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【アニメ】「神達に拾われた男」第十話【感想・解説】

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まず最初に

「神達に拾われた男」はスライムの種類が増えていくに連れて、次々と出来ることが増えて、同時に動く金の動く量も増えていく過程が面白い。クリーナースライムで洗濯屋、スティッキースライムで防水布……というように。アニメの範囲ではやらないだろうが、ブラッディスライムやアイアンスライムも立派に金を稼いだり、武器となってくれたりするのだ。その辺り、記事でも言及していけるようにしたい。

また、原作とは情報の出し方がかなり異なっているという印象を受けた。原作ではかなり唐突な新情報も、アニメでは丁寧に段階を踏んで描いており、分かりやすさ・受け入れやすさとしてはアニメの方が完成度が高いと思う。

用語・人物解説

リョウマ・タケバヤシ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • そこらの冒険者よりも遙かに金を稼ぐ十一歳。福利厚生に全身全霊を注いでいる。
  • OPでギターを弾いているが、ただのイメージ映像という訳ではなく実際弾ける。この世界にギターがあるのか? という問題もあるが、まぁ、彼なら問題ないだろう。適当に作ってくれる。
  • スライムで金を稼ぐだけでなく、スライムを自身の武器としても活用していく。メタルスライムとアイアンスライムは(武器として)かなり大活躍してくれるのだが、アニメの範囲で出てくるかは謎である。
エリアリア・ジャミール

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • バイオリンを弾けるジャミール公爵家の御令嬢。
  • アニメのエリアは、原作よりもかなり積極的であるように感じる。バイオリンの練習を、リョウマのいる炭鉱でするのはアニメオリジナル展開であり、第七話にて手伝いに来てくれたエリアも、アニメオリジナル展開である。
  • 現在、学校に通う前の魔法の特訓を続けており、リョウマに教えてもらった『魔法で遊ぶ』ということも積極的に取り入れているようだ。
シクムの桟橋

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • ラトイン湖のほとりにある村から金を稼ぎに来た冒険者グループ。
  • 珍しいブラッディスライムを売るためにギムルに来たが、スライムに価値を見出さないテイマーギルドでは門前払いにされる。それなりに遠出してきたらしく、金にかなり余裕がないようだ。
  • ラトイン湖にはレッドサラマンダーと呼ばれる魔獣が出没し、漁の時期になると取った魚を狙って村に向かってやって来る。修業の一環として、漁の手助けで向かうことになるが、それは3期くらいまでやらないと見ることは叶わないと思われる。
アイアンスライム

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 鉄だけを摂取し続けたスライムが進化したスライム。
  • 鉄だけでなく様々な種類の金属を摂取した場合、メタルスライムになる。メタルスライムと違って、錆びにくいなどの特徴がある。
  • 動きは緩慢で遅い。しかし命令次第で自在に形状を変えて、『自分で戻ってくる投げ武器』『動くたびに締め付けてくる手錠』など汎用性が高い。
ブラッディスライム

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 血のような液体状のスライム。
  • 吸血というスキルを持ち、傷口から入って死体の血を全て吸い取ってしまう。つまり血抜きを手軽に行えるということを意味し、遠出した先でも気軽に獣の血抜きが行え、しかもその痕跡を残さない。肉を鑑定すると、『仕留められた後速やかかつ完全に血抜きが行われたため臭みが激減した、肉は最高品質』というように出る。
  • 毒を食らって耐性を得た場合、このブラッディスライムの体液が血清の代わりになることも発見。スライムと人では体の構造が異なるため、これまで作ることができなかったような血清も作ることが可能になる。まず前提として、この世界には血清という概念がなかったようだが。
グレルフロッグ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 沼に生息する魔獣。別に強くはない。
  • 革は防具に、内臓は良い薬になるために高額で売れる。
  • 大量発生の時期は、生息地の泥沼に冒険者が数多くやって来ることになる。
防水布の作り方

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 布(材質は問わない)にスティッキースライムの粘着液を吐きつけて乾かすことで作られる水を弾く布。
  • 乾かしている間に虫がついたりすると、汚くなるので要注意。また、乾かす作業にそこそこの時間がかかる。
  • スライム一日十匹で一反ほど作成できる。
石像の作り方

