工大生のメモ帳

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ゴスロリ卓球2 感想

【前:第一巻】【第一巻】【次:第三巻】

※ネタバレをしないように書いています。

賭け事×卓球×ゴスロリ

情報

作者:蒼山サグ

イラスト:マナカッコワライ

試し読み:ゴスロリ卓球 2

ざっくりあらすじ

斎木羽麗の父親を追って、多額の借金を背負うことで強制卓球訓練施設に堕とされた羽麗と修。しかし、父親はすでに施設を脱出していたことが分かったため、先に堕ちていた梓と共に脱出を試みるが、そこにカースト上位の双子姉妹が立ち塞がる。

感想などなど

ゴスロリ卓球第一巻は、まさかの負けによる幕引きであった。結果として羽麗と修の二人は莫大な借金を背負うことになった。しかし、それは羽麗の父を追うために仕掛けた賭けだったのだ。

この第二巻では、返せない程の借金を背負ったものが行き着く地獄――強制卓球訓練施設での戦いとなる。

雰囲気としては賭博黙示録カイジにて、兵藤に負けてカイジが堕とされた地下帝国のような閉鎖空間(といっても卓球の設備が整っている点などかなり違うが)を想像してもらえばいい。そこで卓球勝負を仕掛けたり、特殊な訓練を受けることで『EC(Elect Coin)』を集めることができる。集めたECは食事や洗濯、入浴といった快適な生活を送るたえの費用としての使い道や、よりよい卓球用品の購入に充てたりすることに使われる。

また、相互評価システムによって決まる名声ポイントというものがあり、これが低ければ誰にも卓球勝負をしてもらえなくなったりするデメリットがあるようだ。

そして一番重要な要素。ECが0になった場合、この施設から強制退場させられてしまう。二人より先に施設送りにされてた梓は語る。男は労働施設送り、若い女性は慰み者に……。

そんな場所に来たのも、全ては父を救うため。だが、そんな二人の作戦を裏切るように、父は既に強制卓球訓練施設を抜け出してしまったようだ。

二人は父を探すという目的から、施設を脱出するという目的にシフトされ、脱出の手がかりを探し始める。

 

ここで生き抜くためには、ただ卓球が強いというだけでは意味がない。そもそも卓球勝負をするために、ある程度のECを貯める必要があった。なぜなら勝負をするためには、BETするための資金がなければ相手に旨味がないために勝負を受けてくれないからだ。

この世界、基本的に新人に対して厳し過ぎる。

修は類い希な分析能力と、それなりに優秀な頭脳がある。それに比べて羽麗はどうだろう。彼女から修に対する重すぎる愛に苛まれつつも、何とか資金を貯めて、卓球勝負ができるまでに漕ぎ着けた。

だが、スポーツには単純な実力だけでは測れない勝負がある。

せっかく二人きりだというのに、修とあまり一緒にいられなかったと不機嫌な羽麗。ダ出するために色々と動いていた修。両者に生まれた亀裂は、それなりに深かったらしい。いつもなら返せていた球に追いつけない。明らかに不調な彼女。その原因が分からない鈍い男。

そうして追い詰められ、彼らは一世一代の賭けに出るしかなくなった。

そこで戦いを挑むは、この地下施設において上位カーストに君臨する双子姉妹。互いにプレイヤーでありトレーダーという異質なコンビは、それぞれが利き腕と得意技が違うことと、卓球の試合中にプレイヤーとトレ-ダーが入れ替わっても問題ないというルールを利用し、交互に姉妹で入れ替わりながら試合をすることで相手を翻弄。それにより、これまで安定した勝ちを収めてきたようだ。

そんな相手に羽麗と修、そして梓はどう挑むのか?

個人的には梓が有能すぎて。うっかり彼女に惚れそうになってしまった。いやはや、どこの世界も女性は強い。

最後に二巻が出たのは2018年9月、現在(2021年7月)に至るまで三巻が出ていない。どうか続きが出て欲しいと願うばかりである。

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