、凪と岬一は試験の成績が芳しくないという地味に緊急事態。夏に行きたくもない学校に行き講義を受けるというのは、やはり楽しいものではないだろう。それを防ぐため、勉強するように言いに来た古賀さんは良い娘。ちなみに古賀さんというのは、第三巻にて岬一のことが好きであると発覚したどこにでもいる普通の女子高生だ。

そして始まる勉強会。凪と岬一と希とアイラ。四人の内の三人は、宇宙人と超能力者と超回復能力者というあまりにキャラが濃すぎる面々となっている。そんな勉強会が上手くいくはずもなく、しかもアイラは超能力を用いてズルする気でいたことや、一応侵略者であったリコが超絶優秀で勉強ができる奴だということが判明。

まだ夏が始まる前から、何だかんだで仲良さそうにしている。

……あれ凪は? という方もいるかもしれない。そう、第四巻にて両親を殺したのは大鳥希であることを思い出した凪は、明らかに怒りの感情を浮かべていた。しかし、ある程度の真実を岬一から聞いたこともあってか、「過去のことだし」と明るく生きる道を選んだようだ。

まぁ、嘘なのだが。

 

一見すると、とても平和な夏休みが過ぎ去っていく。楽しい時間はあっという間に過ぎ去ると言うが、それはおそらく本当だ。彼、彼女らの夏はとても充実したものとなっている。

プールに行って美女たちの水着に感謝し、喫茶店には百年という時を地球で過ごした宇宙人が訪れ、元の星へと帰っていく手続きをした。そこで語られる思い出話と、ちょっぴり切ないお別れは、ひと夏の思い出としては十分だろう。

アイラと岬一の兄である龍一とのラブコメ展開もあり、アイラの兄が語るアイラへの期待の大きさなど、アイラに関する掘り下げもなされていく。ポンコツとまではいかないまでも、秀才のようでいてどこか抜けたところの多い彼女を好きになった読者は、ブログ主だけではないだろう。

そんな夏は笑顔で過ぎ去った。しかし終わりは不穏な空気が漂う。

侵略者がやってきた。しかし大鳥希と、リコと協力することで戦う力を得た岬一と、超強化アイテムを叔母から授かったアイラの敵ではない。どこか安心感すら覚える戦闘シーンが描かれる。

その裏に凪の姿があることなど、想像だにせずに。

 

どこだかで凪は裏の主人公だ、というように書いた。やはりそれは合っていたことが分かる。凪の抱える裏の顔と、新たな敵の出現に、募るは期待と不安である。

期待はストーリーとしての面白さを、不安には希と岬一の侵略活動の終わりを、それぞれ感じる。

もしも。

凪を殺さなければならなくなったら、と想像してしまうのは、ブログ主の性格の悪さのせいだと思いたい。

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