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【漫画】よふかしのうた12 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

今日に満足できるまで夜ふかししてみろよ

情報

作者:コトヤマ

試し読み:よふかしのうた (12)

ざっくりあらすじ

鶯アンコと一緒に、マヒルを連れていった星見キクの調査を開始した。しかし、それを妨害するかのように吸血鬼の襲撃を受ける。彼、彼女らの目的は一体……?

感想などなど

星見キクにマヒルが連れて行かれてしまった。彼が決断したことなのだから好きにさせておけという者もいるかもしれないが、コウにとってしてみれば唯一の友人である。コウにとって何よりも優先されるは、彼との仲直りだということは十一巻で語られている。

そんな彼の願いを叶えるべく、探偵・鶯アンコが立ち上がる。そんな彼女がまずしたのは、OL姿でのマヒルの家庭環境の調査であった。そこで掴んだのは、あまりに狂ったマヒルの状況であった。

マヒルには事故で死んだ兄がいた。兄はサッカーがうまく、頭も良く、人気者であった。そんな兄が死んでから母親は壊れてしまった。

彼女はずっと兄が死んだことを受け入れられず、ずっと帰ってくるのを待ち続けているのだ。マヒルが帰ってこなくとも心配しない母親、死んだ兄の仏壇を家に置かない、兄が使っていた勉強机などをそのままにして捨てない……いつ兄が帰ってきたとしても問題がないように。兄が生きているという記憶と矛盾がないように。

そんな家にマヒルの居場所はない。

もしかしたらマヒルはそんな家を出て行く理由を探していたのかもしれない。愛のためという理由は、その大義名分としてあまりに美しい……そんな気がする。

 

遅かれ早かれ、マヒルが家を飛び出すことになっていただろう。だからキクさんについて行っても問題ない……ということにはならない。

鶯アンコの過去を思い出して欲しい。血を吸って吸血鬼にして、それまでの幸せな家庭環境を破壊する。なりふり構わず吸血鬼を量産する彼女の目的は何なのか。それが知りたい。マヒルも何かに利用するつもりならば止める。

その決断をするために調査するコウ達の前に二人の吸血鬼が現れることになる。

一人目、グラサンマスクのイケメン・アザミ君。星見キクの眷属であり、元ヤクザの超いい人。吸血鬼になった時に絶対に人は殺さないという誓いを立て、この第十二巻でもその誓いを絶対に守ろうと奮闘する。

彼が鶯アンコ達の前に現れたのは、星見キクを殺そうとしていると噂の探偵を捕縛するため。話を聞いてアレコレ説得なりしようとしていたのだろう。ただ鶯アンコの容姿までは知らなかったらしく、とりあえず眼鏡(=鶯アンコ)とデカパイ(=アサ)の二人を攫っていく。

二人目、アザミを半吸血鬼化したコウが何とかして、七草がトドメを刺した後に現れた隠れ目萌え袖の超強い吸血鬼。なんやかんやで協力体制を敷くことになるアザミさんをあっさりと無力化し、さらには七草も無力化。吸血鬼の透過能力を限界まで極めた彼女の戦闘スタイルは、見ていてとても面白い。漫画のコマ割を最大限生かした戦闘シーンは、読んでいて実に楽しい。

この第十二巻で、二人の襲撃を受けたことで大きな損害が出た。ただそれ以上に、半吸血鬼であるコウの戦闘力が大きく向上することになる。これまで逃げることしかできなかった彼が、戦闘で役に立つことになるのだろうか。

もしや……この漫画、バトル路線に進もうとしている……?

まさかの第十二巻であった。

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