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【アニメ】「魔王学院の不適合者」第五話【感想・解説】

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2020夏アニメ化リスト

 

まず最初に

とうとう秋アニメが始まってしまう涼しい季節がやって来てしまいましたが、ブログ主は当分の間、夏アニメである「魔王学院の不適合者」を見る生活が続きそうです。

そして第五話からは第二巻のないように入っていきます。恐ろしいことにアノスと対等(?)に渡り合える男が登場します。世界はやはり広いということですね。

用語・人物解説

アノス・ヴォルディゴード

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 魔法で彼に敵う者はいないが、剣の実力も相当なもので、扱えない魔剣も一つを除いて存在しない。
  •  魔剣には意思や性格のような個性があり、人によって扱える・扱えないの差がある。アノスの場合は、合わないような魔剣相手でも力でねじ伏せて従わせることが可能であるらしい。
  • 大精霊と勇者、創造神の呼び出しは基本的に彼が自ら出向いている。部下の一人にして右腕であるシンは、大精霊の護衛を担っていた。詳しくは第四巻〈上〉〈下〉で描かれていく。
シン・レグリア

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 魔王の右腕として重宝された千の魔剣の所有者にして、魔族最強の剣士。
  • アノスの死後、同じくして転生する道を選んだ。その辺りのエピソードは第四巻〈上〉〈下〉にて描かれていく。
  • 元々は感情を持たない戦闘狂であったが、アノスと出会い戦ったことを経て、アノスの右腕、つまりは剣として生きる道を得た。ちなみにその後、カノンに一度敗れている。
勇者カノン

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 七つの根源を持つ男。そのため一つ根源を消滅させた程度では、普通に復活して戻ってくる。
  • 基本的に精霊と人類は敵対していないらしい。魔族対人類、魔族対精霊の戦いが多いように原作既読者としては感じる。神族は自身が司る秩序を阻害された場合や、秩序に則った破壊活動を行うことが多い。
  • 剣も魔法の腕前もかなりのものである。流石は勇者といったところか。
ミーシャ・ネクロン

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • アノスから誕生日プレゼントで貰った《蓮葉氷の指輪》は、左手の薬指に嵌めている。どちらかというと、アノスが嵌めたというべきか。ちなみにアノスはあまり深く考えていない。
  • 《蓮葉氷の指輪》の効果と、《分離融合転生》により超強化されているため、そこら辺の魔族には負ける要素がない。サーシャも同じく。
  • とくに創造魔法に関しては、かなりの実力を有しているらしい。それが生かされるシーンもあるのでお楽しみに。
サーシャ・ネクロン

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 二人で無事に十五才を迎えるという奇蹟的な未来を掴むことができたため、もうミーシャに冷たく当たる必要性もなくなった。普通の仲良し姉妹である。
  • アノスが始祖の魔王であるということを信じていなければ、《時間移動》を成功させることはできなかった(不可能とまでは言わないが、失敗する確率は格段に上がる)。
  • 誕生日プレゼントとして貰った《不死鳥の法衣》と 、《分離融合転生》により超強化されている。《破滅の魔眼》も加わって、最強格の魔族となってしまった。
ミサ・イリオローグ

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 統一派の一人で、半霊半魔の混血。精霊との混血というのはかなり珍しい。
  • 父親は皇族の誰かとされているが、混血であるという理由で、その正体は秘匿されており、現在も離れて生活している。
  • 精霊の力も幾らか持ち合わせており、レイの《魔王軍》の効果であるとは言え魔剣を扱うこともできている。突出した力を持っている訳ではないが、今後の成長次第で行く誰も化ける可能性を持ち合わせている。
レイ・グランズドリィ

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 剣の天才で、魔剣のみならず、魔族には扱えないとされていた霊剣や神剣までも操る。《錬魔の剣聖》と称えられる皇族出身の魔族。
  • これまで剣で負けたことは一度もなく、アノスに負けたことが人生初めての黒星となった。
  • 魔法に関しては苦手としているが、《魔王軍》の魔法を行使できることや、与えた魔力の大きさから察するに、別に魔法が使えないということはないようだ。
アノス・ファンユニオン

