まず最初に
「魔王様、リトライ!」も第二話へと突入し、聖女様も登場して物語が動き出したかのような雰囲気を醸し出しています。今の段階は、言うなれば準備段階。魔王様は自身のいる世界について理解ができておらず、目的だって明確に定まった訳ではありません。
とりあえず今は情報が集まるとされている大きな街、神都へと向かっている一行。理由はよく分かりませんが、いつの間にか一人加わっています。そんな彼女の情報など、記事にまとめておきましょう。
用語・人物解説
大野 晶(=九内伯斗)
- 大野晶の人格が入った状態で異世界に召喚された魔王様。INFINITY GAME内の設定に乗っ取りながら、異世界にてチート級の能力を扱うこととなる。
- ゲームの設定上、九内伯斗はレベル1であり、レベル2に上げるためには膨大な経験値が必要な設定となっている。
- この世界で魔法だと思われているものは全て、SPを元に回復された管理者権限である。アサルトバリアなどはゲーム内で九内伯斗に与えられていたアイテムである。
アク
- 今後、魔王様と生活を共にするヒロインらしき何か。右目は碧目である。
- 魔王様の管理者権限に傷を治すものはなかったようで……いや、なくもないのだが、かなりのSPを消費することとなるため、また現時点でできるか分からなかったために行えなかった。
- 可愛い。
ルナ エレガント
- 三聖女の末っ子。アニメを見る限り弱そうに思われるかもしれないが、この世界の中ではかなり強い方である。
- 末っ子ということで舐められていた。
- 今は聖女だが、元は貧しい孤児院の出である。つまり三聖女の末っ子と言えど、本当の姉妹という訳ではない。他の聖女達に関してはアニメに登場時、随時紹介を追加していく。
土竜
- 四十名近い山賊集団であり、この近辺では忌み嫌われている。
- 相手がどんな弱者だろうと強者だろうと等しく襲う。手痛い逆襲を被ることもあるが、集団の数は増える一方である。
- 頭領は十代の頃から追い剥ぎを始め、今となっては隣国にまで知られているようだ。
拠点
- 『サバイバルグッズ』と『防衛グッズ』をアイテム合成することで、拠点を設置。さらに『強化資材』や『防火壁』などのアイテムで補強を行っていくことが可能。
- INFINITY GAMEでは他プレイヤーからの攻撃ダメージを減少させ、砲撃も防ぎ、体力も多少回復させる効果を持つ。その防御力は対戦車への攻撃も防ぐことができる。この世界において、この拠点を破壊することは至難の技だろう。
- この拠点に『医療セット』を合成すれば、野戦病院。『大垣の湯』を合成すれば温泉旅館となる。
アサルトバリア
- 九内伯斗が所持する装備品。レベル30以下の攻撃を無効化する障壁。
- 矢や剣といった物理攻撃には効果を発揮しているが、INFINITY GAMEには存在しなかった魔法に対しては効果を発揮しない。
- 自由に解除もできる模様。まぁ、解除する理由がないのだが。
マイルドヘブン
- 九内伯斗が所持するアイテムであり、気力を回復する効果がある。種類もマイルドヘブン以外に存在する。
- INFINITY GAMEにおける気力とは何をするにしても必要な体力のようなものであり、当然魔王である九内伯斗も気力を消費することで行動する。
- 九内伯斗の気力はかなり高く設定されている。この世界では、無尽蔵の体力とでも表現すべきだろうか。しかもタバコを吸っていれば勝手に回復していくため、これだけでもかなりのチートと言える。
魔法
- 気力を消費することで発動することができる。気力がなくなると、魔法が一時的に使えなくなるようだ。
- 九内伯斗のアサルトバリアを貫通することが可能。ちなみに九内伯斗の魔法力はゼロである。INFINITY GAMEに魔法の設定がなかったため仕方が無い。
- 基本となる四大元素――土、水、火、風と、理外とされる光、魔の六つを操ることで発動する。魔法名の文字数により第一魔法から第十魔法まで存在し、悪魔王が扱えたのは第六魔法までとされている。ちなみにルナが放った魔法はオリジナルの元素による魔法である。これを喰らって生きていられるものはいない……がアニメではみんな生きている。原作では頭領以外、皆殺しにされていた。
