工大生のメモ帳

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【漫画】ぼっち・ざ・ろっく! VOLUME.1 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

ぼっちのロック!

情報

作者:はまじあき

試し読み:ぼっち・ざ・ろっく! 1巻

ざっくりあらすじ

筋金入りのぼっちである後藤ひとりは、ギターをこよなく愛していた。しかし、ぼっち過ぎるが故に、ただ演奏した動画をネットに垂れ流すだけの日々を過ごし、バンドなどとは縁遠い生活を送っていた。そんな彼女はギターを持ち歩いていたがために、ピンチヒッターとして「結束バンド」に連れ込まれてしまう。

感想などなど

ぼっちは何故ぼっちなのか?

その命題に答えられる者はいるのだろうか。答えられるという方は、是非とも論文を一つ仕上げて発表して欲しい。とりあえず、ブログ主はそれを読んで五千文字くらいで感想記事を書く気概はある。

この世界には何十億という人間がいて、ぼっちはその中にかなりの数いることが想定される。その貴重なサンプルの一人として、本漫画の主人公である後藤ひとりを上げておきたい。

名は体を表すというが、それはきっと正しいのだろう。彼女は分かりやすいくらいぼっちであった。序盤において家族以外と会話するシーンが、ここまで少ない漫画というのも珍しい(バンドに誘拐されてからは会話シーンが増えるが)。

家族とは普通に話せている辺り、かなーーーーーーり親密な仲になれば、彼女との会話を弾ませることは不可能ではないのだろう。一読者として彼女の考えていることを知ることのできる立場として、彼女の脳内はかなり面白いのだ。

例えば。

バンドを始めるに当たって、バイトをして金を貯めようと提案する仲間達(彼女達については後で語らせて欲しい。変人達である)。それに対して、働きたくないと抵抗する後藤ひとり。彼女の脳内では、「お客様に不快感を与えたで賞」で死刑を求刑され、あっさりと死んでいる。

また別の場所でバンドを始めた理由を聞かれた際、人気者になれるという理由は恥ずかしいため、とっさに「世界平和を伝えたくて」と答えられる程度の大喜利力を兼ね備えている。

その面白いポイントを前面に押し出してけば友達が増え……いや、増えないかなぁ……。

 

さて、後藤しおりの所属するいかれたバンドメンバーを紹介したい。

まずはギターの後藤しおり(以下略)。

次にドラム担当の伊地知虹夏。彼女が後述のリョウを誘って「結束バンド」を結成した。街中をギターを持ってうろうろしていた不審人物に声をかける程度のコミュ力を兼ね備え、明るく世話焼きな性格であるようだ。

次にベース担当の山田リョウ。かなり変わった趣味を持っているらしく、変人と呼ばれると喜ぶ程度の変人である。つまりは変人ということだ。どれくらい変かと言われれば、金欠になってお昼に雑草を食べて腹を壊すことが珍しくないくらいには変である。

最後にボーカル担当の喜多郁代。元々は彼女が「結束バンド」のギター担当となるはずだったが、ギターが弾けると言っておきながら、実際は全く弾けないために逃亡。その後、後藤ひとりにギターを教えて貰うために再びバンドに返り咲いた。

かなりざっくりとした紹介になってしまった。それぞれの個性の濃さは

 

ブログ主にコミュ力があるかと言われれば、それは難しい問題となる。難しいと返答を渋っている時点で、コミュ力はないだろうことが伝わっていることを願いたい。そんなブログ主にとって、後藤ひとりの言動には共感できる点が多々見受けられた。

例えば。

バンドをサボりたいがために、氷の入った水風呂に浸かる後藤ひとり。風邪を引いて病欠することを狙っての行動である。ここまでの行動力はなかったが、病欠したいがために水のシャワーを浴び続けて、両親に怒られたというブログ主の記憶が呼び起こされた。もしかして、誰もが一度は通る道なのか? ……ない? そっか……。

初めてのバイト代の大半が、後藤ひとりの場合はバンドの費用に消えた。かくいうブログ主も工大生の頃にバイトをして、その大半が光熱費やら大学の教科書代とかに消えた。こうしてお金を稼ぐことの大変さと大切さを学ぶのだなと、夕焼け空を眺めたことを覚えている。

そんな後藤ひとりの奇行も多いが、それも全て他人との間に壁を作り、嫌われたくないという気持ちが色濃く表れた結果である。彼女が前を向いて、自信を持ってギター演奏のできる日は来るのだろうか。

なにせ彼女が演奏した動画を上げているアカウントは、八万人以上のフォロワーがおり、大人気なのだ。その実力だけは、誰もが認めている。それなのにバンドとして他の人と協力するとなると、その実力は影を潜めてしまっている。

それでは勿体ない。もどかしさを抱えたまま、彼女の活躍を願うばかり。思わず応援したくなる漫画であった。

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