まず最初に
「ブギーポップは笑わない」アニメ第一話が放映されました。それに対する視聴者の声は、
「つまらない」
「分からない」
といった声が大多数だったように思う。さて、そんな人達に向けて、一原作ファンとして言わせていただこう。
それが正しい感想だ。
第一話は竹田啓司という ”事件のことを察知せず、普通に日常を過ごしている男子高校生” 視点で描かれている。当然、物語における進展は ”表面上だけを見れば” ないに等しい。何が起こったのか分からない、と言った感想を抱くのは当然なのだ。
しかし、実際は彼の目の前で世界は普通に滅びかけていたし、彼の知り合い(第一話での登場人物達)にもかなり被害がでている。
しっかりと伏線が貼られているので、着目すべきポイントや人物や用語を、第一話の情報と原作の知識を交えてまとめておく。
用語・人物解説
竹田啓司
- 第一話における主人公である。しかしながら、 ”世界の危機” が起きていることを知らない。
- 宮下藤花の彼氏であり、高校三年生。デザイナー事務所に高卒で就職するため(あくまで修行のため)、受験はしない。そのため同級生である一部の受験生達には、少しばかり邪険に扱われている。
- 実は、めっちゃモテる。
宮下藤花(=ブギーポップ)
- ”世界の危機” に陥った時、自動的に現れる。宮下藤花の二重人格では? と精神科医に診断されたが、実際のところは不明。
- 作中最強の存在であり、糸を用いて攻撃する。
- 彼の誕生は「夜明けのブギーポップ」(夜明けのブギーポップ 感想 - 工大生のメモ帳)にて描かれているが、多くは謎に包まれている。
新刻敬
- 竹田啓司と同じ風紀委員に所属し、自分なりの正義感を持っている。
- 背が小さいことを気にしており、実際とても小さい。
- 竹田啓司に対して、好意を抱いている。
- 彼女が大活躍するエピソードはこちら「ブギーポップ・チェンジリング 容暗のデカタント」(ブギーポップ・チェンジリング 容暗のデカダント・ブラック 感想 - 工大生のメモ帳)
早乙女正美
- 画像中央右の男であり、霧間凪に告白した過去がある。
- 霧間凪のことが好き(?)だったにも関わらず、上記画像のように女子を連れている。
- モテるんですよねぇ……。
紙木城直子
- 画像右の女性。本作において、ある意味、世界を救ったとも言える。彼女がいなければ、世界は滅んでいただろう。
- 男と気分によって付き合ったり、別れたり……男遊びが激しい?
- この時点では、弓道部の後輩と付き合っています。
末真知子
- 宮下藤花の友人。クラスメイトからは ”博士” などと呼ばれ慕われている。
- 過去に連続殺人鬼の次のターゲットとして狙われたことがある。その事件の頃から、心理学などの本を数多く読むようになった。
- かなり責任感が強く、行動力も高い。
霧間凪
- ほとんど学校に来ることはない。
- クラスメイトからは「炎の魔女」と陰で言われている。「炎の魔女」と呼ばれるようになったエピソードはこちら「ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド」(ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド 感想 - 工大生のメモ帳)
- 彼女については、今後嫌と言うほど書くことになると思うので、今回はこれくらいに。
世界の危機
- その名の通り。世界が崩壊する一歩手前の状態。
- ブギーポップはその度に現れ、 ”世界の危機” を引き起こす存在 ”世界の敵” を倒す。
- ”世界の敵” は能力者だったり、兵器だったりと多種多様。
注目すべきポイント
ブギーポップによって助けられる謎の男性
宮下藤花にデートをすっぽかされ、街中で一人待たされる竹田啓司の前に現れる酷く汚れた謎の男。まともに言葉を話すこともできず、ふらついた足取りの彼に対して、ブギーポップが何かを一言告げると、正気を取り戻したように逃げ出して行った。……。
このシーン、原作未読者からしてみれば意味不明でしょう。しかし、
この場に、もしブギーポップが来なければ、世界は崩壊するところでした。
いや、正確に言うならば、 ”これ以上人の悪意に晒され続けたら” ……という方が正しいでしょうか。
霧間誠一という男
上記の画像は、末真知子が教室で読んでいた本の表紙です。この「霧間誠一」という男の名前は度々登場し、竹田啓司が二重人格について調べるために図書室で借りた本にまで、霧間誠一という名前が書かれています。
霧間……どこかで見た名字ですねぇ……。
失踪事件が多発している
風紀委員が集まって、先生の話を聞いているシーン。
「今年になってから家出した女子生徒が、全校で四人にもなった」
ブギーポップ第一話 先生の台詞
恐ろしい世の中になりました……何せ、四人の女子生徒が同時期に失踪しているのですから。先生は、家出だと思っているようですが……はてさて、どうなのでしょうか?
紙木城直子が学校に来ていない
新刻敬に「紙木城直子が学校に来ていない」という話を聞いた竹田啓司。クラスにまで行って話を聞きに行きましたが、誰もその理由を知らないようです。受験を受ける彼女は、そのプレッシャーから逃げ出したのだろうと、同級生は語りますが、竹田啓司はどうにも納得できません。そんな彼に対して「あなたは受験を受けないから理解できないんだ」と同級生。
……ふぅむ、まぁ、そう言われると……そうなんだろうなぁ(思考放棄)。
男女交際を見逃す新刻敬
新刻敬が竹田啓司と宮下藤花の二人を見かけた際、普段であれば、風紀委員として「男女交際禁止」の校則に則り、竹田に対する好意も交えながら、竹田啓司に詰め寄ります。まぁ、アニメ第一話では、そんなシーンが省かれていますが。
しかし、第一話終盤では「今回は許します」と宮下藤花に視線を投げかけています。
彼女には、何か心境が変化するような ”何か” が起こったようです。
最後に
原作も最初は意味不明です。しかし、次々と視点が変わり、徐々に情報が小出しにされ、事件の解決に結びついていく過程は、読んでいて心が躍ります。
原作ファンとしては、三話で一巻を描ききるためにはこれ以上ない構成なのかな? と思います。意味が分からなかった……という方も、登場人物や時系列を整理すれば、それほど難解ではない事件です。
このブログが、アニメを楽しむために役立てられれば幸いです。
「ブギーポップは笑わない」原作の感想はこちら
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