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【アニメ】「賢者の孫」第九話【感想・解説】

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2019春アニメ化リスト

 

まず最初に

内容は第三巻へと突入。シシリーとシンの関係性が大きく変化し、シン率いる『究極魔法研究会』の面々が自身の強さを自覚します。何ということでしょう、チートと言われていたシンレベルの魔法力を持ったメンバーが増えました。恐ろしい話です。

魔人化した人々による帝国支配の話はとりあえず置いておかれているようです。何ともほのぼの(?)した日常が描かれていました。早速、感想・解説を綴っていきましょう。

用語・人物解説

シン=ウォルフォード

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会
  • クロード家の三女と婚約を結んだ。出会ってから婚約までにかかった期間は、原作を読んでも正確に分からなかったが、それほど時間は経っていないだろう。
  • 今回は浮遊魔法と有線電話を開発。詳しくは後述。
  • 婚約披露宴で王様が登場して困惑した人もいるかもしれない。原因はクロード家の父である。詳しくは後述。
シシリー=フォン=クロード

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会
  • クロード家の三女。回復魔法が得意だが、攻撃魔法もそれなりに強い。彼女一人でも魔人には勝てるだろう。
  • 姉二人に兄が一人いる。兄はかなり有能なのにどこか残念な人である。今後登場することだろう。
  • 貴族では一度付き合うと結婚したも同然なので、互いに両親への挨拶へと伺った。貴族だから貴族と結婚するということも特にない。自由な恋愛が行える。
セシル=フォン=クロード

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会
  • 画像右の男性。シシリーの父親。今回の婚約を一番喜び、勤務先では同業者に言いふらし回った。ちなみに、勤務先は財務局――つまり王城である。おかげで国王の耳にもすぐ届くこととなる。
  • クロード家は温泉街を治め、街の名前もクロードとなっている。
  • かなり妻の尻に敷かれているようだ。憎めないキャラなのだが。
アイリーン=フォン=クロード

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会
  • シシリーの母親である。シシリーの青髪は、母の血を引き付いたのだろう。
  • 夫のことは尻に敷いているが、言っていることは正論である。少しばかりおちゃらけた夫を嗜めるという意味で、良い夫婦だと思う。
  • 見ての通り、かなりの美人である。年齢は不詳。
メイ=フォン=アールスハイド

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会
  • 王子(以下オーグ)の妹であり、弄られキャラ。度々オーグの意地悪の被害を受けている。
  • 十歳にして魔法を操ることができた才女。本来ならば十二歳で魔法を使えるようになって早いという評価らしい。ちなみにシンは三歳で魔法を使い始め、十歳で猪を狩っていた。
  • 十歳にしてシンと同様の修行をやり始めるとなると、将来一体どんな化け物が育つのか……楽しみですね。

注目すべきポイント

ご挨拶

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

お付き合いを始めたということで、シシリーのご両親へ挨拶に伺うシン。

「あくまでお付き合いだろ?」

という声もあるかもしれない。この世界では、その辺りの風習が少しばかり異なる。

まず貴族達における男女交際は、結婚に直結する。つまり婚約を前提にお付き合いをするのだ。アニメでは説明が省かれていたが、原作では前日の合宿でオーグにそのことを説明され、シシリーの両親に挨拶に伺うことにしている。

シンは殴られる覚悟もしていた訳だが、両親の反応は(本人曰く)予想外にも大歓迎であった。国を救った英雄の孫で、自らも魔人を倒して国を救い、高等魔法学院の主席であり、シシリーから日頃シンの話を聞いていたのだがら、特に断る理由もないだろう。というより、むしろ王族から頭を下げて結婚を申し込むレベルであるらしい。

またシンはクロード家の血を継いでいる訳ではないので、爵位を引き継ぐということはない。ただしシンとシシリーの子供ならば、爵位を引き継ぐ可能性はある。

特訓

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

このアニメを見ていると、国民全員が魔法を使えると勘違いされそうだが、それは間違いである。それなりの特訓を積まなければ、しかも才能がなければ使えるようにはならない。魔法が使えない人(決してそういう訳ではないだろうが)のため『騎士養成仕官学院』『高等経法学院』も存在し、それぞれ『騎士』『商人や仕官』を育成している。

エリザベートも魔法が使えないタイプの人間だったのだろう。メイに関しては人物・用語解説を参照。例え賢者に教えて貰ったといえど、メイは相当な才能の持ち主であると言える。四歳で魔法を使ったシンは規格外なので例外だ。

その他のメンバーは『十歳にして魔法を使い』、『シンと同じメニューを教えて貰った』メイを脅威に感じたようだ。特訓にも熱が入る。

シンの新魔法

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

シンが新たな魔法を開発した。今回は『反重力』を想像し、自分に付与して浮上。移動に関しては風の魔法を利用している。ちなみに原作より、『原理はよく分からないが、重力の反対の力をイメージ』しているらしいので、割と適当なイメージでも魔法を使う際には問題ないらしい。

