まず最初に
「小説家になろう」にて連載され、書籍化に至った作品。現世にて、それはそれは酷いブラック企業で社畜に明け暮れていた竹林竜馬が、寝ている最中でくしゃみをしてしまうことで死んでしまう。しかし神様に選ばれて、異世界へと転生させてもらうこととなった。そうして始まるスローライフ(社畜)。
本作の特徴としては、主人公が死ぬ前からかなり強かったということ、主人公の転生後のステータスが特別強いわけじゃないという点、スライムがたくさん出てくる点……くらいでしょうか。
ここでは世界観やスライムに関して、情報をまとめられたらと思います。今季はなんとか毎週更新できそうな目処が立ちましたので、何卒よろしくお願いします。
用語・人物解説
竹林 竜馬(異世界)
- 三人の神様の加護を得て異世界へと転生して来た元サラリーマン。
- 魔法は全属性を操るが、使わなければレベルが上がらないため器用貧乏になりがち。竜馬の場合は、攻撃のレベルは上がらず、生活水準を向上させる魔法ばかりレベルが上がっている。
- 体力と耐性だけはかなりレベルが高い。魔力も高いが、身近に彼よりも魔力が高い人が現れるためチートというほどでもないだろう。他のステータスに関しては、比較的一般的な水準に収まっている。
竹林 竜馬(転生前)
- ブラック企業勤めのSE。
- 厳格な父に子供の頃から武術を仕込まれる。そのため転生する前から、それなりの強さを誇っている。肉体強度もかなりのものだが、寝ている間に4回くしゃみをして、枕から頭がずれた際に、床に頭をうちつけて死んでしまった。
- それなりのオタク気質で、死ぬことになる就寝前には、後輩から借りたラノベを読んでいる。
ラインハルト・ジャミール
- ジャミール家侯爵の現当主。
- 過去に相当な苦労を積んだ少年・竜馬を気に掛け、なにかと気に掛けるようになる。
- 詳しくは二話以降で。
カミル
- 魔法使い。
- ラインハルトと同じく、少年を何かと気に掛ける。
- 詳しくは二話以降。
ゼフ
- 斥候。
- ラインハルトと同じく少年を何かと気に掛ける。
- 詳しくは二話以降。
ヒューズ
- 怪我をして腹部から血を流していた人。
- 命の恩人である竜馬には恩義を感じており、何かと少年を気に掛ける。
- 詳しくは二以降。
ガイン
- 創造神。竜馬のことを気に入り、彼の動向はかなり熱心に追っているようだ。
- 異世界ラノベが流行っていることを把握しており、「テンプレ」の一言で説明しようとする。
- ジャミール家の前当主に加護を与えていた。
ルルティア
- 愛の女神。
- ガインと同様に竜馬のことを気に入った御様子。
- ジャミール家の娘、エリアは彼女の加護を受けている。
クフォ
- 生命の神。
- ガインと同様に竜馬を気に入り、彼に加護を与えている。
- ジャミール家のラインハルトに加護を与えている。
スライム
- 一般的なスライム。
- 川沿いに生息。長距離を移動する場合は、水の流れに乗って行うらしい。
- それぞれに核を持っており、この核が分裂することで数を増やす。分裂の速度は、餌が豊富であったりなどの外的要因で変化する。また分裂の速度にはレベルという概念があり、分裂をこなせばこなすほどレベルも上がり、速度も速くなっていく。
スティッキースライム
- 蜘蛛のように糸を吐き、対象を拘束し捕食するスライム。
- 本来は糸ではなく粘液を吐いていた。しかし、強力粘着液と粘着硬化液というスライムが吐く二種類の液を混ぜ合わせることで糸にすることができることを発見。スライム自らが糸にする加工ができるように特訓させ、今に至る。
- スライムにグリーンキャタピラーを与え続けると、一定確率でスティッキースライムに進化する。
アシッドスライム
- 骨のような固いものを溶かすことができる酸を生成することができるスライム。
- 吐き出された酸を貯めておけば、罠や武器として応用可能。
- スライムにを与えるとアシッドスライムに進化する。
ポイズンスライム
- 毒を生成することができるスライム。
- 生成された毒は人一人を容易く殺すことが可能。竜馬はこの毒を用いて、盗賊団を壊滅させたことがある。
- スライムに毒草を与え、生き残ったものがポイズンスライムとなる。
クリーナースライム
- 服や皿、体の汚れを捕食し、綺麗に保つことが得意なスライム。新種。
