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【漫画】ぼっち・ざ・ろっく! VOLUME.4 感想

【前:第三巻】【第一巻】【次:第五巻】

※ネタバレをしないように書いています。

ぼっちのロック!

情報

作者:はまじあき

試し読み:ぼっち・ざ・ろっく! 4巻

ざっくりあらすじ

未確認ライオットのフェスにエントリーすることに決めた「結束バンド」は、ライブ審査にまで駒を進めた。SIDEEROSをはじめとした強敵達を前に、ギターヒーロー・後藤ひとりは実力を出し切れるのか⁉

感想などなど

結束バンドを所詮遊びとコケにされ、ギターヒーローとしての実力が出し切れていないと指摘され、散々な扱いをされた第二巻。ギターヒーローこと後藤ひとりの実力が出し切れていないのは、彼女の陰キャ属性という闇の部分が濃すぎるからなのだが。

そんな未確認ライオットは意気消沈、心が折れて結束バンドとしての活動は終わり。完……とはならなかった! いつも変な顔して、ギターを武田信玄の軍配というモノボケに使う後藤ひとりが、なんか知らんけどかっこいい表情をしている。好き。

そんな中で迎えた第三巻のデモ審査。新曲も作って動画も出して、それぞれが自分の弱点を意識して練習を積み、最後にはデモ審査の合格通知を受け取って――思い返すと、中々に怒濤の展開ではなかろうか。

もう五巻にもなると、彼女達の音楽がそれなりに形になって成長してるんだなと思うと感慨深いものがある。後藤ひとりのコミュニケーション能力は成長せず、承認欲求ばかりが肥大化していくのもまた一興。彼女はそのまま我を貫いて欲しいものだ。

さて、第四巻はいよいよ――。

 

バンドの華形といえばCDデビュー、サブスクデビューよりも大舞台でのライブではないだろうか。路上ライブで肩を鳴らした「結束バンド」の面々。伊地知は筋肉キャラを確立し、ぼっちは歯ギターで場を引かせ、喜多の明るさで観客を沸かせる! ぶりっこメルヘン年齢鯖読みライターも彼女達を認めるようになったし、これは勝ったな。

……と簡単にいくわけもなく。

第四巻ではデモ審査の次のネットで行った人気投票、上位三十名が、次のライブ審査へと進むことが許される。ギターヒーローの力を使えば余裕じゃん! と思った方は第二巻を読み返そう。ギターヒーローとしてのネームバリューは使わずに、結束バンドとして勝つと誓った彼女達の頑張りを見ていこう。

ネット審査では毎日一人一票の投票権があり、その投票数に応じて順位が決まる。元々の知名度が高いバンドが単純に有利であるが、クラスメイトやライブハウスで出来たファンや、なんやかんや出会った人達が結束バンドに投票してくれているようだ。

クラスメイトに絡まれて溶解するぼっち妖怪、彼女のコミュ力の低さを身に染みて体感する喜多……こうして第三者視点で読むと笑えるが、彼女の奇行を目の前で見ている人は生きた心地がしないんだろう。まぁ、笑うが。

そんな波乱と笑いに満ちたネット審査の後は、いよいよライブ審査。

これはシンプルにライブの演奏を聴いて貰って投票してもらい、三十組中の上位二組がファイナルライブを行うことができる。このライブではあの後藤ひとりが話たいことがあると、観客を前にしてマイクを手に取った。

ここが彼女を応援していた者達、彼女の裏を知っている者達にとっては涙腺に来る。是非ともアニメでやって欲しい。

 

そのバンドを知らずライブだけを聴きに来た者達にとって、良い曲かどうか、美味い演奏家どうかが全てだ。ただ彼女達がこれまでどのような活動をしてきたか、どのような努力を積み上げてきたかまで知った上で聞くと、また違った感動がある。

青春物語として読み応えがある第四巻であった。

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