工大生のメモ帳

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【漫画】カワセミさんの釣りごはん 感想

【前:な し】【第一巻】【次:第二巻】

※ネタバレをしないように書いています。

川釣りへ友達と

情報

作者:匡乃下キヨマサ

試し読み:カワセミさんの釣りごはん 1

ざっくりあらすじ

親の仕事の都合で田舎の高校に転校することになったカワセミは、持ち前の人見知りでぼっちとなった。そんな彼女を半ば強引に連れ出して、川釣りに参加させてきたミサゴ。二人の距離は次第に近づいていって……

感想などなど

田舎には山が近いか、海が近いの二種類があると思う。ちなみにブログ主のいた地域は山も近いし海も近いという中々贅沢な環境であった。となると川釣りをした経験はあるはずなのだが、どうにも詳細な記憶に欠ける。釣り竿を借りられるサービスがあったように思うのだが、親に聞いたら、そんなものはなかったらしい。

そんなことはさておいて。皆さんは川釣りにどのような印象を抱いているだろうか?

川釣りを趣味としてる見た目金髪ヤンキーな女子高生ミサゴは、周囲にうっかり川釣り趣味を告げると、「……えっ釣り……?」と嫌な顔をされるらしい。悲しい。趣味に貴賤はないというのに。

そもそも釣りに対して良い印象を抱いていないのではないだろうか。釣り竿の値段は決して安くない(ピンキリだが)。釣りをする格好は可愛らしいとは言い難いだろう。生臭い魚を鷲摑みしている絵面はマニア受けしそうである。川釣りの場合に使う餌は虫であるらしく、それも嫌な顔をされる要因になっているかもしれない。

だがそんな嫌なところばかりではなく、川釣りには多くの醍醐味というものがある。それを川釣りになれているミサゴが教えてくれるというのは勿論、これからどっぷりと釣りに嵌まっていくカワサギもまた違った視点で教えてくれる。

川釣りに半ば無理矢理つれてこられたカワサギが、徐々に釣りに嵌まっていき、持ち前の(引かれるほどの)料理に対する熱意が発揮され、ただの川魚がお洒落なキャンプ飯に大変身。口下手で人見知りなカワサギが、料理のこととなると饒舌になり性格も変わってしまうのも見所の一つだ。

そういえば、そもそも作品名に釣りご飯ってついてたな……と読みながら思い出す作品である。

 

釣りの醍醐味の一番は、釣った魚はすぐ食えるという説を提唱したい。釣った魚を適当に焼くしか能のなかったミサゴ。そんな無人島生活みたいな料理が、薄暗い所に一人で行くのが恐いからという理由で連れてきたカワサギにより極上の一品へと変わっていく。

第一話ではヤマメを釣り上げる。警戒心の高いヤマメを釣るための先人達の知恵や工夫が語られ、「虫じゃなくてイクラでも魚釣れるんだ……」とか「ヤマメは鱗が少ない」とかニッチな場面で役に立ちそうな知識ばかり蓄積されていく。そして苦労を重ねて出来上がるヤマメを使ったアウトドア料理は食欲をそそる。

第二話ではカワサギがミサゴの家に釣り道具やアウトドア料理キットを見に行くエピソード。そしてたまたま居合わせたキロ二千円もする高級魚カサゴを料理する機会に恵まれ、他人の家のキッチンで急に始まるカサゴ調理。『肉や魚を煮る場合に施す霜降り処理』を学んだ。いつか鍋でもする時に使おうと思う。

第三話ではニジマス釣り。冒頭で釣りをする格好は可愛くない、などと宣ったが訂正したい。段々と可愛く見えてくる(可愛い子は何を着ても可愛いのかもしれない)。このニジマス釣りではかなり人物達の動きが描かれており、魚を釣るための一挙一動が分かるようになっていたように感じる。そこから繋がって、料理をする動きを中心として描いて言うような気がする。

第四話は釣りの醍醐味の一つである買い物。バイトもしていない女子高生にとって、手が届かない高い物ばかり出てくるのは、読者に対して販促しているのか? そして、やっぱり釣りをする服装が似合う二人である。

第五話は一話とは対照的な内容となっている。釣りを行く予定だったはずが、熱を出して行けなくなってしまったミサゴ。そんな落ち込む彼女に変わって、たった一人で川釣りに出かけて魚を釣って料理をしてあげようと悪戦苦闘するカワサギのエピソードとなっている。これまでのエピソードで培った知識を駆使して、たった一人で川に挑む戦いの結末は如何に。

釣りの魅力を堪能できることも当然だが、パロネタが各所に入れられていたり、時折挟まるカワサギとミサゴのデフォルメの可愛らしさも相まって飽きない作りとなっている。とても見やすい漫画であった。

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