※ネタバレをしないように書いています。
川釣りへ友達と
情報
作者:匡乃下キヨマサ
試し読み:カワセミさんの釣りごはん : 3
ざっくりあらすじ
魚取兄妹達とキャンプに行ったり、ヤマメ釣りに行ったり、釣り三昧の夏を過ごすカワセミとミサゴの日常。
感想などなど
一巻を読み返して見ると、やっぱり酷いファーストコンタクトだったと再認識させられる。一巻を読み返すことになったのは、この第三巻の冒頭が二人の出会いを彷彿とさせるような内容だったからだ。
ミサゴのバイクの後ろにカワセミが捕まって、舗装されていない道を突き進む。着いた川で、ヤマメ釣りを始める。使うエサはミミズ……はカワセミが嫌がって、イクラを使う。アクロバットな動きと、妙に荒い口調のカワセミを見ることができるのは、彼女に心を開かせたミサゴの特権である。
出会った頃と違うのは、そんな風に互いに心を開かせているという点だろう。釣りに行くまでの過程で食べた饅頭について感想を言い合う二人。魚の種類にすっかり詳しくなったカワセミと、彼女の料理に協力してくれるミサゴの関係性は見慣れたものとなってしまった。
しかし、まだまだ互いに知らない相手の表情がある。ミサゴは釣りに真剣な表情だけでなく、美味しそうに料理を食べている姿も魅力的だ。髪を結んでもらった姿も、下ろした姿もどちらも違った魅力がある。
カワセミだって暗くてあまり話さないと思われがちだが、実際は軽口も叩ける料理が得意な少女だ。そんな魅力を知っているのはミサゴ……と魚取兄妹と釣具店メンバーと……あれ、意外と知ってる……?
ただ彼女が二人きりで釣りに行って居心地が良いと思える相手は、この世界でミサゴたった一人なのではないだろうか。元々は交わることのなかった二人が、こういう関係性を築くまでそれほど時間はかからなかったように思うが、皆さんはどう思うだろうか?
ヤマメ釣りの後は、魚取三兄妹に混じってキャンプへと行くことになったカワセミ。キャンプと聞いてイメージするのは、テントを立てて、寝袋で眠るような光景だが、今回はコテージを借りて過ごすらしい。
コテージ……この言葉の響きに憧れるのは自分だけではないだろう。木々に囲われたような非日常感のあるウッドハウスで、心許した仲間達と夜まで語り合いながら過ごす休日はきっと最高だろう。
まぁ、魚取家長男と次女は酒を飲み続ける未来が想像できたし、実際そうなる。この人達酒つえぇなと一社会人であるブログ主は感心しつつ、酒を飲んでいたら美味い料理を作ってくれるカワセミちゃんは神様と敬う彼・彼女の気持ちが良く分かると一人うなづいていた。
キャンプで忘れてはいけないのは料理だろう。カップ麺にお湯を注ぐだけでは面白くない。カワセミが工夫を凝らした料理の数々がこれまた美味そうで、しかも釣りたての魚という贅沢がこれまた……あぁ、腹減ってきた。
そんなキャンプの醍醐味である料理の魅力が詰まっているエピソードだった。
感想に書き切れないくらい、この漫画には小ネタが詰まっている。個人的に好きな小ネタは、現代文の教師でもある魚取姉が語ってくれる福岡のラーメンの話だ。ラーメンはかなり好きな方だと思っていたが、知らない話も混じっていたので普通にタメになったくらいだ。
そもそもなんでラーメンの話になったんだ? と聞かれても……あれ、何でや? という感じではあるのだが。今後、ラーメン巡りが始まるフラグかもしれない。
他にも小ネタはたくさんあるので、感想であらすじを追うだけでなく、コマの隅々まで読むべき漫画なので是非とも買って読んで欲しい。