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【アニメ】「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」第四話【感想・解説】

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2020春アニメ化リスト

 

まず最初に

子供時代を経て、十五歳となり学園へと入学。そしていよいよゲーム本編の破滅フラグが牙を……たぶん、おそらく、きっと牙を向けてくるだろうと思います。ゲームでの主人公であるマリア=キャンベルとの出会いや、学園の設定など言及できればと思います。

用語・人物解説

カタリナ・クラエス

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • とりあえずお菓子をあげると言えば疑わずに付いてくる乙女。
  • ジオルド王子はゲームと同じく腹黒故にカタリナとの婚約を解消しないと思っているし、キースはカタリナに対して恋心を抱かないと信じて疑っていない。前世では恋愛経験が皆無(現状を見る限り、「ただ気付かなかっただけなのでは?」とも思うが)らしいので、男性から向けられる意識に対してあまりに無頓着。
  • メアリやキースや母親の説得や洗脳により、「自分なんかが王族に入るのは大変だからどうしよう」と思い悩むようになっているが、お菓子を食べたり、一晩寝ると悩んでいたことを忘れていることが多い。
マリア・キャンベル

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • 成績優秀・眉目秀麗・家事万能という完璧主人公。世界で数えるほどしかいない光の魔力を扱える。カタリナ同様にスカートで木を上ったりするが、カタリナとは違って見られると恥ずかしがる。可愛い。
  • 趣味はお菓子作り。無人島に持っていくならば「お菓子作りの道具」と豪語するほど。学園のキッチンを借りて、時々作っていたりする。
  • カタリナの影響を受けてなのか、ゲームの主人公としての性なのか、彼女も天然タラシ的側面を持ち合わせることになる。
シリウス・ディーク

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • 生徒会長を務める。元々生徒会には成績優秀者が所属するという決まりであることからも分かって貰える通り、彼の成績は学年でもトップクラス。
  • 侯爵家の子息。爵位に関しては第二話の感想・解説を参照。
  • 紅茶を淹れるのが上手い。
魔法学園

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • 魔力が使えるようになった人は十五歳になった段階で、入学することが義務となる全寮制の学園。2年間もの間、みっちりと魔力の扱いなどをたたき込まれる。
  • 男女別の学生寮は当然として、教師の寮や、魔力の研究施設なども完備。国営ということでその設備は全てかなりのお金がかけられている。
  • この国では魔力を持って生まれるものが他国よりもかなり多く、それらを国の資産として考えているため大事に扱われているようだ。

注目すべきポイント

これまでの振り返り ジオルド王子

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

まず最初に八歳から十五歳までの間での変化などが説明されていく。しかし、勘違いしかしていないカタリナの言葉をそのまま受け取ってはならない。このブログではカタリナの言葉をガン無視して、淡々と現実だけを突き付けていこうと思う。

まずはジオルド様について。

八歳の頃にこけて額が割れたカタリナ様だったが、年月を経て額の傷は綺麗に治って消えてしまった。メイドのアンと共に喜んだ後、さっそくジオルド王子に報告して婚約を破棄させようとする。それを端から見るアンは、開いた口が塞がらなかったと語る。

その報告を良い笑顔で聞くジオルド王子。これまで散々彼なりのドストレートなアプローチ(ただしカタリナには届かない)が全く届いていなかったことを再確認し、額の傷は消えていないということにして、婚約は破棄しないとはっきりと告げた。

ゲームでは他の人の面倒なアプローチを避けるためにカタリナと婚約していたが、野猿がインストールされたカタリナに対しては本気で自分だけのものにしようとしている。そのためならば王位継承争いも本気でする覚悟を抱き、学園での勉学への力の入れ具合も尋常ではないほどだ。

また裏では、ジオルドと婚約しているカタリナに嫉妬して、彼女を陥れようとする人達を潰して回ったりしている。腹黒さは相変わらずであり、むしろ磨きがかかっているような気がする。守りたい人がいると、人は強くなるということなのかもしれない。

