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【漫画】カグラバチ2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

信念と責任を背負う覚悟はあるか?

情報

作者:外薗健

試し読み:カグラバチ 2

ざっくりあらすじ

妖刀「刳雲」を所持する武器商人・双城は、新しい妖刀を持つチヒロを襲撃する。彼は意外にもチヒロの父・国重への愛を語り、彼の作った妖刀は人を斬るためにあると街を無差別に破壊しようとする。

感想などなど

刀を単なる殺人の道具としてしか見られないならば、この漫画は読めない……といったことを第一巻感想の冒頭にて語ったが、そんな人物は作中にいた。第一巻のラスト、唐突に襲撃してきた妖刀「刳雲」を持った男は、武器商人・双城である。

彼は妖刀の一振りの一つ「真打」を、闇の競売 "楽座市" に出品した張本人で、おそらく毘灼と関係がある。しかも神奈備(=国営の妖術師集団、”国の脅威となるものの排除を担う組織”)のブラックリストに10年以上登録されていながら、誰も彼を排除できていない。

それは武器商人でありながら護衛をつけない実力者であることや、油断しない冷静さによるものかと思われる。

そんな双城とチヒロの殺し合いから第二巻は始まった。しかし、どうやら互いに妖刀を持って日が浅く、妖刀の全力を出し切れていないらしい。規模の大きな戦いに発展していくが、これはまだ妖刀の力が抑えられた状態ということが末恐ろしく思える戦いが繰り広げられる。

その戦いの合間、双城は妖刀の作者にしてチヒロの父・六平への愛を語りだす。六振りの妖刀を生み出した英雄は、妖刀にどんな想いを込めたのか? 双城は双城なりに彼が刀に込めた思い考え抜いて、その想いを受け継いで、妖刀を使ってたくさん殺すことに決めたらしい。

第一巻、第一話。六平は息子に対して下記のように語っている。

刀を握るべきなのは悪を滅し弱者を救う…信念のある者だ

そんな父の言葉はチヒロにちゃんと伝わっている。父親の思いをねじ曲げて解釈し、挙げ句の果てには、思い立ったように無差別な殺しを企てる双城に刃を向ける。二人の戦いは意外にも、この第二巻の間、つまりは一冊で描ききられる。

そんな濃密な第二巻の感想を語っていきたい。

 

妖刀が戦争を終わらせたのは、その強さもあるが、作る方法を六平国重しか知らなかったということが大きい。もしも大量生産可能で、相手も妖刀を所持しているならば、戦争は長続きしたことだろう。

だからこそ国重は英雄と言われ、彼がいた場所は極秘事項とされ、妖刀は厳重に隠され、特定の人しか扱えないようにされていた。そんな彼の奇跡を超えること――彼を愛しているからこそ、彼の妖刀を越える殺戮兵器を生み出すことが双城の目標だったようだ。

そのために必要なこととして、妖刀の原材料とされる "雫天石" を加工する技術の習得が必要となる。そもそも雫天石の特性は、込められた玄力を膨らませ、人体では生成保持できないほどに高密度なものにする。その高密度な玄力が人体に流れ込むと身体が張り裂けて死ぬ。

つまり雫天石の玄力を膨れ上げさせる特性だけを利用し、人体にはその膨らんだ玄力が流れ込まないように調整する必要がある。その実験のために、シャルの超再生な肉体が必要なのだ。

シャルの腓腹筋や靱帯、僧帽筋を削り落とし、雫天石に注入するシーンが描かれる。シャルを人として扱わず、素材を生み出してくれる便利なものとしか思っていないことが良く分かる。

この狂人を討伐しなければならない――神奈備も重い腰を上げた。対刳雲特選部隊が編成され、彼らと双城の戦いが幕を開けた。

 

妖刀の力の源である雫天石は自然の産物 言葉では説明しきれない部分もある……だから理論的な際限なんてのはな… 持ち主に依って幾らでも変貌し得る

国重の言葉だ。

これにより理屈を越えた成長、もとい覚醒が、理屈上起こり得ることになった。こうして大幅な成長を遂げたチヒロの技がめちゃくちゃカッコいい。そこまでで苦労していた相手が、あっさりと死んでいく。

この辺りの描き方やテンポが、個人的に心地よく思う。圧倒的な実力差を描くこと、それにより苦労していた相手を越えていくテンポ感が丁度良い。そして話の世界観も大きくなっていく。

カグラバチの魅力が詰まった第二巻だった。

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