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【アニメ】「神達に拾われた男」第四話【感想・解説】

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2020秋アニメ化リスト

 

まず最初に

第四話にて第一巻の内容が終わったと言っていいでしょう。エピローグ? と言っていいか定かではありませんが、竜馬が死んだあとの現代の様子などが原作ではありますが、これまでの流れを見る限りアニメではやらないと思われます。転生してきたリョウマには関係がありませんですし。

それと、これまでの第一話から第三話まで「リョウマ」を「リョーマ」と誤記しておりました。また、「クリーナースライム」を「クリーンスライム」というように、こちらもまた誤記をやらかしておりました。すいません。誤記は修正してあります。

用語・人物解説

リョウマ・タケバヤシ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 元日本人の商売人として、客(=依頼人)相手に笑顔は崩さないように癖づいてしまっている。
  • 新社会人となったあと、しばらくは母と二人暮らしであったが、母が亡くなってからは一人暮らしをしていた。
  • 長らく一人で生きてきて、転生してようやく人の温かさに触れることができた。死ぬことでしか居場所を見つけることができなかったのだ。
ミーヤ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 獣人族の一つである猫人族。 
  • 安いからという理由でゴミ捨て場の隣の家を購入。その家はゴミ捨て場を上とした坂の下に建っており、ゴミ捨て場のゴミを家が堰き止めているような立地だった。また、近隣の土地はゴミを埋めるために地面を何度も掘り返したような跡があり、地盤はかなり緩んでいたようだ。
  • ウォーガンに信頼されている冒険者の一人で、今後も度々登場する。
ジェフ・グランジュ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 汲み取り槽の護衛を依頼された冒険者の一人。
  • 育ちの悪さを自称しており、堅苦しい言葉は好きではないらしい。そんな彼の言葉通り、例えギルドマスター相手であろうとも、盗賊面というように軽口が叩ける。
  • 新人時代にはウォーガンにかなりお世話になったらしく、かなり恩義を感じているようだ。
アサギ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 汲み取り槽の護衛を依頼された冒険者の一人。
  • ドラゴニュートの里から修業の旅に出た流れ者。現在はギルムの街に腰を落ち着け冒険者をしている。ドラゴニュートは竜人族とも呼ばれ、竜のような身体的解く量を持つ。原作では首から胸元にかけて髪と同じ色の鱗があるというように記述されている。
  • ドラゴニュートはかつては野蛮で暴虐無人な振る舞いをしていたが、(転生者かと思われる)剣の達人によって打ち倒された。しかしその達人はドラゴニュートを無暗に殺そうとはせず、その姿に感銘を受けたドラゴニュート達が次々と彼の弟子となり、達人の技と魂と口調を受け継いで今に至っている。
ミストウォッシュ

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
  • 水魔法により生まれた水を一度圧縮し、霧状になって汚れを削ぎ起こしていく清掃専門の魔法。
  • 高圧水切断機を再現した魔法を作ろうとしたものの失敗。その際、切断するつもりだった岩から汚れが落ちているものを見て、どうせなら清掃専門の魔法にしようと判断した。
  • 頑固な汚れをよく落とすが、使っている間は常に魔力を消費し続けるために、一つの部屋を掃除する際に多くの魔力を消費してしまう。
イダケ病菌
  • トイレの汲み取り槽に蔓延していた病原菌。大量の汚物を分解されにくく湿度の高い環境で長期間放置した場合に稀に発生する病原菌。汚物を土に埋める、もしくは焼却など適切に処置していれば発生することはまずない。
  • 感染経路は、感染者が触れたものや糞尿などに触れ、そこから間接的に口に入ってくことで感染する経口感染。空気感染ではないことが幸いし、クリーナースライムの消毒を行えば、ひとまず外に病原菌を持ち出す心配はなくなった。
  • 発熱や寒気、全身のマヒなどが症状として現れ、重症化すると心臓が停止する。また後遺症として手足の痺れが残ってしまう。