- 戦闘力が最も低く、自然環境では生き残ることが実質不可能であるため、これまで発見されることがなかったと思われる。
- 竜馬の風呂の残り湯や体を洗った水を好むスライムがいたため、与えてみるとクリーナースライムになっていた。
スカベンジャースライム
- 汚物を好んで捕食し、環境を綺麗に保つ。新種。
- クリーナースライムと同様に戦闘力の低さ故、自然環境で生き残ることができなかったことが、これまで発見されなかった要因だと思われる。
- スライムに動物の死骸などの汚物を与え続けるとスカベンジャースライムとなる。
魔法
- 12の属性があり、難易度により簡単なものから下位、中位、上位のように暗いわけされている。
- 下位属性は無・火・水・風・土。中位は氷・雷・木・毒。上位は光・闇・空間。
- 竜馬が氷水を出したときに驚かれたのは、中位の魔法である氷を使ったと考えられたため。
用語・人物解説
転生前準備
アニメでは時系列を入れ替えており、転生してから三年後のシーンから始まっている。この記事では正しい時系列で説明を記載していく。ということで、ちゃぶ台を前にして神と転生者が相まみえる見慣れたシーンから。
- 死因
気になるのはまず転生に至った死因であろう。竜馬の最後の記憶は布団に入って寝ようとした所で止まっているが、彼の死因は脳内出血となっている。どうやら眠った後で、くしゃみを4回して、それにより枕がズレてしまい、頭を床に打ち付けてしまったことが原因であるようだ。ほんの少しでも稼いだ金を寝具に費やしておけば、彼は死ななかったかもしれない。
- 転生理由
原作では転生に関する諸々の説明を、「テンプレ」という便利な言葉で省略されている。しかし、転生する目的に関してはそれなりの説明をしてくれていた。また、アニメでもわざわざ図を用意してくれている。
改めて文章で書くと、ガイン達神々が管理する世界では、定期的に魔力が不足してしまう。その不足を補うために、魔力があるにも関わらず利用されていない地球の世界から、死者の魂を送り込むことで間を隔てる壁に穴を空け、魔力を補充している。
つまり、竜馬を転生させる過程で、神々がしたいことは達成されており、転生後でどのように生きようが問題ではない。ここで重要なのは、魔力が不足するたびに転生者が送り込まれるということ、つまり竜馬よりも以前に転生した者もいるということだ。
今後アニメを視聴していくと、異世界なのに見たことあるような描写や概念が登場するが、それらは全て、かつての転生者の名残であるというように説明ができるようになっている。便利な設定だ。
- アフターサポートもばっちり
転生者にはチートじみた能力が与えられることは基本的にないが、神様の加護というものが与えられる。これは神に気に入られた者に与えられるパッシブスキルのようなものだと理解すれば良い。転生者でなくとも、神様に毎日お祈りをしていたりすると付与されたりするようだ。
また、初期ステータスは前世の能力が反映される。元々がかなり強かったため、ステータスにおける耐久値や体力はかなりの値となっている。魔力に関しては人並みより少し多い程度で、彼よりも魔力が高い者はいくらでもいるためチートという程ではない。
魔法に関しては、神様と相談した結果、全属性を操れるようになっている。しかし全属性を操れる者は器用貧乏になりがちで、結果としてあまり強くなれないということもあるようだ。竜馬の場合、強くなるということよりも、様々な魔法が使える楽しみというものを取ったようだ。
- これまでの転生者
これまでの転生者のエピソードに関しては、今後、転生者の痕跡らしきものがアニメで描かれる度に説明できるものに関しては行っていきたい。また、最近の転生者は転生に慣れている(?)者が多いようで、説明が楽で助かっているらしい。
- 契約書の存在
転生に際して、竜馬は契約書にサインを書いている。これは、ただの意思確認であり、現世での環境に合わせて、意思確認の手法を変えているようだ。つまり同意できるのであれば口頭でも問題はない。
転生直後
転生直後、彼が送り込まれたのはセイルフォールという世界の、リフォール王国にあるガナの森という場所であった。危険な魔物は少なく、歩けば移動できる程度の場所に街があるため、神達的にはそこに移動して生活して欲しかったのだろう。しかし、そんな予想に反して森で生活を進めることになる。
