まず最初に
この第七話で洗濯屋『バンブーフォレスト』が完成。原作よりも、かなりテンポが良いですね。一人立ちすると言い出して家を出てから、あっという間に店を作り出すまでこぎ着けました。ここからの発展もあっという間に行われていくことは、何となく察していただけるのではないでしょうか。
次話か、次々話辺りからキャラが爆発的に増えます。原作と比べて、登場しているキャラクターは少なくしていますが、その辺りどのように描くのか? ブログ主的にはそこが気になっています。
用語・人物解説
リョウマ・タケバヤシ
- コンビニでたまたま拳銃を持った強盗に遭遇したが、返り討ちにして大怪我を負わせたことが過剰防衛として問題視され(法律的には防衛の正当性が認められた)、マスコミにたたかれたことが原因でまともな職に就くことができず、最後に勤めていたブラック企業に行き着いた。
- ブラック企業でシステムエンジニアとして働いて、新人研修なども幾度となくこなしてきた。しかし、彼の元についた新人はほぼ全員が辞めてしまったのだという。
- 飲み会にてビール瓶で殴られようが、パワハラに苛まれようが、怒りを顔に出すことなく仕事をこなしてきた。かなりポーカーフェイスだったようだ。
エリアリア・ジャミール
- 六年で卒業となる王都の学校へと通うことになる。
- リョウマが一人立ちするに当たって、三年後と六年後に再会するように約束した。六年後は学校を卒業してから、三年後は学園生活の節目として用意された長期休暇である。
- いつも頭にスライムを乗せているが重くないのだろうか……どうやら重さ的には、それほど大したことはないようだ。
セルジュ・モーガン
- モーガン紹介の長。普通は簡単に会えない。
- かなり幅広く商売を手がけており、そのため他地域の商品の情報などにはめざとい。
- 人を見る目には自信があるらしい。
グリシエーラ
- 商業ビルドのギルドマスター。商人として培った眼力は相当なもので、リョウマのような分かりやすい者であれば、心を読んだかのように気持ちが分かるのだという。
- リョウマの真面目な気質を見抜き、借金をしたがらないだろうと考え、問題があるため格安で提供せざるを得ない土地を紹介した。
- クリーナースライムという新しいスライムで商売を始めるという話を聞き、八年分驚いたと言っている。
バンブーフォレスト
- クリーンスライムを用いて洗濯を行うリョウマの店。
- 文字の読み書きや計算ができずとも、早く正確に支払いができるシステムの構築や、従業員の働きやすい環境を作るシステムなど、数々の前世の知識を取り入れていくことで発展を遂げていくことになる。
- 洗濯以外にもクリーナースライムの出す消臭液など売り出すことで収益を増やしていった。
リムールバード
- OPでいつも飛んでいる綺麗な鳥。
- 体内に魔力を多く持ち、高い知性も併せ持つ。美しい鳴き声で意思疎通や仲間の判別を行う。
- 普通に契約をしようとしても契約できない。契約の前に音楽を奏で、気に入られると契約を受け入れて貰えるようになる。
商業ギルド
- 全国の商売を取り仕切っているが、よほどの大金が動くということがなければ取り締まられることはない。リョウマがこれからする商売は、よほどの大金が動くことになるため取り締まられることになっていただろう。
- 必ず数名の職員が詰めており、何時でも手続きが行えるようになっている。情報の鮮度を大事にしてのことであるらしい。
- リョウマは現在、冒険者ギルドとテイマーギルド(アニメではばっさりカット。はっきり言って現時点で登録した意味はない)に登録している。そういった多くのギルドに登録した者は、情報を多く出してくれるため重宝されるようだ。
注目すべきポイント
一人立ちの宣言
アニメ第七話の冒頭から、十一歳の少年が一人立ちを宣言するシーンから始まっていく。原作とは少しばかり時系列が異なっている。
アニメの第六話では、鉱山での依頼として『ケイブバットとケイブマンティスの討伐』と『ゴブリン討伐』を、それぞれAパートとBパートで、二つが一日で起きたことのように描いている。しかし、原作ではそれぞれ別の日の出来事として分けられている。一人立ち宣言は、そんな依頼の合間に報告していた。流れとしては原作よりもアニメの方が自然なように思える。
この一人立ち宣言は、「このまま公爵家の世話になっていると駄目になる」という理由でリョウマが出した。十一歳の考え方としては異常だが、前世含めて三十歳は越えているリョウマとしては当たり前なのだろう。