注目すべきポイント

清掃と修繕業務

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

異世界に転生して、ゴミ屋敷の掃除を任された際にも困らないよう、ここでリョウマが行った仕事の流れを整理しよう。アニメでは説明が省かれている処理もあるため、それも伴って記載するため、原作基準での説明となることを明記しておく。

  • 地下室のゴミを全てスカベンジャースライムに食べさせる

地下室に溜まっていたゴミは主に、生ゴミや木材の端材であった。そのためスカベンジャースライムだけでも処置が可能であると判断。ハエなどもスカベンジャースライムにとっては御馳走である。スライムの食事の間は、何もすることがないリョウマはサボっているように見られないため、自身の姿を隠蔽の魔法で隠してある。

  • ゴミ捨て場のゴミをスカベンジャースライムに食べさせる

次にゴミ捨て場のゴミをスライムに捕食させる。ここのゴミを綺麗にしなければ、穴を塞ぐ作業に支障が出るためである。その際、周辺を通りかかった人たちに見られることを避けるために隠匿の魔法で隠してある。従魔術師がスライムを使役していることに嫌悪感を持つ者もいるらしく、そういった者たちへの配慮である。

  • 地下室の清掃

ゴミがなくなったとは言え、壁の汚れや匂いまでは取れていない。クリーナースライムの出す消臭液を室内中に噴射してもらうことで匂いを消す。次に『ミストウォッシュ』を用いて壁の汚れを落としていく。落ちた汚れはすぐさまスカベンジャースライムが食べていく。

  • 穴を塞ぐ

『クリエイト・ブロック』を用いてブロックを作成。スティッキースライムの出す粘着硬化液をセメント代わりにしてブロックを組んで穴を埋めた。スライムの協力もあって二十分ほどで完了。

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会
トイレ清掃の裏側

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

ギルドリーダーからのご指名により、公衆トイレ汲み取り槽の依頼を受けたリョウマ。そのことをジャミール家に報告すると、この依頼は役所の横領に繋がるかもしれないという話になった。

元々、公衆トイレの汲み取り槽の清掃は、役所がスラムに仕事を斡旋する公共事業であった。そのための予算も組んでおり、年度末の報告書での支出額を見る限り、例年通りに公共事業も行っているはずだった。

しかし、リョウマの話を聞く限り、役所はお金を出し渋っている。これは出し渋った分で浮いたお金を、自らの懐に入れている横領なのではないか? そういう話だ。公共事業を推し進めたラインバッハとしても、領主であるジャミール家としても、見過ごして置ける話ではない。

リョウマが清掃を進める間、横領の証拠を集めるために、彼らは奔走することとなる。

公衆トイレの汲み取り槽清掃①

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

三か月もの間、清掃されていない公衆トイレは見るからに臭い。レインコートと同じ要領で作成した服を身に付け、口と鼻を覆い隠す手ぬぐいには、クリーナースライムが出す消臭液を沁み込ませて匂いを防いでいる。透明度の高いクリーナースライムをゴーグル代わりに目を覆っている。ここまでしないといけないと、まともに人が入ることは叶わないほどに刺激臭の漂う場所だったのだ。

スライムが掃除できない壁や天井の汚れは、『ミストウォッシュ』で落とし、床に落ちた汚れや水はスカベンジャースライムが捕食していく。ここまではミーヤの家の地下室と同じ流れとなっている。

それに加えて、雷魔法『レンジ』というオリジナル魔法で、壁や天井を加熱して消毒。それにより室内を『鑑定』した結果が、

掃除前

  • 不潔な天井
  • 汚物が所々について天井

掃除後

  • 石造りの天井
  • ギルムの街、共同トイレの汲み取り槽の天井。清掃と加熱により消毒され、清潔。

というように変貌を遂げた。

ちなみにこの世界には病原菌という概念はない。掃除を怠った汚い場所の近くは、病気の温床となりやすい……ということまでは経験則で分かっているようではあるが。おそらくリョウマ以外の誰かが掃除したとしても、加熱して消毒するという考えまでに至るものはいなかっただろう。

