工大生のメモ帳

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【映画】オーメン666 感想

※ネタバレをしないように書いています。

悪魔の計画。

情報

監督:ジョン・ムーア

脚本:デヴィッド・セルツァー

ざっくりあらすじ

6月6日午前6時。アメリカ人外交官ソーンは息子の死産を悲しんでいた。そんな彼に病院は、秘密裏に同時刻に生まれた孤児を養子にすることを勧める。妻キャサリンのことを考え、その申し出を受けいれたソーンは、それが悪魔の計画の始まりであるということに気付くはずもない。

感想などなど

20世紀を代表するオカルト・ホラー「オーメン」。そんな一時代を築いたような名作は、いつか見てみたいと思いつつ、2006年にリメイクされていたのでせっかくなのでリメイク版を視聴。オリジナル版との比較はできないということを、まず最初にお断りしておく。

6月6日午前6時に産まれた孤児、首元にある6が3つ重なった痣のようなものがある彼こそが、オーメン(=悪魔)であり、本映画における敵役のようなもの……バイオハザードでいうところのゾンビだと思って貰えればよい。

まぁ、ゾンビという表現は全く適切ではなく、オーメンからしてみればゾンビは可愛らしいとすら思える程に凶悪で絶対的な存在であることは、見続けていけば分かる。なにせソーンが引き取った孤児は、世界を滅ぼしてしまう存在なのだから。

滅亡? そんな大きな話なのか? と思う方もいるかもしれないが、決して誇張表現という訳ではない。映画を視聴していくと、彼の持つ力の強大さと劣悪さは想像を遙かに上回り、優しさなど微塵も持ち合わせていないことが分かっていく。

 

さて、そんな物語の設定を説明したいところではあるが、正直少しばかりややこしい。また、どこまでがネタバレなのか見定めることが難しいため、これからする説明はほんの触りに過ぎないということは理解して欲しい。

アメリカ人外交官ソーンは順調に――恐すぎる程に――エリート街道を突っ走っていく、いわゆる出来る男であった。いずれは国の上層部に食い込んでいくことだって夢ではない男、といえば何となく想像できるのではないだろうか。

そんな男には美しい妻がいた。そんな彼女との間に身ごもった子供。残念ながら死産してしまう。途方に暮れる夫、そんな彼に病院側は孤児院で産まれた孤児を、秘密裏に渡し、これから先の人生で自分たちの子供として育てていくことを提案する。

死産であることを妻に告げることを恐れた夫は、その提案を呑んだ。

つまり妻は今育てている子供が、自分が腹を痛めて産んだ子供ではないということを知らない。何処の誰が産んだのか分からない子供……しかも災厄を振りまく悪魔であるということは知る由もない。

その子供は誰が見てもおかしい点がいくつもあった。

まずあまり喋らない。まぁ、おかしいとはいうもののだからといって悪魔ということはできない。

次に彼は教会を異様なまでに恐れた。彼を乗せた車が教会の前を通っただけで、大暴れして母親に怪我を負わせる程である。

さらに勝手に犬を拾ってきて育て始める。ただ育てるというだけならば、百歩譲って可愛らしいと思えるかもしれない。しかし実態は、立派に調教して人を襲うようにしつけられているのだから、その異常性は理解していただけるだろう。

……だが一番おかしいのは、母親を本気で殺そうとしていることである。

 

本映画では人がいっぱい死ぬ。その死に様が本作の魅力の一つであろう。

建物の屋上からパーティーの最中で飛び降りるソーンの上司。鉄の棒が頭蓋を貫かれた神父。再び子を身ごもった妻が、最上階から突き落とされる。落ちてきたガラス板が頭を綺麗に一刀両断……日本語で書くとシュールだが、さすがは一時代を築いたと言われるだけはある。印象に残ってしまうような死亡シーンが多い。

また、悪魔である子供による策略というべきだろうか、あらゆる手を読んで、先手先手を打ってくる様はかなりの絶望感がある。

オカルト・ホラーとしてのお約束が詰め込まれ、印象に残るシーンの多い映画であった。古いから……と忌避したりせず、一度は見ることをお勧めしたい。

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