まず最初にしたことは体の動きに慣れることから。手始めに木を蹴り倒しているが、これに対して、原作では「力は前世と同じかそれ以上」と自己判断しているため、木を蹴り倒す程度のことは、もしかすると前世で経験積みだったかもしれない。
次に魔法の扱いの練習。原作では家を作るために、土魔法を使って崖に穴を掘ることから始めている。最初は魔力の制御が上手くいかなかったため、かなり苦労しつつ家の作成を進めている。スライムの従属は生活拠点が安定し始めてから行っていた。
アニメでは構成の都合上、スライムの従属をまず行うようになっている。スライムの説明でも書いた通り、川沿いで見かけることが多いため、このような平原にいるスライムというものは珍しい。
転生から三年間
転生してからというもの、彼が人里へ向かうことはなく、住環境を整えることと自己研鑽、スライムの研究に明け暮れていたようだ。スライムについては、用語・人物解説に記載するため、そちらを参照して欲しい。
住環境に関しては魔物を狩ったことで得た獣の毛皮や、スティッキースライムが吐き出した糸、盗賊を返り討ちにした際に得た取得物、魔法で作った石材などを用いて制作を行っていた。
自己研鑽は、上記の作業を魔法で行うための細かな魔力制御の訓練、ポーションといったアイテムを作成するための調査、肉体が馴染むようにする特訓、獣を狩るための主力経験など多岐に渡る。結果として気配を消すことはお手の物、死角からの攻撃にも瞬時に対応し反撃できる程度の能力を手に入れてしまった。気配を消したり、死角からの攻撃に反応する程度は、前世から出来た可能性もあり。
特筆すべきはスライムの研究成果であろう。スローライフを快適にできる理由のほぼ全てが、この研究成果にある。詳しくは二話以降で、勝手に竜馬が説明してくれるだろう。
人との遭遇
怪我人を含む五人に遭遇した竜馬。これまで森で遭遇するとすれば、危険な盗賊くらいなもので、言葉を発したのもこのときが三年ぶりであった。咄嗟に言葉が出ず、片言になってしまっているが仕方ないだろう。
竜馬としても驚きの出会いではあったが、五人にとっても、それなりの防具に身を包んだ彼らを襲うような危険な盗賊がおり、さらには魔獣もいる森の奥地で少年に出会うとは思ってもみなかったことであろう。
案内された家はしっかりした作りであるにも関わらず、一人分の家具しかなく、両親がいるような様子もない。見たこともないような数のスライムが室内におり、少年に事情を聞けば、伯父が死んだことを境に村を飛び出して、森で生活しているのだと語る。その期間、なんと八歳の頃から三年間。
ここで彼らは少年に『犯罪歴があれば赤くなる水晶』に触れさせる。少年は実際の所、盗賊をたくさん殺してきたのだが、犯罪歴のある者を殺したところで罪としてはカウントされないようだ。
この水晶は副産物として、触れた者の持つレベルの高いステータスというものを表示してくれる。すると、
- 家事レベル10
- 精神的苦痛耐性レベル9
- 精神的苦痛耐性レベル8
この世界では、ステータスのレベルが上がるのは、それに伴った経験を乗り越えた場合に限定される。つまり精神的苦痛耐性レベル9を手に入れるには、それ相応の精神的苦痛を受けなければいけないのだ。
竜馬は実際の所、その苦痛を前世で受け続けたことがステータスに反映されたに過ぎないのだが、侯爵達はそんなことを知らない。村でよほど酷い扱いを受けてきてのか、と想像してしまったのだ。
女の子
あら可愛い。これでブログのアイキャッチ画像は決定した。
詳しい説明は二話以降ですることになるが、ジャミール家のご令嬢・エリアである。
最後に
作画に関しては、まぁ、いいとして。構成はどのように描かれるのか、第一話段階では判断しかねる。原作においては前世でのエピソードや、彼の死後の前世の様子というものも時折描かれていく。それらを適切な箇所で挿入しなければ、視聴者は困惑してしまうだろう。その辺り難しい作品であるように感じる。
また、原作ではスライムの生態や研究結果の説明に、かなりの字数を割くことが多々ある。アニメでは説明の難しい箇所であり、おそらく大半が省略されないだろうと勝手に予測しているが、どのように描いてくれるのだろうか。
今後に期待である。
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