まず最初に
第六話は伏線をチラチラとチラつかせながら、2000年前には考えられないような平和な日常が描かれていきます。平和は「戦争と戦争の合間に過ぎない」と言いますが、かけがえのない大切な時間であることに変わりないと思います。
次話以降を見る際に意識すると良いようなことを網羅できれば、と思いますが、アニメ化される範囲で回収されないようなこともありましたので、どうしようかと苦心しております。まぁ、些細なことではあるのですが。
用語・人物解説
アノス・ヴォルディゴード
- 2000年前の両親は、産まれる前に人族に殺されているため、言葉を交わしたことすらない。
- 転生後の両親は人族であり、魔剣というものをおそらく良く分かっていなかったと思われる。魔剣は鉄を打つだけで作れるような単純なものではない。父が金剛石を使って作成した剣は、魔剣ではないと言える。
- 両親の住む家には魔法で結界が張られており、攻撃魔法などで破壊されることはない。魔王としては当然の処置だろう。
ミーシャ・ネクロン
- 「アノスの喜ぶ顔が好き」だから、と美味しい料理を食べさせて上げるための練習をしていた。
- 創造魔法が得意で、ボトルシップのように建造物や風景などを小さなボトルの中に再現する魔法模造を趣味とする。
- アノスの裸を「芸術的。好き」と語るシーンをブログ主的に楽しみにしていたら割愛されてた。他にもアノスと二人で出かけるに当たって、アノスに服の好みを根掘り葉掘り聞くというシーンも楽しみにしていたがこちらも割愛。原作のミーシャは可愛いシーンがかなり多いのでお勧めである。
イザベラ
- 一部界隈で「魔王学院の不適合者」の中で最も可愛いヒロインでは? と言われていることを知った。もしかすると、そんなことを言っているのはブログ主の周りだけでは? とも疑っている。
- アニメでは割愛されているが、アノスの将来の夢(と勝手に思っている)である魔皇のことを知るために、謁見しに行ったりと行動力が凄まじい。
- アノスを産むに辺り、ちゃんとした子供は産めない体質であると診断され、死産するだろうと言われていた。それでも子供が産まれた時の喜びはそれはそれは相当なものだっただろう。そのためか、数ヶ月で学院に入学できる年齢まで成長したとしても、「元気に生きてる」という理由で気にしていない。
グスタ
- 鍛冶・鑑定屋「太陽の風」の店主。鍛冶の腕は相当なもの。
- 息子に隠れて、魔剣大会に出るために必要な魔剣の調達に勤しんでいた。原作では隠れて調達しているつもりで全く隠れておらず、バレバレだった。しかし、人族である彼にとって、鉄が切れるほど良く出来た剣という認識でしかなく、実際に彼が持ってきた剣は魔剣ではない。
- まだ若い頃、自分より年下の美しい男性に良いかもしれない、と可能性を感じたことがあるということを原作では暴露している。彼曰く、入れる方は理解できるが、入れられる方だとどうしても理解できないらしい。そんなことを言われたアノスは珍しく困惑する。
メルへイス・ボラン
- 七魔皇老の一人。生存を重視し、最も魔法と魔力に特化しており、神話の時代にいた歴戦の強者とも戦えるだけの実力を備えている。
- 《時間操作》と《追憶》で記憶を探るも、他の者達と同じくアノスの記憶が消されている。根源も一つしかないことを確認したため、アイヴィスのように体を乗っ取られているということもない。
- アノスの作った壁を乗り越えて、何らかの敵から逃れて「大精霊の森」へと逃れた。この世界で壁を乗り越えることができたとされる者は二十名ほどしかおらず、その中で無傷で乗り越えることが可能なのは勇者カノン、大精霊レノ、創造神ミリティアだけとされている。
レイ・グランズドリィ
- この若さで剣聖とまで呼ばれ、魔剣大会では優勝候補とされている。
- 半霊半魔について、それなりに詳しい。半霊半魔の寿命が長くないということを知っていたのもそのため。
- 母親は精霊病という病にかかり入院している。
ミサ・イリオローグ
- 半霊半魔で、リニヨンが使ってた水の魔法を彼女も扱える。
- 母親は亡くなっているため、彼女の扱っていた魔法がリニヨン由来のものか確かめる術はない。
- 精霊は人々の噂や伝承により産まれるため、死の概念も酷く曖昧なものとなっている。元となっている伝承や噂が世界から根絶されれば死ぬ……ということは確実だが、そんなことはほぼ不可能だろう。
アイヴィス・ネクロン
- どうみても猫だが、七魔皇老の一人アイヴィス・ネクロンである。
- 死んだことになっているため、生きていることを悟られないためにこのような姿になっている。
- アノスの指示に従って調査を行い、情報を集める役割を担う。連絡にはアノスの使い魔であるフクロウを用いている。アニメでもアノスがフクロウを飛ばしているシーンが描かれている。
魔法模造屋『創竜のふるさと』
- 近所ではかなり規模の大きい魔法模造屋。素人でも魔法模造を作ることができる工房まで備え付き。
- 工房には限定魔方陣という場所も魔法の種類も限定するが、高い精度で魔法を行使することを可能にする魔方陣が描かれている。
- 上記の限定魔方陣上で、《創造建築》を使うことで小さく細かな建造物を作成する。
猫喫茶『またたび亭』
- いわゆる猫カフェ。
- アノスとミーシャのデートの最終目的地。
- 猫の作画が良いアニメは良いアニメ。
注目すべきポイント
祝勝会
アノス班の勝利で幕を閉じた班対抗戦。その勝利を祝っての祝勝会が、アノス宅にて開催される。参加者はアノスの家族と、アノス班メンバーであるミーシャとサーシャ、そして対戦相手であったレイと、統一派の隠れ蓑であるアノス・ファンユニオンのメンバーであるミサ。計七人。
両親とアノス、ミーシャとサーシャは当然として。レイとミサはどうして参加しているのだろうか?