これまでの振り返り キース

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

男としての色気が増し、カタリナにより「女性には優しく接する」ように厳しい教育を受けたため、ある意味カタリナレベルのタラシとして成長した。

しかし、肝心要のカタリナに対しては、朝起きてすぐに抱きつかれたり、一緒に風呂に入るように誘われたり、夜を一緒のベットで寝たりしたために、自分から積極的に行くことができなくなってしまった。原作を読んでいると、彼の性癖が歪んでしまわないか心配になってしまう。

まぁ、おそらくもう手遅れだろう。

また、クラエス公爵家の跡取りとしての仕事の手伝いも積極的に参加するようになっている。これも全てカタリナの隣に立つふさわしい男になるための、彼なりの頑張りだろう。マリアやジオルドからの手出しを弾く防波弟としての役割も、経験と傾向と対策により専念されていく。

これまでの振り返り アランとメアリ

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

アランとメアリが婚約を結んでいるという関係性に関して、ゲームとの変更点はない。しかし、アランとメアリが共にカタリナ好き好きであるという状況になってしまっている。

メアリは、アランに対してカタリナに対する恋心を意識させないように洗脳を施し、カタリナに対して「王子との結婚生活は大変だ」という話を聞かせることでジオルドとの婚約を破棄させようと画策する。その果てにはカタリナと共に国外へ逃げることまでも計算しており、彼女の腹黒さに磨きがかかっていることが伺える。

また、ジオルドと共にカタリナの生活を脅かす危険性を排除するために暗躍もしている。世界各地の貴族達の秘密を掴み書き記したノートまであるのだという。

アラン王子はメアリの洗脳により、恋心を意識しないようになっているが、無意識の内に出る好意を示すような行動は出てしまうようだ。当然だが、カタリナはそのことに気がついていない。彼が自身が抱く好意に気がつくのは、一体いつになるだろうか……。

これまでの振り返り ニコルとソフィア

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

すっかり明るくなったソフィアと、その兄ニコル。共にカタリナ好き好き状態である。ニコルは現状、「友人である王子の婚約者に手を出すわけにはいかない」と言っているが、もうその発現自体が好意を認めていることに気がついていないのだろうか。親の家督を継ぐために婚約者を見つけるべく、お見合いなど参加するが、カタリナと比べてしまって上手くいかない苦悩が、原作では描かれていく。

妹のソフィアとしては、兄とカタリナが結婚してくれれば、よりカタリナと一緒に過ごせるとして画策する。その策略というものが、ジオルドやマリアとは違い可愛らしいものなのでとても癒やされる。

しかし、最近は略奪恋愛ものや女性同士の友情物語などまで幅広く読むようになったため、その可愛らしい策略が変化しないだろうかと、原作ファンとしては少しヒヤヒヤしている。

ジオルドとマリア

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

入学式を終えると、早速マリアとジオルドのイベントが発生する。スカートで木登りするマリアを見て、面白いと思って興味を持つジオルド王子。しかし額が割れても「大したことないですわ!」と元気に言ってのけ、ほっかむりで畑仕事に勤しみ、婚約者に蛇のおもちゃを投げつける貴族令嬢カタリナの面白さには敵わなかった。残念、マリアにはもう少し頑張りを見せて欲しかった。

カタリナの脳内では、「このままジオルドはマリアに惚れるんだわ……」という絶望に襲われていた。人は自分を客観的に見るということが苦手であるということを教えてくれる。

キースとマリア

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

ゲームではカタリナをナンパして、いかがわしい行為(?)に誘おうとしていたキース。しかしカタリナの教育により、女性が落としたハンカチを餌にして言うことを聞かせようとするようなことはせず、普通にハンカチを返すだけの優しい男となった。

カタリナのフィルターを通すと、「ハンカチを拾って返した」という行為は、惚れてしまったという状況とイコールで繋がってしまうらしい。結論ありきで話を聞くと、正しい答えに辿り着けないということを教えてくれた。

