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【アニメ】「ブギーポップは笑わない」第十話【感想・解説】

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2019年冬アニメリスト

 

まず最初に

 「夜明けのブギーポップ」の物語が始まった。予想外に、一度に四話放映されるというブログ主泣かせの展開である。第一話・第二話が一度に放送された初回から、ある程度は覚悟していたものの、いざ来られると時間的にも身体的にも厳しい。

しかし、アニメを見て「書かなければ」「書きたい」という思いが、どこからともなく湧き上がってきたことも事実。最後まで見てから書けるので、削られた部分など分かりやすいのは、ありがたいと言える。

ブギーポップが不気味な泡たりうる理由であり、霧間凪が ”正義の味方” となった理由である物語の「感想・解説」を書いていこう。

用語・人物解説

黒田 慎平(=スケアクロウ)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 統和機構で作られた合成人間。名前はスケアクロウ(scarecrow : 案山子)。
  • 顔色を見ただけで色々なこと(体調など)が分かる。
  • 統和機構に言い渡された任務であるMPLS能力者の捜索を行っている。見つかったMPLS能力者は、殺されるか、実験体として連れて行かれる。
ピジョン

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 統和機構で作られた合成人間。名前はピジョン(pigeon : 鳩)。
  • ここら一帯の合成人間達への連絡係を担っている。
  • 彼女の能力に関しては原作にも記述がない。
佐々木 政則(=モ・マーダー)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 統和機構で作られた単式戦闘型人造人間。名前はモ・マーダー(Murder : 殺人)。
  • 掌から微細な振動波を発し、内臓をぐしゃぐしゃにしたり、握ったナイフを電動ノコギリのようにすることができる。
  • 彼の過去は「ビートのディプリン」にて見ることができる。
霧間 凪

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 彼女の父は霧間誠一という大作家。彼が死んだために、この歳にして億万長者である。
  • 進化の結果であるMPLS能力者のなりかけ。炎の魔女だぁ……。
  • 彼女が黒田慎平の助手になりたかったことを示す話が原作にはあるが、長いためカットされていた。
来生 真希子

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 霧間凪のカウンセリング担当。
  • もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと――もっと圧倒的な崩壊が欲しい
  • ……………………………………………。
寺月 恭一郎
  • 「歪曲王」にて登場する日本最大手の企業家であり、会社MCEの社長。
  • 酔狂で多数の奇妙な建造物を建てた。本作では霧間凪が入院している県立総合病院が、それに当たる。
  • 統和機構の合成人間でありながら、あまりに稼ぎすぎているため(目立ちすぎているため)に、身辺の調査が度々行われた。
進化薬
  • アニメにて霧間凪に注射された薬の名称。
  • 人間の進化を促進させる効果がある。
  • すでに進化しかけていた人間に打ち込むと、ワクチンのように作用して進化を打ち消す可能性がある。

注目すべきポイント

謎空間にて

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

ブギーポップとエコーズが謎の空間で言葉を交わす。……。

冒頭からいきなり謎空間。背景がおかしいのは勿論だが、情報として光となって消えたはずのエコーズがいて、喋ることができないはずのエコーズが喋っているという突っ込み所満載の世界(ブギーポップ曰く ”壊されたあとの世界”)だ。

ここは何処なのか? という当然の疑問はここで議論しても意味がないので置いておくとして。ここで覚えておかないといけないのは、ここから先の物語は『ブギーポップの名前の由来』が描かれているということだ。

ブギーポップの最後の台詞、

「案山子さ、カラスよけの、道化だよ――」

という言葉の意味が、第十話の最後で分かるような構成となっている。しかし、第十話時点ではまだ、ブギーポップと名乗っていないということを意識しておこう。

黒田探偵事務所

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

黒田探偵事務所にて、ピジョンとスケアクロウの二人は会話する。……。

 統和機構の合成人間二人の会話で展開されていく。ここで理解しなければいけないのは、

  • ピジョンとスケアクロウの関係性

二人の会話からして、相当仲が良いことが伺える。冗談を言い合い、ピジョン専用のカップまであるような描写も存在する。「用語・人物解説」でも示したが、ピジョンはここら一帯の連絡係を担う合成人間であり、スケアクロウは一介の合成人間に過ぎない。いわゆる上司と部下のようなものだ。しかし、このシーンを見ると、それだけのようには思えない。

  • 寺月恭一郎の調査依頼

ピジョンから下された指令は「寺月恭一郎の身辺調査」。どうやら統和機構上層部は、彼の裏切りを疑っているようだ。理由としては「目立ちすぎ」が上げられる。統和機構が活動しやすいように場を整えることを命じられた合成人間である彼が、経済において絶大的な影響力を持つようになるまで成長している。もし彼が統和機構に牙を向いたとすれば厄介なことになる、かもしれない。

彼の会社に関しては、おそらく「歪曲王」にて詳しく説明されるはずだ。「歪曲王」について簡単に説明すると、「寺月恭一郎が作った建造物で起こる奇妙な事件を多数の人物の視点で描いた作品」となっている。

