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【アニメ】「ブギーポップは笑わない」第十七話【感想・解説】

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2019年冬アニメリスト

 

まず最初に 

「歪曲王」さんの正体が分かりましたね。また、今起きている状況に関する説明も、やり易くなりました。有り難いですね。

……というか次話で終わりなんだなぁ……と感慨深く思います。この感想・解説記事を書き始めた理由、実はこの「ブギーポップは笑わない」第一話を見て「意味不明」すぎたからなんですよね。かなり手探りで始めた記事ですが、ようやく書く際の流れが安定してきたかな? と思います。

最終話前、終わりへと向かって行く物語を見ていきましょう。

用語・人物解説

羽原 健太郎

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 歪曲王と共に行動しながら、歪曲王を追いかけていた男。
  • 正義の味方に憧れ続け、今回も自分なりの正義を追い求め動いている。
  • 彼と霧間凪の関係性が、個人的には好きだったりする。
田中 志郎

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 歪曲王。
  • 彼の能力や存在に関して、詳しくは次話の感想・解説で書きたい。
  • 彼の存在は寺月恭一郎にとっては想定外だったために、今回のようなややこしい事態となった。
道元 咲子

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 今回の騒動で救われ、人として成長できた人物の一人。
  • ブギーポップとの会話で、自身と向き合うことができた。
  • 彼女の今後はきっと良いものになるだろう……そんな予感がある。
竹田 啓司

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 宮下藤花(?)に誘われる形でムーンテンプルに入ることとなる。
  • ブギーポップに会いたいと思っている彼にとっての、心の歪み・願望とは何なんだろうか。
  • 主人公のようでありながら、あまり本編シリーズにはあまり登場してくれない。
ブギーポップ(=宮下藤花)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 彼には主体がない。つまり、行動する目的はあれど、そこに自分の意思は介在していないのだ。
  • 「世界の敵」と戦うという彼の行動は、決して「戦いたいから」「世界を救いたいから」という理由があるのではなく、ただの存在意義であり機械的なのである。
  • 彼は歪曲王も自身と同じで主体がないと表現した。

注目すべきポイント

田中志郎と羽原健太郎の話

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

ここでは田中志郎と羽原健太郎の行動を時系列に沿って、簡単な流れとしてまとめると、

  1. 道元咲子の下に扉を見つける。
  2. 下に潜るも何も見つけられず、戻ろうとした際、道元咲子に閉じ込められる。
  3. 寺月恭一郎の放送を聞き、上へ向かうために穴を捜し始める。
  4. 最上階へ到達、寺月恭一郎が残した映像を発見。

1に関しては割愛。まずは2に関して説明を――としたいところだが道元咲子の説明をする際に書こうと思う。ということで3から。

3で理解すべきは『放送の内容』だ(といってもアニメでは竹田啓司視点で描かれている。ややこしい)。内容を箇条書きにしてまとめると、

  • ムーン・テンプル内に外から入ることはできない。
  • 通風口を全て閉じたため、いずれ酸素がなくなり死ぬ。

しかし実際の所、通風口を閉じたところで空気の流れを完全に遮断することはできない。この放送の目的は「中の人達を焦らせ、上へ人々を向かわせる」ことだと、田中志郎は冷静に分析した。そのために、現在いる場所から外へ出て、上へ向かうことを目標に掲げる。ちなみに、ここで流れていた曲はレッド・ツェッペリンの『カシミール』だ。

そして、4へ。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

4で大事なのは勿論『寺月恭一郎が残した映像』だ。理解すべきは、寺月恭一郎が行おうとしていたこと……そのために順序立てて説明しよう。

  • 寺月恭一郎は統和機構で作られた人造人間

この情報に関しては、「夜明けのブギーポップ」で明かされていた。もし見ていないのならば、見てきて欲しい。

  • 世界には流れがある

おそらく多くの人が分からないであろう、 ”流れ” ”進化” ”指向性” といった一連のフレーズ。これらはブギーポップシリーズで度々使われ、大事な理屈だと言える。

寺月恭一郎は進化論による例を用いて、その ”流れ” を説明している。また、「夜明けのブギーポップ」より霧間誠一は、 ”進化” した存在と、これまでの存在が、互いにつぶし合っていると現状を説明した。