二人が参加するに至るまでの過程がざっくりとカットされているが、理由を簡単に説明していく。その辺り面白いシーンが続くため、詳しくは是非とも原作を確認して欲しい。
まずレイについてであるが、一言で言うなれば『男の友情が芽生えてしまった』というべきだろう。アノスは「男の方が話しやすい」といったようなことを言っている。2000年前には性差など気にする暇がなかったらしく、友情――特に男の友情というものは初めてのようだ。
また、レイを家に連れてきた際、両親にアノスがホモであるというような誤解を受ける。これまで言い出せなくて辛かったね……というように息子を温かく迎え入れ、(両親の中では)重婚したことになっているミーシャとサーシャにも、これまで通りアノスと付き合っていって欲しいというように声をかけていた。
次にミサについて。どうやら彼女の使っていた魔法というのが、第五話の冒頭で登場したリニヨンと同じだったらしく、彼女の将来性に期待が持てたということであるらしい。そのためアノスの配下に入ることが許されたミサという訳だ。
アノスの出生
生後一ヶ月で学生にまで成長したアノスの成長写真を眺めるミーシャとサーシャ。アニメ視聴者も原作読者も見覚えのないシーンを切り取った画像ばかりである。一ヶ月という短い期間であるとはいえ、家族らしいことをしていたということなのだろうか。
そして語られるアノスの出生。
どうやら本来は死産で、アノスは産まれるはずもなかったようだ。原作では「ちゃんとした子供を産めない体質」というように理由が説明されている。そして母自身も死にかけたようだ。
実際、お腹の中の赤ん坊は心臓が一度止まった。しかし――ここからは推測になるが、アノスの転生により命が宿ったということなのではないだろうか。結果として産まれたアノスのことを、両親は心底可愛がり、溺愛し今のような独特な可愛がり方をするようになったという訳だ。
サーシャは少し心境が複雑だろう。彼女はかつて、強力すぎる《破滅の魔眼》により、両親にすら怖がられる存在であった。だからこそ魔眼でも壊すことのできない牢獄に、彼女を閉じ込めていたのだ。
そんな話を聞いたアノスの母・イザベルは、優しくサーシャを抱きしめて頭を撫でるシーンが原作にはある。ブログ主的に良いシーンだと思っている。
レイとミサの会話
ともに同じ班でアノス班と戦った仲間……しかし、白服と黒服というように身分の差がある。この世界の常識では、一緒に過ごしていると穢れるだとか言われてもおかしくない。レイはそんなことを気にしないが。
ミサはそんな彼の立場や考え方を、統一派が目指すべき姿というように言っている。レイはそれに対して、「剣にしか興味がないから」というように理由を語り、褒められるようなことではないと語っているが、皆さんはどのように思われるだろうか。
ここで重要なのは「半霊半魔は長生きできない」という情報だ。半霊半魔というのは大変珍しいとされている。理由としては、精霊と魔族の相性がよろしくないと言われているためであることなどが上げられる。レイの話しぶりを聞く限り、すぐ身近にミサ以外の半霊半魔がいるように聞こえる。
そして、その半霊半魔はどうやら元気な姿をしていないことまで、何となく推測できてしまう。
魔剣大会
魔剣大会に参加することとなったレイとアノス。しかし魔剣大会というのは、本来血筋までも検査され、純血以外は実力があれど参加できないとされていた。アノスが参加できるというのは、とてもおかしなことなのだ。
そのことに疑いを持つアノス。調査も兼ねて、七魔皇老の一人にして統一派の後ろ盾であるメルへイス・ボランと会うことに。
会ってみるとどうやら彼はアノスが魔王であることを覚えているようだ。いや、アノスの魔法で記憶を走査しても、どこにもアノスの記憶は残っていなかったため、正確には『根源が覚えていた』というべきだろう。
彼の情報から分かることは、『2000年前にアヴォスが行動を開始した』ということだろうか。
アヴォスはアノスが死んだ後、すぐに行動を開始している。その目的は定かではないが、七魔皇老の中で最も強いメルへイスが、記憶を消され逃げ出すしかない程の強敵ということも分かる。アノスは記憶を手繰り寄せ、それに該当するような者がいたか考えるが思い当たらないらしい。
また、アノスの魔剣大会参加は、『皇族派が仕組んだこと』であることも判明する。どうやら魔剣大会でアノスを倒して、統一派の勢いを挫くことが目的であるようだ。