  • スケアクロウの通常任務

スケアクロウは通常任務として、探偵として活動する傍ら「MPLS能力者の捜索」を行っていた。しかし、これまで大した成果は上げられていないようだ。

ちなみに見つかったMPLS能力者は、殺されるか、実験体として連れて行かれる。

霧間凪との出会い

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

器間凪とスケアクロウが出会う。……。

寺月恭一郎が支援した県立病院に目をつけたスケアクロウは、早速病院へと向かった。ここで注目すべきことの一つとして、病院の構造が上げられる。原作の文章を用いると、

「建物は縦に伸びる八角形柱をしていて、高さは十三階もある」

「八角形の建物の、その中心部は吹き抜けで中には庭園があったのだ」

……といった様に、病院らしからぬ、お洒落な建物となっているようだ。そこら辺の情報に関してはアニメでも分かるようになっていたので、あまり問題はないだろう。

そんな病院の庭園にて、スケアクロウは霧間凪に出会う。その一連の会話で重要なことは以下の二つ。

  • 一つ目「霧間凪がMPLS能力者となりかけていることに、スケアクロウが気付く」

霧間凪は「体が言葉で表せないぐらい痛む」「医者が言うには成長痛かも知れない」と発言する。スケアクロウの脳裏には、進化の結果であるMPLS能力者の存在が頭をよぎった。進化の過程では、体が急激に成長(進化と言うべきか)するため痛みを感じる場合があるようだ。

  • 二つ目「霧間凪が自身の調査をするようにスケアクロウにお願いする」

何故、このようなことを頼んだのか? 小説においても、彼女の心情は描かれていないため、ここでの記述は避けよう。是非とも小説を読んで色々と考えて貰いたい。

また、この一連の会話が、霧間凪にとって大きな意味を持っていることが、原作を読めば分かる。

霧間凪の調査の結果

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

スケアクロウは霧間凪に調査結果を報告する。……。

  • 霧間凪の父親が霧間誠一という作家であること。
  • 彼が死んだ後、著作権や財産が転がりこんだ彼女は億万長者となったこと。

が分かったようだ。霧間誠一に関しては、これまで何度も名前が登場しているので、何となく分かって貰えるのではないだろうか。彼に関してはアニメ一話分をわざわざ裂いてくれているので、そこで説明したい。

ここで注目したいのは、「スケアクロウが横領していた代理人を辞めさせた」ということだ。そんな彼の行動に対して、霧間凪は理由を尋ねている(原作では請求書の有無まで訊ねていた)。「見返りを求めているのでは?」「自分に取り入ろうとしているのでは?」という霧間凪の思考は至って普通だろう。

しかし、スケアクロウは大して気にも留めていない。

そんな変わり者の彼に対して、霧間凪は「自身が将来なりたいものが分からない」と告げる。難病を抱えた少女の言葉と考えると、言葉の重さが分かって貰えるだろう。

さらに、スケアクロウによって「霧間凪がMPLS能力者だ」と統和機構に報告されれば、実験体として連れて行かれる。スケアクロウの複雑な心境が分かって貰えるだろうか。

そんな彼女に対して「正義の味方になりたい」と自身のことを語るスケアクロウ。彼の言葉が霧間凪に影響を与えていることは、「ブギーポップは笑わない」「VSイマジネーター」を見てきた人は分かるはずだ。彼女は ”正義の味方” として活動している。

また、霧間凪の「なればいいじゃん、きっとなれるよ」という言葉も、スケアクロウに相当な影響を与えていることが、後々分かる。

霧間凪が進化しかけていることが確定する

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

霧間凪に握られた跡が残っている。……。

痛みに苦しむ霧間凪に握られた左手に跡――火傷している。まさか、人に握られて火傷するような敏感肌という訳もないだろう。

ここで問題なのは、霧間凪が能力を制御できていないという点だ。それ以前に、体が進化に耐えられず、苦痛に襲われているという時点で色々と問題である。

つまり、このまま時間が経つと、肉体が進化に追いつけず霧間凪は死ぬ。

スケアクロウは「どうあがいても彼女に未来はない」と言っているほどの窮地だ。

紙木城直子との会話

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

紙木城直子とスケアクロウは言葉を交わす。……。

紙木城直子は「ブギーポップは笑わない」にて登場。エコーズと唯一会話できた女だ。

彼女はスケアクロウに「彼女の味方になって欲しい」とお願いする。ちなみにこの一連の会話は霧間凪にも聞こえている。恥ずかしい……。

ここでの約束も、スケアクロウに彼女に影響を与えている。とりあえず先の展開を見ていこう。

統和機構への報告書

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

報告書を作成するスケアクロウ。……。

さて、MPLS能力者を見つけたスケアクロウ。統和機構に報告すれば手柄を立てたことになる。

そんな彼の脳裏に浮かぶのは「きっとなれるよ」と言ってくれた霧間凪の姿。味方になって上げて欲しいと言った紙木城直子の姿。

彼は一体、どのような行動を取るのか?