注目すべきポイント
魔王討伐へと向かう聖女様
オリジナルの元素を操ることができる最上位の魔法使いである聖女ルナ。彼女は他の聖女達に舐められているため(自称)、何かしらの武勲を上げるために魔王の討伐に乗り出した。
……先ほど舐められていると書いたが、正確に言うと少し違う。この世界には智天使の教えという物が存在する。宗教という理解で問題ない。その教えをざっくりとまとめると『人と地域には格差があって当然であるが、努力次第でどうにでもなる』というものであり、言い換えれば『努力しなければ落ちぶれても仕方がない』というものだ。
そんな智天使の教えに乗っ取り、ルナは自分の力だけで努力し這い上がろうとしている訳である。
そんな彼女が連れている部下は騎手を除いて二十五名。悪魔王を倒したとされる魔王の討伐には、最初から役に立たないと理解した上で同行させている。自分の力だけで倒したと証言してくれるだけの存在ということだろう。
また、怪しい男が魔王復活の噂を誇張し広げている(「村をまるごと焼き滅ぼした」など)描写が原作では存在する。アニメでは、それらは全てカットされていた。
山賊の存在
今、九内伯斗達がいる場所は神都から離れた僻地。神都と言えど、それほど圧倒的な力を持っているとは言えないため、山賊といった集団の存在は珍しくない。なにせ悪魔王の存在をこれまで無視して来たのだ。山賊程度、眼中にすら入らないだろう。
山賊達は聖女がやって来るという情報を得て、襲撃を計画する。聖女がわざわざ自分たちを討伐しに来たと理解したのだ(この点、アニメと原作では少し異なっている)。
世に名高い聖女に山賊ごときが挑むのかという疑問もあるかもしれない。しかし原作を読む限り、『魔法使いは気力を削れば倒せる』ということを理解し、『頭領が特別なスキルを持っている』らしき描写が存在する。詳しくは戦闘シーンにて記述したい。
拠点
拠点に関しては「人物・用語解説」を参照して貰うとして、とりあえず二つほどまとめておこう。
- ドラム缶風呂
この世界では風呂が貴族にしか入れないものとして描かれている。たまに降る雨を天然のシャワーとして扱っているようだ。当然、アクも例外ではない。これまで汚いとされる仕事ばかり押しつけられたアクにとっては、浸かることのできる風呂はとんでもない贅沢なのである。
- 月
この異世界にも地球と同じような月が見えるようだ。文字形態も同じ、ネーミングセンスもどこかで聞いたような名前ばかり、大野晶の上司である専務に似たような頭領(原作にこのような記述はない。アニオリだろう)……色々と考えさせられる設定である。
戦闘シーン
山賊は魔王の姿を見て「聖女が仕掛けた餌」だと判断したらしく、その上で聖女達を自分たちが有利な場所に誘い込むという目的で襲撃。先制の一手として放たれた弓矢は、簡単に居場所を悟られないという利点もあったのだろう。
しかし、アサルトバリアによって攻撃は防がれる。ここで引けば良かったものを……山賊達は姿を現し、数による肉弾戦を仕掛ける。一般的に魔法使いは肉弾戦は苦手だ。また、数的には圧倒的に有利。気力を削りつつ確実に仕留めようとしている。
何度も書いている通り、九内伯斗は魔法を使っていない。全てINFINITY GAMEにおける管理者権限の賜物である。気力という要素はあるにはあるが、ステータス的に何時間でも戦える上、タバコを適当に吹かしていれば解決する。
筋力といったステータスにおいても他を圧倒する魔王様。人をデコピンで吹っ飛ばすなんて、魔法と思われても仕方がないだろう。
そんな最中、魔王という言葉を聞きつけて……かどうかは知らないが現れる聖女ルナ。アニメでは優しくなっているが、原作では山賊達は光の矢によって頭領を除いて皆殺しにされている。「用語・人物解説」にも書いた通り金刃ゴールドスラッシュは、どの元素にも含まれない新たな元素・金を操ることで発動する上位魔法。これを喰らって生きていられる人間はいない。
結果として魔法を喰らっても普通にしている魔王(内心焦っている)。彼にお尻ペンペンされ、すごすごと財布を差し出す聖女様(笑)。可愛い。