しかしアノスの実力を前にして、勝てる魔族がいるだろうか? いやいない。
メルへイスもそれは分かっている。しかし大会に参加しないよう具申した理由を、『アノスが負けることはないが、試合で勝てるとは限らない』と語っている。つまり皇族派はルールを改定し、アノスが負けるように仕掛けると予想しているのだ。
団欒
料理を教えて貰ってミーシャと母との団欒。些細なシーンに思われるかもしれないが『エミリア先生がわざわざ魔剣大会にアノスが参加するという報告に来たこと』、『魔皇になるためには魔剣大会に出場したというような実績が必要であること』、『父親が何故かいない』ということなど情報が目白押しとなっている。どれも今後の展開と繋がってくるため、頭の片隅にでも入れておくことをお勧めする。
これらの情報の出し方が、原作とはかなり異なっている。例えば父親がいない理由について、原作では父親自身が「三日ほど留守にするから、母さんを頼んだぞ」というようにアノスに告げていなくなっているため、とくに謎でも何でもない。
『魔皇になるために実績が必要』であることに関しては、母親が魔皇に謁見しに行ったり(人族であるため実際には会えなかったが)、独自に調査したことで知った情報であった。
また、ここでミーシャと物見遊山という名のデートに赴くことになるが、原作ではアノスの方から誘っている。それを受けてアノスの好きな服装などを聞き出そうとするミーシャが可愛い。原作を見よう。
また、フクロウを飛ばしている謎カットがある。これは猫になっているアイヴィス・ネクロンと、使い魔を用いて連絡を取り合っているシーンで、後々の猫カフェで会う約束を取り付けているのだろうと思われる。
デート①
物見遊山である。ミーシャがアノスから聞き出した服装がこれだとすると、白を基調とした服が好きなんですね。まぁ、原作でもそのように書かれていました。
まず向かった先は、ミーシャのお気に入りの場所、魔法模造屋『創竜のふるさと』である。詳しくは用語・人物解説を読んで欲しい。魔法模造についても、それで何となく分かって貰えるだろう。
原作では魔法模造に関するお偉い先生がやって来ていて、アノスが作った精巧な魔法模造を見て、アノスをスカウトしようとしている。それを断り、作った魔法模造はミーシャにプレゼント。まーた指輪である。手を取って付けてあげる辺り、プロポーズにしか見えないのはブログ主だけだろうか。
デート②
アイヴィスとの情報交換がデートの最中で行われる。その情報によると、
- 統一派のトップはメルへイスではない
ミサ達は統一派の後ろ盾をメルへイスであるように語っていた。しかし、実際にはその裏で手を引く者がいたということだ。しかし、その者が誰かまでは掴めていないようだ。
- 正体不明の人物がいる
近隣では最大の医院・ログノース魔法医院の関係者だが、どうにも正体が掴めない謎の人物が捜査線上に浮上したらしい。
ログノース魔法医院
この辺りの情報に関しては、次話以降に多くを語りたい。レイや母親らしき謎の患者、正体不明の人物など語るべき情報があまりに多いためだ。ただ今後の物語において、アノスと男の友情を結んだレイが深く関わってくるだろうことは、何となく創造しておくべきかもしれない。
魔剣大会
魔剣大会当日、ネクロンの報告により、魔剣大会に関してメルヘイスは無関係だが、七魔皇老のガイオスとイドルが関わっているということが分かった。どうやら罠に掛けようと考えているらしい。
またレイの母親は、精霊病なる病気にかかっており、命の危険に晒されているようだ。
そしてアノスは魔剣大会に参加するか考えて、参加しないことに決めた。本当の敵は魔剣大会での対戦相手ではなく、偽の魔王であるアヴォスという判断だ。
しかし。
混血だという理由でアノスを貶す者達に向かって、声を上げる母の姿。
魔剣を持っていない息子のために、自ら行動し剣を作ってきた父の姿。
そんな両親の喜ぶ顔を見るために、アノスは父の剣を片手に魔剣大会に挑む。一回戦の相手は、エミリアの兄であるらしい。果たして何秒持つだろうか、そして敵はどんな罠を仕掛けてくるだろうか。
次話以降に期待である。
最後に
情報の出し方が違和感なくされています。原作のシーンをかなり端折ってはいますが、できる限り情報の齟齬が起きないように苦心されたのでしょう。やっぱり脚本が良いと思うのですよ。
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