スライムの変化

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

スカベンジャースライムのスキルの変貌を確認したリョウマ。すると衝撃の事実が判明する。

清掃前

  • 病気耐性(5)
  • 毒耐性(5)
  • 悪食(5)
  • 清潔化(6)
  • 消臭(6)
  • 消臭液(4)
  • 悪臭放出(4)
  • 養分還元(3)
  • ジャンプ(2)
  • 消化(6)
  • 吸収(3)
  • 分裂(6)

清掃前

  • 病気耐性(7)
  • 毒耐性(6)
  • 悪食(6)
  • 清潔化(7)
  • 消臭(7)
  • 消臭液(5)
  • 悪臭放出(6)
  • 養分還元(5)
  • ジャンプ(3)
  • 消化(7)
  • 吸収(3)
  • 分裂(6)

それぞれのスキルにかっこで示した数字がレベルを示す。とりあえずスカベンジャースライムが様々なスキルを持っていて、レベルが清掃を経たことで上がっていることが分かって貰えるだろう。

ここで理解すべきはレベルが上がる要因だ。魔法のレベルとは違い、スキル……特に耐性に関連するもののレベルというのは、環境の変化に適応することでしか上がることがない。

つまり、病気耐性(5)で生きていける環境にどんなに長くいたとしても、病気耐性のレベルが5から変化することなどありえない。となるとスカベンジャースライムがいる今の環境は、病気耐性(7)なければならないような場所ということを意味する。

病気耐性(5)は、かなり重病になる悪質な病気にもほとんどかからないレベルだと定義されている。病気耐性(7)は――明確な定義が見当たらなかったので推測になるが――疫病レベルの病原菌にかからないレベルだと思われる。

つまり、この汲み取り槽には、疫病レベルの病原菌が蔓延した環境となっているのだ。

公衆トイレの汲み取り槽清掃②

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

この世界には病原菌という概念がないため、全て病魔だったり瘴気だったりという言葉で片付けられてしまう。が、加熱による消毒が有効である点や、汚い場所が温床となって病気が広まっていくことなどから推察するに、この世界にも病原菌という存在は確かにいるのだろう。面倒なので、この記事では病原菌として扱う。

そして公衆トイレの汲み取り槽は疫病レベルの病原菌がはびこる環境となってしまっている。そのため誰か人を中に入れて、もしもその人が近隣の街に移動して、疫病を広めてしまえば……それはそれは悲惨なその後が予想できる。

そのためリョウマを除く誰一人として中には入れないように護衛の者を立てた。護衛はウォーガンが選りすぐった先鋭達である。

また人員を増やす、リョウマ以外の誰かに依頼するという話も出たが、リョウマの諸々の耐性は一般人よりはるかに高く、もしも疫病を発症したとしても、重症化する危険はない……かもしれない。また清掃に便利なスカベンジャースライムを操り、『レンジ』という魔法で消毒することまでできるとすればリョウマしかいない。

ということでたった一人、汲み取り槽へと向かって行くリョウマ。その間、護衛はネズミ一匹近づけないように周辺を警戒、ジャミール家は横領の証拠をつかむために報告書を洗いざらい調査していた。

清掃終わり

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©Roy・ホビージャパン/『神達に拾われた男』製作委員会

清掃を終え、ジャミール家に戻る頃には夜は明け、朝になっていた。ブラック企業勤めの頃は、朝帰りが当たり前のようだが。現世での仕事ぶりなどを見る限り、どうやら彼の入っていた会社自体、ブラック企業気質が根強いことや、コネ入社した若い上司が竜馬のことを嫌っており、面倒な仕事の全てを彼に押し付けられていたことなどが原因のようだ。

現世ではそんな朝帰りの彼を出迎えてくれていた母も亡くなってしまっていた。父親についてはもっと前に亡くなっており、母と竜馬の少ない給料で何とか生活していたようだ。

しかし、転生した今は違う。

家に戻れば温かく出迎えてくれる家族がいた。皆が心配して駆け寄ってくれる。涙を流しても受け止めてくれる。死んだ後でようやく理想の環境を手にれることができた訳だ。

最後に

アニメを見て一番に思ったのですが、BGM地味に良くないですか? あまりアニメのBGMって気にしたことがなかったのですが。

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