その ”進化” した存在と、これまでの存在の戦いはどちらかが生き残るという ”流れ” において、どちらが生き残るのか? という向き(”指向性”)を予め知ることができるようにする(もしくは操る)……というのが統和機構という名のシステムである(あくまで自分なりの解釈。色々と読んで自分なりに解釈して欲しい)。

  • ムーン・テンプルの役割

『わかるはずのないことがわかり、来なければならないところに来る者』……一言で言うならば ”統和機構の敵” となる可能性がある人であり、進化した存在を呼び寄せるための、トラップであると説明されている。

そうして呼び寄せた人に対して、「気をつけろ」と言うためだけに寺月恭一郎は、このムーン・テンプルを建てたのだ。

  • 寺月恭一郎の作戦

自分が亡き後はムーン・テンプルが見世物とされるだろう、と推測した寺月恭一郎。 ”偶然” やって来た客を、弱い睡眠ガスで眠らせ、”偶然” 起きて、”偶然” 最上階に辿り付いた人(”統和機構の敵”)を炙り出そうというのが、彼の作戦である。

  • 寺月恭一郎の最期

寺月恭一郎はユージンという統和機構の刺客に殺されたようだ。果たしてユージンとは、どういう奴なのでしょうね……。

これらの説明に対して、羽原健太郎は納得していないようだ。それもそのはず、

歪曲王の名前が一切登場していないのだ。

では歪曲王とは誰なのか?

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

……。ふぅーん。

道元咲子の話

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道元咲子

道元咲子は日奈子と過ごす夢(?)から、羽原に起こされる形で醒める。ここで理解すべきは彼女の行動理念だ。

彼女は『日奈子に謝れなかった』という心残りがあり、自分を『醜い存在』だと攻めた。そんな醜い自分を殺して欲しい、と『ブギーポップを探している』。しかし、『日奈子に謝れなかった』という心残りを解消するためには、どうすれば良いか? という問題が解決していない。

歪曲王は歪みを黄金に変える、と言っている(色々と解釈はあるだろうが、願望を解消する……という理解で問題ないだろう)。そんな彼(?)の目的を邪魔して欲しくない咲子は、健太郎と志郎を閉じ込めたのだ。

そんな彼女は向かった先でブギーポップに出会う。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

ようやく念願のブギーポップと会うことができた道元咲子。この一連の会話で大切なのは『歪曲王の主体』『日奈子の性格』に関する説明だ。

  • 歪曲王の主体

ブギーポップが言うには、歪曲王には主体がないらしい。主体とは『自覚や意志に基づいて行動したり作用を他に及ぼしたりするもの(参照:主体(しゅたい)の意味 - goo国語辞書』である。歪曲王はあくまで『その人の歪みが形となって出てきた』だけであり、『その人の分身』だと言える。

  • 日奈子の性格

歪曲王は主体がないため『その人の分身』として現れたと説明した。つまり、咲子が日奈子だと思っていた人も、あくまで歪曲王であり、『咲子の分身』に過ぎない。

……何だか、ややこしくなってまいりました……。

困惑する咲子に対して、ブギーポップは「彼女(=日奈子)が好きかい」と訊ねます。

咲子はその質問に対して頷きます。

そんな彼女を見て、「もう達成してるじゃないか」と告げるブギーポップ。

「その気持ちが黄金でないとするなら、この世の中に輝けるものなんか何もないじゃないかな?」と言葉は続く……と続きは次話へ。

竹田啓司の話

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

外にいた竹田啓司は宮下藤花(=歪曲王)と出会う。彼女に案内される形でムーン・テンプルに入ることとなるが、果たして。

最後に

伝わっていますか? 頑張って書きましたが、ややこしいことしか伝わっていないような気がします。可能ならばブギーポップシリーズ全巻を読むべきですね。もう二十三巻にもなりますが。ブギーポップシリーズ以外の外伝を除けば、もっととんでもないことになりますが。ブログ主も全部読みたくても読めていませんが。

原作通りのアニメ化でとてもありがたいですが、改めて説明しようとすると大変な作品だな……と改めて思いました。

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2019年冬アニメリスト

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