しかし、そんなことを言われだろうと公爵家の面々は予想していたようだ。リョウマを止めるようなことはせず、一人立ちを進めた。しかし代わりに三つ(エリアリアとの約束を含めると四つ)の約束を提示する。
- 必ず戻ってくること
冒険者という職業は危険であるため、死なずに顔を見せに来い……ということである。
- 定期的に手紙を送ること
何か無理をしているようならば注意する……ということである。
- 遠慮なく頼ること
何でも一人でやり遂げようとしてしまうため、ちゃんと頼って欲しいという親心である。
この三つの約束を律儀に守り、定期的に手紙を送りつつ、顔も出すこととなる。また何か新しい商売のアイデアが出てくると、公爵家のみんなに相談し驚かせることになる。
商業ギルドにて登録
モーガン商会に洗濯屋のアイデアの話をしに来たリョウマ。原作とはかなり流れが違っている。
まず隣にエリアリアはいなかった。それに加え、モーガン商会に脚を運んだのは、以前に魔力回復ポーションを購入し役に立ったことのお礼を言うために立ち寄ったに過ぎなかった(この辺りの流れは全てカットされている)。洗濯屋をしようとしている話はちょっとした雑談だったはずが、セルジュが興味を持ったことで話が広がり、アニメと同じような流れになっていく。
またクリーナースライムの実演として、世界で一番落ちにくい汚れであるゴブリンの血脂の染みついたゴブリンの腰布を、クリーナースライムに与えて綺麗にさせている。またついでに、洗濯をする布の相場として適切な金額設定や、薄利多売の話などもされている。
あまりに話が専門的になりすぎたため、「ここまで考えてらっしゃるならば……」ということで商業ギルドに行くことになる。
商業ギルドにて登録
商業ギルドに顔を出し、早々に登録することに。原作では老婆であるグリシエーラと、ピオロ・サイオンジという男も一緒に席について話をしていたが、アニメではばっさりカットされている。まぁ、今後活躍することもないし、別に問題はない。
ここでは商売を始めるに当たって、土地を購入する話を進めていく。
グリシエーラはリョウマの生真面目な性質を見抜き、彼は借金をしたがらないと判断。そのため彼が持っている予算でまかなえる土地として、問題があるとして安く買える土地、さらに土魔法が使えるリョウマならば整地も建築も問題なく行えるかもしれない場所を紹介したのだ。
建築
土地の広さは二十メートル、四十メートル。元々、宿屋を兼ねた酒場であったため、客室や倉庫もあるために広かった。まず建物の残骸や、生え放題の雑草をどうにかすべきである。
雑訴はスカベンジャースライムに食べさせる……いや、本当に一家に一匹欲しいな。そして廃屋は防音結界を張り巡らせて周辺住民に迷惑をかけないように配慮しつつ、魔法やスライムにより力業で一気に解体していく。ここまで全てが綺麗になるまでにかけた時間はたったの一日である。
建築には『クリエイトブロック』で作った石材を、スティッキースライムの硬化液をセメントのように用いて基礎を作っていく。木材については、管理を任された鉱山周辺に生えた木々を伐採し、錬金術で水分を抜き、風魔法で木材を加工。研磨して表面も綺麗にしていく。これらの作業でおおよそ四日くらい。
粘着液をニス代わりにしてコーディング、内装なども一気に行っていく。作業は全てリョウマ一人で行った訳ではなく、スライムに協力して貰っている。アニメでは公爵家の面々に協力して貰っているが、原作にはそのような描写は一切ない。これえおおよそ二日くらいか。
最後は外壁を白くしていく。安く手に入れた生石灰を、水と錬金術を使うことにより消石灰に変化させ、固めることで石材を生成。これを外壁に貼り付けていくことで、綺麗な白い外壁とした。アニメでは塗装で、さらに冒険者仲間に手伝ってもらっているが、原作にはそのような描写は一切ない。また隣の家が花屋だったため、家を飾り付けるための花と芝生の種を買い、家の周りに蒔いている。ここまでで一日くらいだ。
ここまで建物を建てるのに一週間である。
カットされた描写
先ほど、隣の家が花屋だと説明した。建築の際には、家の子供や家主との親睦も深めていく。隣の家の人の姿が全く出てこない辺り、このエピソードはばっさりカットだろう。建築が終わってからは、ギルドに顔を出し、広告を出して貰えるようにお願いしている。流石、仕事が早い。
最後に
色々カットされていると書いているが、原作よりもアニメの方が遙かにテンポ良く描いている。また、キャラクターも必要最小限にされているため、すんなり話も理解しやすくなっている。やっぱり脚本が超優秀だ。
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