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • 統一派として公に活動することはできないため、アノスのファンクラブという形で活動している。
  • アノスの盗撮した裸体や、アノスの偶像などある辺り、ばっちりアノスのファンクラブである。 
  • アノスとしては別に良い気も悪い気もしていない模様。むしろ頼めば筋肉質な上半身は見せてくれる。
統一派
  • 皇族も混血も、差別されることなく対等に評価され、バラバラにされることなどなく生活できる世界を目指して活動する派閥。
  • ミサのように混血であるという理由で、皇族からいない子として扱われている者は珍しくない。ミサの願いは、そういった者達も家族と一緒に過ごすことができる世界になること。
  • 七魔皇老の一人、メルへイス・ボラン様が後ろ盾としているため、何とか活動することができている。
皇族派
  • 統一派と相対する派閥。今の制度以上に皇族の特権を強めようとしている。
  • 皇族は基本的にこの派閥だと考えて貰って問題ないだろう。しかし、複雑な政治情勢もあって統一派と皇族派の対立は、平行線を辿っている。
  • 皇族と混血に関しては第一話の記事を参照(「魔王学院の不適合者」第一話【感想・解説】
水の大精霊リニヨン

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リニヨン
  • 水への信仰心が高まることで生み出された精霊。
  • アハルトヘルンに注がれた神の涙、この世に生み出した始まりの一滴という言い伝えから産まれた。
  • 森を守るために魔王相手に戦っている。
精霊
  • 説明することは難しいが、多くの者の心から生み出された存在とされている。
  • 例えば、伝承や伝説、噂、願望、恐怖、希望……それらが具象・具現化されたものが精霊ということになる。
  • 精霊を生み出した伝承や伝説、噂といった類いが消えていくと、それと同じくして精霊も消えていくことになる。逆もまた然り。話が広く伝わっていくと力もそれに伴っていくようだ。
アハルトヘルン
  • 精霊たちが住む世界。その所在は時と共に変化し、大精霊の森にまつわる噂を辿っていくことでしか見つけることができない。
  • 噂で指定された手段でしか中に入ることは叶わない。冒頭ではそこに無理矢理入ろうとしている(詳しくは後述)。
  • 当然だがアノスはこの森の周囲にも壁を張り巡らせている。

注目すべきポイント

2000年前の話

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy

冒頭で描かれているシーンについて一言で言うなれば、大精霊レノを連れてくるためにアハルトヘルンに押し入ろうという状況である。そのために森を焼き、大軍勢で押し寄せた。

そんな魔王軍を迎え撃つは、原作の描写など見る限り、大精霊リニヨンしかいないように思われる。しかし、八つの首を持つ竜の姿での攻撃で、魔王軍の半壊させるほどの力を振るっている。原作ではアノスが瞬時に《蘇生》を使っているため誰も死んでいない。

膨大な力を持っているかに思われる大精霊を、雑魚と一蹴する魔王の右腕・シン。その言葉に嘘はなく、リニヨンを一撃で屠ってしまった。ちなみにシンは千の魔剣を持つとされているが、このリニヨン相手に使った剣は魔剣ではなく、ただの鉄の剣である。力に差がありすぎる。

盗まれた王笏

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy

昨日のダンジョン試験において、最下層にある王笏を手に入れたアノス班。教師に渡して検査された後、点数が発表されるはずであった。しかし、教師からの報告は非情にも、王笏が盗まれたということと、犯人が見つかるまでの間は暫定的に点数を七十点とするという内容であった。

それで怒りを覚える者が二人いた。

一人はアノスの配下であるサーシャ・ネクロン。アノスが百点が欲しいと言っていたことを覚えていた上で怒っていたことを考えると、とても可愛らしく見えないだろうか? 見えない? そう……。

もう一人は混血で、統一派の一員であるミサ・イリオローグだ。ちなみに彼女の行動が統一派としての活動と見なされた場合(十中八九見なされるだろうが)、停学処分とされて何やかんやで学院を追い出されていてもおかしくなかった。彼女の行動は、それなりの覚悟を伴ってのものだったということだ。

そして、そんな中でアノスはあっさりと犯人を見つけてしまう。どうやら《痕跡》という魔法を、王笏には付与していたらしく、魔眼を通して見るとその所在がはっきりと分かってしまう状況だったようだ。

犯人の名前のないモブ学生は、魔法を用いて王笏を体内に隠していた。ちなみにアノスに王笏を体内から取り出される直前、「満点を取るために自分で盗んだってことも考えられるからな。偽物の王笏だってバレる前によ」と発現している学生が犯人である。かなりセコいやり方で、アノスを陥れようと画策している輩がいるようだ。

ファンユニオン

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy

アノスのファンクラブを隠れ蓑として、統一派の活動を行っていたミサ達一行。隠れ蓑とは言っているが、彼女達は普通以上にアノスのファンである。話を聞く限り、

  • アノスを始祖の魔王の生まれ変わりだと考えている

実力だけを見れば、それは火を見るより明らかなのだが、血筋が何よりも重視されると考えている皇族派にとっては認められないことである。アノスが始祖の魔王だと認めさせることは、元々彼らが考えている血筋というものが重要ではないということを意味してしまうためだ。