これまで浮遊魔法が使えなかったのは、『反重力』をイメージできなかったのでは? と推測する。原作の記述より、魔法を使う際には『操る魔法の量』と『イメージする力』が重要視されることが分かる。おそらく、これまでの特訓で『イメージする力』が増したのだろう。

言うまでもないだろうが、魔法で空を飛んだのは、魔人を除けばシンが初めてである。『魔〇科高校の劣〇生』を連想したのは自分だけではないだろう。

シンの出生について

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

シンの出生については、これまで『賢者の孫』を見てきた方達ならば分かっていることだろう。簡単に言ってしまえば、『シンは賢者の孫ではない』のである。今思えば、ある種のタイトル詐欺と言えるかもしれない。

そのことを隠してクロード家という貴族と婚約を結ぶことが、賢者としては許せなかったのだろう。それにより、婚約が破棄されても仕方がないという覚悟もあっての行動である。

そんな二人に対して、暖かな言葉で迎えるクロード家。流石は何代も街を治めてきた領主様である。懐が広い。

特訓の説明と新衣装

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

谷間を強調したエッチな衣装を着た『究極魔法研究会』の面々。しかし、その服はただエッチなだけではない。国家機密もびっくりの付与魔法のオンパレードである。

まず制服には『防汚』『自動治癒』『絶対魔法某行』『物理衝撃完全吸収』と、第二話でシンが制服に付与したものと同様である。この時点で国家機密同等の扱いを受ける。

さらに、マントに『光学迷彩』『快適温度』が付与されている。『光学迷彩』は要は透明マンとである。『快適温度』はマントないの気温を快適に保つもの(シン曰く『エアコン付与』)と、さらにチート具合が増している。

ジェットブーツは扱いにコツがいるため、希望者のみ。元騎士学院で友人の好きな女性を奪ったトニーが希望した。そんな服を着て挑む特訓は、『災害級の魔物』の討伐である。災害級と言えば、一個大隊が挑んで勝てるかな? という強さであり、騎士達のトラウマとなっている。

電話を開発

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

知らぬ間にシンは電話を開発していたらしい。コップのような物体に『音声送受信』を付与し、魔物化した大蜘蛛から取った糸を使って繋げることで糸電話と同じような要領で通信が可能となった。あらゆる魔法使いが作ろうとして作れなかったらしい。

どうやら大蜘蛛の糸を使うという発想がなかったようだ。糸は服を作るためのものという固定観念が、電話開発を遅らせていたのだという。

結果として歴史を揺るがしかねない開発をしたのである。いつも通りメリダ様からのきつい叱責が飛んでくる。困ったシンが像の股間に糸電話を掛けるというシーンは、アニメオリジナルだ。

魔物狩り

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

魔物を狩っていたらクレーターを作っていました。このクレーターは、

放出系が苦手なユリウス

支援系が得意なシシリー

付与魔法が得意なユーリ

鍛冶職人の息子マーク

食堂の娘オリビア

の計五人がうがった穴である。上記ご覧の通り、『究極魔法研究会』の中では比較的、攻撃が得意ではないとされている面々でこの有様である。得意な面々がやればどうなるかは、お分かりのことだろう。それぞれ単独であっさりと魔物を討伐していく。戦闘描写に関しては原作にもあまりないため、アニメを見た方が楽しめると個人的には思う。

ここで思い出すべきは、相手が災害級の魔物であるということである。これらの戦闘シーンを見ていると、そこらの魔物と何ら変わりないように思われるかもしれないが、奴らは一個大隊を滅ぼすだけの力を持った存在なのだ。

婚約パーティ

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©2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

あまりにも説明が省かれているため、ここで補っておこう。本来ならば、こんなパーティは行われない……いや、貴族同士ならば行われるかもしれないが、ここまで婚約してすぐにはやらないと思われる。

王城の財務省で働いた際、同僚に自慢しまくっていたセシル。その話は国王様の耳にも届き、「これは祝わなければ!」ということになったようだ。原作では、セシルがウキウキした様子で職場に向かっていたり、「あれは自慢するな……」という憲兵の台詞があったり、国王様がやって来たり色々なことがあるため分かりやすいのだが、アニメではその辺りのシーンをばっさりとカットしている。

こうしてシシリーとシンは婚約した。今後は夫妻と呼ぶべきかもしれない。付き合った次話で婚約したアニメがあっただろうか。驚く程のテンポの良さ、流石は賢者の孫と言わざるを得ない。

最後に

戦闘シーンは原作よりも動いている。テンポは原作以上に良い。何ということだ、褒める所しかない。そんなアニメも残すところ三話となった。自分の記事を書くスピードが遅すぎることはどうか許して欲しい。

演出もギャグ全振りである。シンが空を飛ぶ際の演出はシュールで笑ってしまった。その後の、作画が雑になる演出も決して嫌いではない。綺麗な作画だけがアニメじゃないんだなということを改めて教えてくれた。

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