ヤホーの街
ナ〇ツが言ってそうな街ヤホーにやって来た魔王様一行。この街は今後も度々登場することとなる。ちょい役っぽい服の店・ファッションチャックも出てくるので覚えておいて損はないだろう。
そんな街にて聖女様のお金を使って豪遊する魔王様。アニメではばっさりとカットされているが、原作では世界の細かな設定を説明するシーンが多数存在する。
例えば、奴隷の存在。原作では魔王がエロゲの話を呟いている最中、「この街では奴隷は御法度だよ」と話す商人がおり、「北や東の方では奴隷が珍しくない」という情報を教えてくれる。
また、アクが財布をのぞき込んだ際に、大金貨の存在に驚いていたり(大金貨は世界で二番目の価値を持つ。大商人しかお目にかかれない)、オオトカゲに乗って移動している人がいたりする。
やって来た宿屋の名前はググレ。高級感も欠片もないが、ヤホーの街でも屈指と言われる最高級の宿屋だ。アク曰く、可愛らしい名前であるらしい。
ここで九内伯斗が支払ったのは金貨一枚である。最高級の宿屋の最高級の部屋に宿泊できるという時点で、日本円にするとかなりの金額であることが分かって貰えるだろう。アクが言うには貴族の邸宅に匹敵するらしく、その言葉には嘘偽りもない。
そんな二人が次に向かったのは服屋・ファッションチャック。TV番組のコーナーでありそうな名前だが、ちゃんとそれなりの店である。
ここで九内伯斗が支払ったのは大金貨一枚である。金貨一枚とは比較にならないほどの金額であることは、店主の様子からも伺えるだろう。それもそのはず、大金貨は大商人しか見ることは叶わないとされている貨幣であり、聖女だからこそ持っていたとも考えられる代物なのだ。
ディナー
おしゃれな店でディナーを楽しむ魔王とアク。そんな二人を見て噂する人々。この店で食事をするということは、それなりの地位の人々なのだろう。大金貨を出し惜しみせず使った行動は、かなりの反響を呼んだようだ。
このシーンでもかなり省かれている。少しばかり捕捉していこう。
まず大野晶はこんなお洒落な食事をしたことがない模様である。原作では、ワインがよく分からないので一番高いワインをとりあえず頼み、出された最高級のワインを「合わないな」と切り捨て、一番安い酒を頼んで飲んでいる。食事の最中にも「INFINITY GAMEの食事」を食べたいなんてことを考えている。
そんな彼の行動が、人々の誤解を生んでいく訳だがアニメでは描かれないだろう。
アクは自分に良くしてくれる魔王の行動に質問を投げかけた時、聖女がやって来る。ここまで噂にされる行動を繰り返した目立つ魔王を見つけるのは、誰にとっても簡単だったことだろう。
アニメではよく分からないが、この一連の会話でルナは魔王に惚れたようである。よく分からないかもしれないが、初見で読んだ時も、アニメを見て読み返してもよく分からなかった。気になる人は、是非原作を読んで欲しい。
また、「智天使以外にも座天使、熾天使がいる」という情報が原作では明らかになっている。もしかすると、それらの天使に頼めば現世に戻れるのでは? というかなり重要な話だと思ったが、アニメの尺的に省かれたのだろう。
宿にて
決してルナが二人をストーカーしていた訳ではないことを最初に言っておこう。食事を終えて別れる際に、魔王がルナに自分が泊まっている場所を伝えておいたのだ。
結局お金を返してお別れ……と思いきや、今後は三人による旅が行われることとなる。はてさて、一体どうなることやら。
最後に
山賊が殺されるシーン、奴隷に関する説明、ルナが孤児院の出であるという情報……省かれたシーンを考えるに、シリアスというシリアスの一切を省いているのだろう。ようやく、この作品はギャグに全振りで行こうとしているのだろ理解できた。
作画は残念だが、ギャグアニメだと考えれば許容できるのではないだろうか。とりあえずアニメで少し気になった人は、原作か漫画を見るべきであろう。漫画の絵はかなり綺麗であった……。
アニメを見るなら
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