また、「あなたに好きな人ができても邪魔しないから!」という悪意ゼロの言葉は、キースの心を深々と抉った。神は彼に男としての色気を授けたが、それは一番届いて欲しい相手には届かないものだったという訳だ。悲しい。

アランとマリア

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

成績の順位が掲示され、マリアに負けてしまったアラン。ゲームではその負けをきっかけにしてマリアとアランの絡みが生まれる。しかし、カタリナの隣にいたことで、成績の勝ち負けに拘らなくなっていたアラン。すっかりいい男になっている。

そんなことよりも、自分の得意分野である音楽の才能を伸ばし、演奏会など積極的に開くようになっていた。といってもカタリナに一度話しをする辺り、好意を自覚してないのかと疑いたくなるが、メアリの人心掌握術とアランの生真面目さが原因なのだろうか。

生徒会

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

成績上位者であるジオルド達(カタリナは除く)が生徒会に所属することになった。しかしカタリナが参加しないと入らないと駄々をこねたことにより、カタリナも顔を出していいことになっている。カタリナはそのことを知らないが、知らない方がいい気がする。

本来はもっとメンバーがいたのだが、ニコルを巡っての抗争により抜けていった。男女を問わず魅了する、ニコルの魔性の魅力は危険すぎるのかもしれない。ちなみにニコルが行ったお見合いでは、女性が魅了されて一言も話せないまま終わることが良くあったらしい。

またゲームではマリアが気にくわないという理由で虐めていくという形でコンタクトを果たすカタリナとマリアだが、ここでは生徒会に顔を出すという円満な形で出会いを果たす。そしてゲームでの知識を駆使し(無意識だったが)、マリアの手作りお菓子を作って欲しいというお願いをして、彼女との距離を縮めるための大きなきっかけを得た。

メイド長とのエピソード

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

メイド長に手作りお菓子を作って貰っていたエピソードがカタリナの口から語られる。これは原作第五巻にて、メイド長からの視点で短編の形で収録されている。あまり積極的になれずにいたメイド長が、人との距離を縮めることができるようになっていく、勝手に周囲に幸せをばらまくカタリナらしさ、とでも言うべき心温まるエピソードとなっている。

虐めの現場

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

お菓子の匂いに釣られて虐めの現場を目撃したカタリナ。迷いも躊躇いもせずに間に割って入ったのは流石である。

また、貴族社会では公爵家の娘であり、ジオルド王子との婚約者で、令嬢達の間で一目も二目も置かれるメアリと仲良しで、アラン王子とも懇意にしているというとてつもない影響力の持ち主であると思われており(事実そうなのだが)、彼女に嫌われる=死という等式が成立するほどにまで言われている。

事実、過去にカタリナを陥れようとした貴族は、ジオルドの手によって地方に飛ばされている。虐めていた犯人達が逃げ出したのは、彼女の悪役顔というよりは、そのような背景があったからこその逃亡という方が事実に即している。

三秒ルール

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© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

三秒以上経過しているし、芝生というのは決して綺麗ではないのだが、落ちてしまったお菓子を美味しそうにほおばるカタリナ様。マリアとしては、食べ過ぎたということではなく、地面に落ちたものを食べる令嬢という構図に突っ込みたかったのだろう。カタリナが気にしていないようなので突っ込まなかったが。

しかしこれ。実際はジオルド王子がするはずだったイベントである。

ゲームではカタリナがマリアを虐め、そこに颯爽と駆けつけるジオルド王子。彼女を励ますために、落ちてしまったお菓子をほおばり、美味しいと告げる。王子という地位の高さと、地面に落ちてしまった手作りお菓子をほおばるというギャップが女性を落とすのだろうか。

最後に

カタリナ様の人タラシの毒牙に晒されつつあるマリア・キャンベル。次回は彼女の過去や心に抱える問題について描かれていく。来週は予定があるため更新できないかもしれないが、頑張って更新できるように努めたい。

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