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【アニメ】「ガーリー・エアフォース」第三話【感想・解説】

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2019年冬アニメリスト

 

まず最初に 

「ガーリー・エアフォース」第三話。第一話で不安を覚えた作画も安定して、ストーリーも盛り上がって参りました。グリペンがザイを素材にして作られていることも判明し、慧の胸中では様々な気持ちが入り乱れていることでしょう。

なにせ彼の母は、自分の目の前でザイに殺されたのです。そんな思いはグリペンには何度も語っています。

さて、そんな彼の言葉を聞いたグリペンは一体何を思っていたのでしょうか。

……物語はここから大きく動き出します。ここまではちょっぴり長いプロローグのプロローグだと思って下さい。

用語・人物解説

鳴谷 慧

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project
  • 総飛行時間は100時間を越えているのだという。飛行機乗りであった母親の影響だろう。
  • かなり手慣れた飛行を、あくまでシミュレーションであるけれど、見せてくれた。
  • 仮にも軍隊に入ることを望んでいたため、体はそれなりに鍛えている。
宋 明華

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project
  • 健気な乙女である。彼女には幸せになってもらいたい。
  • 難民として無事に受け入れられた。
  • 可愛い(可愛い(可愛い))。
グリペン

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project
  • 彼女だけが多数の問題を抱え、廃棄処分の一歩手前まで追い込まれる。
  • 慧の脳波と同調することで、脳波が安定し、長時間動けるようになることが判明した。
  • 彼女がどのように空を自由に飛べるようになるのか? 次話のテーマと思われる。
イーグル

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project
  • 距離感の近さが売りのおてんば娘。
  • 戦闘では自分から進んで敵に向かっていくことが多い。実際、単純な機体の性能だけならば(OP・EDにでてくる)三人の中では一番。
  • 八代通 遙のことは「お父様」と呼んでいる。
アニマ

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project
  • ザイの核を元に制作された、対ザイ用兵器である。
  • 正体不明の敵を元に作られたからこそ、詳しいことは分かっておらず、量産も簡単に行えるものでもない。
  • 後々、ザイに取り込まれるアニマ……なんてものも登場する。アニメ化は無理だろうが。
NFI(神経融合インターフェース)

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project
  • ドーターの制御系と自分の感覚器を接続する機械。
  • グリペン曰く「足を動かすのと同じように飛行機を動かせる」らしい。
  • 空戦では敵機の位置などの探知情報なども、これを通して伝達が行われているようである。

注目すべきポイント

空戦シミュレーション

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

空戦のシミュレーションを行うグリペンは、機械が不完全だと愚痴をこぼす。慧が言うには特には問題がないらしい。……。

このシーンでは平均覚醒時間を越えたグリペンに対し、シミュレータにおける実戦訓練を行っている。空戦結果はアニメで描かれていないが(何となく分かるが)、愚鈍な動きしかできず、ザイに追い回されている。実践ならば死んでいた、ということだ。

その原因をグリペンは「機械のせい」だと言っているが、慧が言うには特には問題がないらしい。つまり、やはり原因はグリペンにあるということなのだろう。

デート

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

一週間後の試験フライトに向けてデートを繰り返し、八代通はグリペンが安定する理由を探る。……。

一週間後に生死の決まるグリペンとデートを繰り返す鳴谷慧。その光景はどこからどう見てもカップルである。グリペンがどこか寂しげな顔をしている気もするが、それはさておき。明華には決して見せられない光景だ。

しかし、決して死ぬ前最後の青春を謳歌しているという訳ではない。これも全て計画であり、グリペンが安定するための方法を探っているのだった。そして、

原因が判明

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

グリペンと慧の脳はが同調し、最後には全く同じになったのだという。……。

つまり、慧の存在が、グリペンの脳波が狂うことを防いでいる……といった感じである。しかし、そんなことがあり得るのだろうか? 八代通も「脳波が同調するなんてあり得ない」と断言している。

だからこそ八代通は「グリペンに過去に会ったことがあるのか?」などという意味不明なことを聞いたのだろう。無論、そんなことあるはずもない。もし会ったことがあったとしても、脳波が同調する理由としては弱いだろう。

ザイの正体が語られる

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

隊員にボロクソに言われるグリペン。隊員との間に割って入った慧は、衝撃の事実を告げられる。……。

原作で読んだときは、もっと重く、絶望感があるように思いましたが、アニメで見てみると軽いように自分は思ってしまいましたね……。「隊員に嫌われている(第二話より)」「「ザイは嫌い?」と慧に問うグリペン」「制作者自身が良く分かっていないアニマという存在」など、伏線がかなり分かりやすかったからでしょうか。

さて、慧はこれまで憎しみを持った相手であり、消えて欲しいとまで言い切ったザイと主に過ごしていたことを意味します。しかも、グリペンはいくらでも事実を告げる時間があったはずなのに黙っていたことも、精神的にはショックだったはずです。八代通が彼女のことを完全に理解できていないことなども、理由の一つかも知れません。

とにかく、彼はその日からバイトに行かなくなってしまったのです。

明華は……

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

明華に買い物(デート)に誘われるも、グリペンからの手紙を見た慧は家を飛び出す。……。

さて、慧はバイトということで連日小松基地に赴き、グリペンとのデートに興じていました。一方、明華は何をしていたのか? 原作でも書かれていないので妄想を語るしかありませんが、慧のバイトが休みになる日を今か今かと待っていたのでしょう。はい、可愛い。

そして、雨も止み、慧も家にいるという絶好の状況。買い物と言う名のデートに誘います。受け入れられたときの明華の顔が可愛い。

それなのに家を理由も告げずに飛び出す慧。「馬鹿」と言いたくなる気持ちも良く分かります。可愛い。

手紙の中身

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

お礼として渡された袋の中には、手編みのマフラーと手紙が入っていた。……。

「ザイが嫌いだ」という慧の言葉に勇気をへし折られ、隠し事をしているという罪の意識にさいなまれている彼女の気持ちの吐露が、そこには綴られていました。

彼女はザイの核を元に作られました。しかし、このような心を持った彼女は、人のいた痕跡まで消し去るほどの暴力を兼ね備え、会話もできないザイと同じだと言えるでしょうか。彼女を嫌いだと突き放すことができますでしょうか。

例え、仲間であるはずの隊員に嫌われ、蔑んだ目で睨まれようとも、そんな彼ら含む人類を守るために命をはっている彼女を、忘れることができるでしょうか。

いいところを奪っていくイーグル

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(c)夏海公司/KADOKAWA/GAF Project

試験を受けるグリペンの前に現れたザイ。限界に達したグリペンを助けるようにイーグルが現れる。……。

まずこのシーンで考えなければいけないのは、 ”この海域では、これまでザイが現れなかった” という点です。つまり、防衛境界線は確実に押されているということを意味します。最終防衛ラインとされている小松基地が戦場になるまで、さほど時間はかからないでしょう。

そして、グリペンを救ったイーグルは同時に日本も守ったと。英雄ですね。

最後に

次の話で一巻は終了でしょう。つまり四話で一巻ということになり、アニメでは四巻まではやらない……と。四巻の終わりが、一番区切り良いと思うのですが。

作画も安定してきましたし、盛り上がりに欠けた第一話から、二話三話と順調に物語は盛り上がりを見せています。最初にも書きましたが、第一巻はプロローグのようなものです。まだザイと戦っているというよりも、 ”日本を何とかギリギリで守っている” という状況ですし、正体なんて全く手がかりすらないような状況なのですから。

 

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