工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

ガーリー・エアフォースⅧ 感想

【前:第七巻】【第一巻】【次:第九巻
作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

選択を迫られる。

情報

作者:夏海公司

イラスト:遠坂あさぎ

ざっくりあらすじ 

ザイの正体とグリペンの不遇な運命を知った慧。

彼は、彼女をその運命から解放するため、戦うことを放棄することを決意する。

一方慧とグリペンを失った面々は、ザイとの戦いに苦労して……。

感想などなど

前回(ガーリー・エアフォースⅦ)はこれまで散りばめられてきた数多くの謎が、一気に回収されてきました。ちょこちょこと回収されていくのかな、と思っていたのですが、まさかの一巻で全部回収されるという。

とりあえず簡単に説明をしておきましょう。では、まずザイの正体から。

結論から言ってしまえば「未来で作られた自浄作用」です。人類に侵攻してきたのは「人類の数を減らして地球を守るため」であり、今の技術では到底真似できない戦闘機は「未来の技術が利用されているため」。

まぁ、ここまでは予測できた人もいるのではないでしょうか。ザイが人類のために行動していた(あくまで未来の人類のためでありますが)ことは、度々描写されていました。

では次にグリペンの正体について。

グリペンは他のアニマ達とは大きく違っています。慧がいなければ空を飛ぶことができないことや、不思議空間(ザイの夢? 死後の世界?)に登場するグリペンの意味深な発言から、それは分かります。

そんな彼女の正体は「ザイを無限ループさせるために未来と過去を行き来する存在」でした。中々分かりにくいですが、「ザイを未来に飛ばし、そのザイをまた過去に飛ばすことを繰り返せば、永遠に人類が滅ぼされることはないんじゃね?」ということです。

……まぁ、ループしてるという理解で大丈夫です。

 

八巻では、「過去のグリペンが、今の時間軸にザイを飛ばすまでの物語」でした。

今まで一巻から七巻までのお話は「今のグリペンが、過去の時間軸にザイを飛ばすべく行動する物語」ということになります。

グリペンはこれを何度も繰り返していくことで、人類がザイに侵攻されることを防いでいたのです。

しかし、これはあまりに不毛です。なんせグリペンは永遠に、このループを繰り返さなければいけないのですから。

ループから抜けるためには、ザイを滅ぼさなければいけません(現状ではこれしか解決策が思いつかない……)。しかし、これまでの戦いから分かって貰えた通り、ザイと人類の間には、絶望的な戦闘力の差があります。

これまでもループしてきて何度も、ザイを倒すべく行動はしてきたのでしょう。それでも勝てないからこそ、グリペンはループさせるという道を選んだのです。

今回も同じ道を辿るのでしょうか……。

 

先ほどループからの抜け方に関して「ザイを滅ぼさなければいけない」と言いましたが、実はもう一つループを抜ける方法があります。人類を守ることを諦めればいいのです。

グリペンの正体を知り、ループを抜ける方法に気がついた慧は、もう二度と戦わないという選択をしました。なんせグリペンは慧と一緒でなければ、空を飛ぶことができないのです。となると今のザイを過去に飛ばしてループさせることができません。

そこらへんのループさせ方に関しては、未来から送られてきたザイの技術を利用しているそうですが、正直自分もよく分かっていないので、本編を確認して下さい。

しかし、その救うことを諦める選択はこれまで共に戦って来た仲間達が、人類を守るべく戦っていることを無視するということを意味します。

世界を救うことを放棄し、ただ一人グリペンを守る……。

さて、世界はどうなるのだろうか。

 

世界がこのまま救われて、ザイが撲滅されたのであれば、これほど楽な話はありません。当然と言いますか、ザイの侵攻はさらに激しくなっていきます。

ファントムが撃墜され、守り切れないと判断された街の人々は疎開させられていきます。未だザイと戦い続ける元仲間達からの厳しい視線もありました。

それでも慧は空に戻ろうとはしません。

果たしてこの世界はどうなってしまうのか。世界の命運は慧とグリペンの二人に託されています。

しかし、世界を守ろうとするとグリペンがループを続けることになり、ループから外れようとすると人類はほとんど死んでしまうことでしょう。

どちらをとってもハッピーエンドとは言えません。果たして本当の意味でのハッピーエンドはないのでしょうか。

ここならはハッピーエンドを追い求める物語が始まっていきます。長い長いプロローグでした。

【前:第七巻】【第一巻】【次:第九巻
作品リスト