  • アノスの班に入りたい

アノスの班に入ることで、統一派としての活動をこれまで以上に行っていくつもりであるらしい。ただアノス様の近くにいたいだけ……ということではない、と思う。きっと。多分。

原作では全ファンユニオンメンバーが、アノスとの間に「一生アノスのファンであることを誓う」という《契約》を結ぶ、頭のおかしいイベントがあった。少し楽しみにしていたのだが、見たい人は原作を見よう。

レイとのファーストコンタクト

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy

レイという《錬魔の剣聖》とのファーストコンタクト。七魔皇老の二人を直々に行う魔剣の扱いを学ぶ授業にて、魔剣を扱うことができて、かつ二人とも倒してしまったアノスとレイ。なかなかにシュールである。

原作では魔剣についてのアノスからの講義が行われている。結果としてミーシャもサーシャも魔剣を持つことだけならばできるようになっていた。流石は有能な魔王直属の配下である。

また、魔剣を扱うことができる者はごく少数であるということも分かっていただけたことだろう。今後、敵も強くなっていく中で魔剣を持つことは当たり前のようになっていくが、初心を忘れてはいけない。

原作ではもう少し七魔皇老との戦闘に字数が割かれている。どちらにせよ、七魔皇老の活躍が期待できないという点で一致しているが。

レイ班 VS アノス班

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy

アノス班に入りたいと申し出たレイ。しかし、その申し出をアノスは断り、ファンユニオンのメンバーと班を組んで挑んで来て、その結果に応じて班に入れるかを考えるということになった。ちなみに原作においてアノスは、自身の班に入る条件を「強いか、面白いかだ」と発現している。決してアノスに勝つことを条件とはしていない。

レイ側の作戦としては、

  • レイとアノスの一対一に持ち込む

作戦というよりは、アノスもレイもこの状況を望んでいた、というべきだろうか。互いにその力量は分かっている。共に力をぶつけることができる相手を求めていたのだ。

しかし、レイは魔力の多くをファンユニオンに上げつつ、魔剣はミサに渡しているためなまくらで挑むことになってしまった。それに応える形でアノスは木の枝で戦う。木の枝VSなまくらというシュールな戦いが幕を開けてしまった。

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy
  • ミサには魔剣を預け、その他使わない魔力はメンバーが城を使役することに当てる

魔剣はそれぞれに意思があり、使える・使えないには個人差が出てしまう。そのため、レイが使っていた魔剣というのも、本来はレイ以外には使うことが難しい。しかし《魔王軍》の効果により、ミサにも魔剣を扱うことができるようになっていた。

また余っている魔力については、ファンユニオンのメンバーに分配し、城を使役できるようにして戦力として使えるようにした。

さて、アノス側だが……とくに作戦という作戦もない。力のごり押しである。まぁ、ファンユニオンとネクロン姉妹の間にある力量差は圧倒的。勝ち目はなかった。

原作ではミサが精霊の魔法を駆使することで、もう少しだけサーシャを追い詰めている。その際、彼女が使った魔法が大精霊リニヨンと似た水の魔法であったため、冒頭で大精霊リニヨンが登場していたことにも意味を持ってくるのだが、アニメで省略しているため、その辺り詳しいエピソードをやることは無理という判断なのだろう。

さらにファンユニオンの面々は、サーシャの《破滅の魔眼》にも苦戦を強いられるが、それすらも乗り越えようと、かなり努力している様が描かれている。アニメではかなり省かれているため、戦闘シーンに関しては原作を見ることをおすすめしたい。

決着

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©2019 秋/KADOKAWA/Demon King Academy

決着は意外にもあっさりとついた。レイは木の枝を武器にしたアノスに対して、傷をつけることすらできなかった。木の枝を切ったことは、アノスとの間にある実力差を考えると、かなりの異形だと言わざるを得ない。

そしてネクロン姉妹とファンユニオンの戦闘も、最後は姉妹の《融合魔法》により発動した《魔氷魔炎相克波》がトドメとなった。原作ではそんなネクロン姉妹とファンユニオンの戦闘をゆっくりと眺め結末を見届けた後、レイとアノスの戦いが始まっていくようになっている。細かな違いではあるが、アニメという尺に収めるための策だろう。

かなり戦闘面において省かれている情報が多い。やはりアニメでは最低限の情報で描いているという印象を受ける。原作未読者には問題ない程度ではあろうが。

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