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 『クリエイト・ブロック』で石をブロック状に。そこから『ロック』と『ブレイクロック』を駆使して大きさなどを調整。
  • 『プレイングクレイ』で粘土状に変えた土をフィギア用のパテとして利用。アニメではかなりあっさりと作っているが、原作ではもっとかなりの時間をかけている。
  • 自分の石像を屋敷や街に置きたがる貴族は多いため、精巧な石像というのはかなりの高値で買い取られる。

注目すべきポイント

防水布の需要

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

グレルフロッグの大量発生の時期を前にして、防水布の需要の高まりを予期し、セルジュ・モーガンから防水布の増産を依頼されたリョウマ。バンブーフォレストの経営も軌道に乗り、彼が店に顔を出す必要性もなくなった。ここらで防水布の増産に手を出しても大丈夫という判断である。

しかし、ここでいくつか問題がある。

防水布を作るには元となる布が必要になる。作り方も書いたように、布にスティッキースライムの粘着液を吹きかけることで作成するからだ。これは依頼主であるセルジュ・モーガンが用意するということで解決。

次に場所だ。防水布を作っている者が、タケバヤシ・リョウマであるということが広まれば、唾を付けようとする者もあらわれる。後ろ盾としてセルージュ公爵家がついていると言えど、あまり歓迎したい事態ではない。スライムが作っているというのも、あまり広まってほしくない。

そこでリョウマには人目に付かないような場所で制作をしてほしい。そこで目を付けたのだが、リョウマが管理を任されている炭鉱の中であった。炭鉱の管理をリョウマが請け負っているという話は皆の知るところであって、彼が頻繁に出入りしていたとしても疑われるようなことはない。炭鉱の中であれば作業する上で十分なスペースを確保することもできる。

スライムの特訓

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

スライム達に棒術や槍術を叩きこむリョウマ。お陰様で三匹のスライムが、ちょっと強い冒険者に匹敵する戦闘力を持っている。ポイズンスライムは毒を使えるし、スティッキースライムはちょっとやそっとでは壊れない網の罠を張ることすらもできる。アシッドスライムは酸で生物を溶かすこともできる。巨大化したビッグスライムは下手な物理攻撃などは全く効かない。

ここにさらにメタルスライムやアイアンスライムも加わり、今後研究の成果として、魔法を使えるスライムなども増えていく。リョウマという優秀な指揮官により、戦術の幅は広がっていき、下手な軍隊よりも強いスライム部隊が形成されつつあることを知っている者は少ない。

ヴァイオリン練習

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

公爵家の令嬢ともなると、ヴァイオリンの演奏位できなければダメなのかもしれない。しかしエリアの場合は、従属魔法を使う際に演奏する必要性があるために練習しているようだ。

スライムしか興味のないリョウマのため、勘違いしているかもしれないが、この世界には従属させることができる魔獣が数多くいる。その難易度や強さに応じて、従属魔法師としてのちなみにおじいちゃんのラインバッハ・ジャミールは神獣を従えているので、作中最強と呼んでも差し支えない。

それぞれ従えるためには難易度があり、従えるための方法もそれぞれで異なってくる。例えばビッグスライムなどは従属させる手段が長らく謎であったように。りむーるバードは音楽を聞かせてこちらに興味を引き付けさせてからでなければ、従属させることができないとされている。

掘り出し物

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

希少な魔獣を捕まえたり、出没した情報を得た場合、テイマーギルドに売るとかなりのお金になる。そこで偶然見つけたブラッディスライムを見つけたシクムの桟橋は、それを売ることにした。

しかし、テイマーギルドではスライムは評価してくれないようだ。その辺り情報の齟齬があったのだろう。見るからに安宿の穴熊亭で泊っており、これから先の生活に困っているようであった。

ブラッディスライムの購入を決めたリョウマ、金額は五人がギムルに来るまでに使った旅費5000スートと、帰路を含めてプラス5000スート、スライムの対価としてプラス1000スート、計20000スートを支払った。

最後に

原作ではもっともっとスライムがたくさん出てきて、どんどんと金を稼げるようになっていきます。最新刊では滅茶苦茶スライムの種類が増えてますからね……この世界における技術を色々と一新してしまう程度には。一人産業革命とか起こせそうですし。

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