※ネタバレをしないように書いています。
キャンプに行こう
情報
作者:あfろ
試し読み:ゆるキャン△ 11巻
ざっくりあらすじ
バイクで吊り橋を回りながら大井川キャンプへと向かうリン・綾乃ペアと、一人電車で目につく食べ物を買い食いして回るなでしこ。それぞれの旅の終着点であるキャンプ場での夜は、なでしこが料理を振る舞って……
感想などなど
なでしこが一人旅の楽しさを知り始めた今日この頃、リンは友達と一緒に旅に出ることの楽しさに嵌まりつつあった。そんなそれぞれ二人の視点を交互に描くことで、キャンプの楽しさと旅の楽しさの二つを描いている贅沢な第十一巻。
最近はキャンプ要素よりもそれぞれの地域を旅する要素が強くなってきているのは、人によってはマイナスポイントかもしれない。が、自分的には行ったことがない場所の風景やイベントが描かれているだけでも楽しいので良し。
例えば。
なでしこは目的地である大井川キャンプ場へ向かうためにアブト式列車に乗り込んだ。
アブト式列車とは、急勾配を安定して登っていくために作られた列車であるらしい。急な坂を登るために、普通の列車と合体して後ろから押していくようだ。そんな合体の光景が見れるのは日本だけということで、鉄道ファンにはたまらないとか。
リンと彩乃の二人は、バイクで険しい道を進みつつの吊り橋巡りを第十巻から継続。季節はまだ寒さがあり、バイクに乗っていることで奪われていく体温と相まって、食べるおでんがこれまた美味しそうなのだ。
バイクで寒い思いをしつつ、揺れて恐い吊り橋を渡る。自ら苦労を買って出て、その後に感じる疲労感や食事を楽しむ。これぞ旅の醍醐味にしてマッチポンプなのではないだろうか。
他にも。
ダムで食べるダムカレー。お茶の苦みと風味が美味しい川根茶ソフト。カフェでいただくジェラートやケーキといったスイーツ。渓流そば。100%ビーフのハンバーグ。などなど。
どれも旨そうなんだよなぁ……。
なんだろう、旅に行きたくなってきた。
そんな旅は第十巻から継続して描かれてきた。楽しい時間も終わってしまう。なでしこにとっては久し振りとなる彩乃と過ごす時間。住んでいる地方が違うため、これから先も頻繁に会うということはできないだろう。
それでもまたいつか旅に一緒に行こう、という約束を交わし、それぞれが帰路につく。
「このキャンプももう終わっちゃうけど 思い出は残るよね」
というなでしこの独白が好きだ。終わって寂しい。でもその寂しいが楽しい。