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【アニメ】「神達に拾われた男」第十一話【感想・解説】

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2020秋アニメ化リスト

 

まず最初に

この作品の特徴として「主目的がない」ということが上げられます。バンブーフォレストという店を立ち上げはしましたが、それは冒険者の副業としてであり、大金が動くようになったのは本人の意思とは無関係でしょう。

一応、原作において主目的と呼べるようなものが設定されました。とはいっても、世界を救うとかそんな大層なものではなく、神達によって設定されたリョウマの故郷へと向かってみるというものです。向かってみて何が変わるということも良く分からないまま……準備を整えるリョウマの姿を、原作では確認することができます。

アニメはどんな形で締めるのでしょうね。これまで超絶有能だった脚本なので、どうにも期待が高まります。

用語・人物解説

リョウマ・タケバヤシ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 前世では、住んでいたアパートの隣人が引っ越す際に要らないギターを数本貰っており、暇つぶしにコードを練習していたらしい。楽譜を買って曲を練習したことはなく、テレビで流れているような曲を感覚で弾いたりしていたようだ。
  • スライムや クルーバードというような群れる特性を持つ魔獣との相性が良いとされている。
  • 精神苦痛耐性が異様に高いため、敵の精神攻撃を受けても気付かない。神レベルの精神攻撃を受けても違和感を覚える程度ですんでしまうほど。
エリアリア・ジャミール

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 先祖返りにより驚異的な魔力量を誇り、ジャミール家の血筋により従魔術の才能もあるという将来を有望視された公爵令嬢。
  • 彼女が従属させたスライムは今後無事に成長し続け(現時点ではまだスライムのようだが)、クリーナースライムとなり活躍していくことになる。やはり冒険において清潔感って大事なんだよなあ……。
  • 彼女が学園に通い始めるために、ギムルの街から離れるまであと少し。
エリーゼ・ジャミール

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 狼系の魔獣との相性が良く、普通は従属させることなどできないリトルフェンリルなども使役している。
  • テイマー(従魔術師)としては最強格であるが、彼女よりもラインバッハの方が強いとされている。
  • 冒険者としてラインハルトと共に冒険したことがあり、その際にはかなりの功績を挙げたらしい。ちなみに現在護衛としてついてくれているカミルなどは、その際の冒険者仲間である。
ラインバッハ・ジャミール

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 鱗を持つ魔獣との相性が良く、竜を代表とするような魔獣を従属させている。
  • 神獣と呼ばれるような魔獣までも従えており、ラインバッハ一人で国家間の力関係すらもひっくり返すような力を持っている。
  • 神獣は神達が地域の管理を任せているような存在だと認識してもらえばよい。厳密には力関係のバランスを調整する……といった方がよいか。人が力を持ちすぎてしまっても神的にも困るのである。
リムールバード

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 餌を求めてグレルフロッグの大量発生に合わせてやって来る魔獣。
  • 風魔法を扱えるため戦闘力もあり、外見的な美しさも兼ね備え、従属させるための難易度の高さも相まってかなり人気のある魔獣となっている。
  • 従属させるためにはまず音楽を聴かせる必要がある。そして気に入られた者だけが、従属魔法をかけることが許されるのだ。これ以外の方法で、従属させた者はいないのだという。

注目すべきポイント

従魔術の特訓

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

従魔術というのは、『従魔契約(魔獣と契約を結ぶ魔法)と『契約解除(その名の通り、契約を解除する魔法)』と『魔獣鑑定(魔獣のスキルやステータスを確認する魔法)』の三つが使えれば、基本的に問題ない。しかし、従魔術というのはもっと便利な使い方というものがある。

そもそも従魔術というのは、魔力により魔獣と術士との間に繋がりを作るものだ。その繋がりを利用する……その基礎的な魔法が、魔獣との感覚を共有して情報を得る魔法『感覚共有』である。それにより自身の状況を伝えることもできる他、視界や嗅覚をジャックすることができるようだ。

その練習のために、クルーバードと契約した。リョウマにとって、初めてのスライム以外と結んだ契約である。感覚としてはVRゲームやカメラと似ている? らしい。そのため、リョウマは比較的早く『感覚共有』を扱えるようになった。エリアもすぐに使えるようになっているが、この習得速度は異常である。

商売

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

リョウマの防水布制作は相変わらず急ピッチで行われた。

公衆トイレ掃除の際に着ていた防水布製の作業着は、大勢の人の目に触れている(アニメではカットされているが、原作ではあの格好で街を歩いている)。そのため濡れず、汚れにくい服装であるということは皆の知るところであった。

そのため、グレルフロッグ大量発生に伴う防水布の需要の高まりは、相当なものであると推測される。流石は各地に支店を数多く構えるモーガン商会、そんな防水布にいち早く目をつけて売り捌く算段をつけていた訳だ。

リムールバードの群れ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

グレルフロッグの大発生に合わせて、沼にやって来るリムールバードと契約しにやって来たエリア達。キラキラと湖面が輝く美しい光景だが、ここは巨大なカエルがぴょんぴょんし、カエルを喰らう鳥が飛び交う沼である。その鳥は敵に回すと、風魔法をぶっ放して攻撃してくる危険な魔獣だ。綺麗な花には棘がある的な某である。

契約の手段は音楽を聴かせるというもの。魔獣だって契約する相手を選ぶ権利はあるのだ。分かりやすくエリアより前に契約をしようとして横笛を吹く冒険者がいた。その演奏はお世辞にも上手いとはいえないものであったが、どうも契約には演奏の上手さは関係がないらしい。

しかし、武器を片手に無理矢理に契約を結ぼうとしたことは不味かった。それはリムールバードたちの逆鱗に触れ、総攻撃を受けることになる。さらに運が悪いことに、リムールバードの上位種ナイトメアリムールバードが現れてしまったのだ。

ナイトメアリムールバードは普通の風魔法に加え、闇魔法を操ることができるのだ。それにより振るわれる精神攻撃は、相手を恐怖させたり幻覚を見せることができるのだという。

ちなみにこの魔法で錯乱し、ナイトメアリムールバードに攻撃を放った場合、周囲のリムールバードまでも一気に戦闘態勢となり、状況が泥沼化するのだという。無闇に攻撃魔法を打たず、サイレントによって事態の沈静化を図ったリョウマの選択は、最も正しいものだったという訳だ。

最後に

終わりが近いですね。それにしても、この主目的のはっきりしない難しい作品をアニメ化しようとしましたよね……はっきり言ってアニメ向きじゃないと思うのですが。まぁ、これは「小説家になろう」作品全部に共通します。キリの良い箇所というのが、あんまりないんですよねぇ……まぁ、好きなんですけどね。

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