モ・マーダー登場

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

モ・マーダーに指令が下される。……。

「名前はスケアクロウ。反逆行為により抹殺対象に認定」と電話相手に告げられる。

どうやらスケアクロウは統和機構に対して良からぬことをしたようだ。ここでまとめると、

  • 施設RS22TTU(薬などが保管してある施設)を襲撃。
  • 薬品や機器に甚大な被害を与えた(=進化薬を盗んだ)。

進化薬(アニメでは ”あの薬” ”アンプル” としか言われていない)をスケアクロウが盗み出し逃走。

スケアクロウは ”統和機構の敵” となってしまった訳だ。

来生真希子登場

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

来生真希子登場。……。

七階の窓が開いていることに気がついた来生真希子。ここからスケアクロウは中に入ったようだ。流石は合成人間、常識が当てはまらない。

さらに……ここで彼女は進化薬を手に入れてしまう……。上記二つの画像の内、下の奴だ。この薬が彼女を変えてしまう訳ですが、それは次話にて。

戦闘シーン

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

スケアクロウとモ・マーダーが激突する。……。

霧間凪がここにいるということに驚いたモ・マーダー。その理由に関しては別の話で説明される。とにかく、過去に何かあったというらしいということを覚えておいて欲しい。

そんなモ・マーダーの気配に気がついた来生真希子が騒ぎ、スケアクロウはモ・マーダーが迫っていることに気がつくが、あえなく床に押さえつけられた。

さて、ここで問題のシーン(上記画像の上)。

帽子にナイフ(包丁?)を突きつけると目映い閃光が――。

これが彼の能力なのか? と思われるかも知れないが、実際は帽子の下に装甲を隠していたことによるものだ。モ・マーダーの能力により電動ノコギリのように振動しているナイフと固い装甲がかち合った際の火花――だと思ったのだが、止めてみると電撃が走っているようにも見える。

特殊な装甲ということなのでしょうか? アニメオリジナルの演出である。

その後、逃げるスケアクロウに対して少しずつダメージを蓄積させることで追い詰めていく。アニメではその辺りの描写を削っていたが、なかったはずの傷が増えていたりしている描写があることから分かって貰えるだろう(背中にささったナイフ 大量の血が流れている などなど)。下の画像は逃げているスケアクロウの背中に、なかったはずのナイフが刺さっているシーンだ。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
スケアクロウと宮下藤花の会話

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

宮下藤花とスケアクロウの会話。……。

死期を悟ったスケアクロウと、宮下家の誰かの葬式のために火葬場に来ていた宮下藤花、二人の会話。ここでは左右非対称の顔や、不気味な泡というスケアクロウの言葉など、ブギーポップの要素が散りばめられている。

ブギーポップの名前の所以であり、ブギーポップがブギーポップとなるシーンだ。

この後起きる事件を境に、宮下藤花の母親が娘を病院へと連れて行き、母親自身が精神を病んでしまう(次話にて詳しく)。この騒動以前に、ブギーポップが出現したという記述がないため、ブギーポップが世界に初めて出現したシーンかと思われる。

しかし、この時点で ”ブギーポップ” とは名乗っていない。いつ彼女は名前をかたるのだろうか。

また、上の画像を見て貰うと、スケアクロウの帽子に装甲があることが分かる。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

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結末

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

スケアクロウは死に、日常へと戻っていく。

スケアクロウ亡き後のことを少し説明しよう。

まずピジョンはスケアクロウがいた黒田探偵事務所に赴き、彼がいた痕跡を消している。原作より、ピジョンは涙を流しながら一連の作業を行っていた。

次に来生真希子は手に入れたアンプルを上司に渡すことなく、自身の物として持ち帰っている。その後、病気が完治した霧間凪との関連を疑っているようだ。

最期にモ・マーダー。彼はスケアクロウの死体を見つけ、後処理を行っている。その際、彼の死に顔があまりに誇らしげであることに疑問を感じているようだ(原作の言葉を借りると「後悔など欠片もない見事な表情」)。

最後に

最初にも書きましたが、一気に四話放映されたために、てんてこ舞いなブログ執筆の日々を送っています。いつもならば、「このシーンは今後描かれるかも?」とか「このシーンの解釈変わってる?」とか、分からないまま手探りで書いていたことが、迷いなく書けるようになったことはありがたいのですが……。

「ブギーポップは笑わない」や「VSイマジネーター」よりはキャラの数は少なく抑えられ、これまでを見てきた人ならば分かる設定が多いなど、分かりやすい物語となっているのではないでしょうか。

ブギーポップシリーズの時系列的には、一番古い作品となっている本作。ブギーポップ誕生の物語をお楽しみあれ。

【前:第九話】【第一話】【次:第十一話
2019年冬アニメリスト

 

↓自分の書いた原作の感想はこちら

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↓ブギーポップシリーズまとめリストはこちら

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