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【漫画】まどろみバーメイド2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

最高の一杯を求めて

情報

作者:早川パオ

試し読み:まどろみバーメイド 2巻

ざっくりあらすじ

屋台形式でカクテルを出してくれる店を運営する雪の物語。

「なきいたや」「ブラインドピッグ」「花びらと爆弾」「リヴァイブ」「献花」「蛇」「モンスターマンション」

感想などなど

「なきいたや」

第一巻の最終話「なみだのウイスキー」の続き。山形から東京に出てきた優の母親が、かつて飲んでいたというウイスキーを調べるため、わざわざ山形まで飛んだ雪。そこでなみだのウイスキーはウイスキーそのものではなく、ウイスキーを割る水に秘密があったということを知る。

その水の正体は、イタヤカエデという木の樹液。木を傷つけることで涙を流すようにポタポタと落ちる新鮮な樹液……採取機関は一年に一度、たったの二週間しかないという希少価値の高さも相まって、知名度も流通量もかなり低い模様だ。

バーテンダーとしてのプライドと、優と同じく母を亡くした身として優を助けたいという思いが見つけ出した真実である。シンプルにいい話であった。

 

「ブラインドピッグ」

ブログ主はそれなりの田舎出身であるが、野生のブタは見たことがない。養豚場のブタは野生で生きていけなだろうし。個人的にはイノシシをブタのカテゴライズに入れるのは違和感がある。その上、雪たちのいる場所はそれなりに都会であろう。野生生物は猫くらいなものだと思う。

そんな場所で、雪の営む屋台にブタがやって来た。比喩表現ではない。文字通り、あのブタが椅子に座っている。酒の匂いにつられたのだろうか……? どうにも雪のことを気に入っているようである。

読み終えて感想を書こうとした際、このエピソードだけ酒を飲んだ記憶がすっぽり抜け落ちていた。ブタにちなんだ酒……という訳でもなかった。正直、良く分からないエピソードである。このブタはそんなに必要なのだろうか。

これについては今後のエピソードに期待である。

 

「花びらと爆弾」

第一巻「スコール」で月下美人で香り付けしたカクテルを覚えているだろうか。また、同じく第一巻「魔法のおまじない」でもカクテルにおける香りの重要性が語られている。香り一つでカクテルは全く違った印象を与えられるのだ。

そんな香りに加え、カクテルには重要な要素があることを学んだ。

色である。何年か色のない景色を見ることになるという男が、鮮やかな色をしたカクテルを求めた。そこで雪が出したカクテルは、淡い桜色の桜フィズという奇麗な色をしたカクテル。添えられた桜の塩漬けがこれまたおしゃれだ。

花と同じ色のカクテル。これから先、桜の花びらを見るたびに記憶が呼び覚まされて思い出すような美しさと美味しさ。

 

「リヴァイブ」

revive

生き返る、蘇る、蘇生といった意味を持つ単語である。今回、雪が作るカクテルは「死者を蘇らせる者」という名前を冠している。口当たりの良さと刺激の強さという一見すると相反するような感想が両立しており、「立て続けに飲むお飲むものを殺す」という冗談ができるほど。

そんなカクテルを、人生に疲れ切った昔馴染みの祥子さんに出した雪。夫と離婚し、仕事でバリバリ働いて疲れを感じさせない表情の裏にはどうしようもない疲れが蓄積されていたのだ。そんな彼女との会話を通して、「自分にできること」「これからのこと」と向かい合った。

そして出来上がったBARの屋号『SATELLITE』。これまで名無しだったバーに名前が出来て、新たな雪のバーとしての始まりである。

 

「献花」

文豪ヘミングウェイも愛した(ブログ主的には「老人と海」が好き)ラムとソーダで作るキューバのカクテル。本来は鮮やかな緑をしたミントの葉を添えられているところに、赤いバラの花弁で赤く色づけされたカクテルとして提供した雪。

やはりカクテルは色も香りも、その裏にある歴史までもが大事なのだと実感させられる一品。とても短いエピソードながら、印象に残るカクテルとなった。

 

「蛇」「モンスターマンション」

カクテル競技会で自分のカクテルをこきおろした審査員を殴ったことで、表舞台から姿を消した香港No1のバーテンダー、アシュレイ・フー。通称『蛇』と呼ばれた人物に、ぜひとも日本に来て欲しいと打診し続ける万年課長に対して、「美味い酒を持ってくるならオファーを受けてもいい」なんて条件を出したらしい。

しかし、どんなに珍しい酒、うまい酒を送っても首を縦に振ってくれない。そこでアシュレイを日本に連れてくるための秘密兵器として白羽の矢が立ったのが、屋台「SATELLITE」を営む雪であった。

彼女の作るカクテルを出して、アシュレイを納得させる。そういう作戦であるらしい。

ということで舞台は日本を飛び出して香港へ……アシュレイの持つカクテルへのこだわりとプライドを一度ボロボロにされ、表舞台から姿を消した彼女を日本へ来させることはできるのだろうか。

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