※ネタバレをしないように書いています。
※これまでのネタバレを含みます。
小鬼を殺す者
情報
作者:蝸牛くも
イラスト:神無月昇
ざっくりあらすじ
エルフ、リザードマン、ドワーフ、女神官という新たな仲間ができたゴブリンスレイヤー。ある日ゴブリンスレイヤーは、名指しの依頼書を受け、五人を連れて水の都へと向かう。
感想などなど
第一巻(ゴブリンスレイヤー 感想)では、これまで一人でゴブリンを殺し続けてきたゴブリンスレイヤーに、女神官やエルフ、ドワーフにリザードマンなどの仲間ができ、牛飼娘の家に攻めてくるゴブリンの大群を蹴散らす際には、ギルドの大勢の仲間達が助太刀してくれました。
荒んだ冒険(?)の中に一つの安らぎ。気の合う、いい仲間達を得ました。
さて、これから彼らとの冒険、もといゴブリン退治の幕開けとなります。
ゴブリンスレイヤーはゴブリン以外と戦う気がさらさらありません。ゴブリンを殺すことだけに特化したある意味、業者です。そんな彼と過ごすとなれば、必然的に敵はゴブリンとなります。
美しき水の都から依頼が来たとくれば、当然ゴブリン退治の依頼。今回はどんな地獄が待ち受けているのでしょうか。
水の都。名前から想像するに美しい風景の広がる町並みを想像するでしょう。自分はアニメになりましたARIAを想像しましたが、読み進める限り豊富な水資源のある美しい街という大筋はあっているように思います。
しかし、残念なことにそんな美しい町並みを堪能する機会はあまりないようです。
仕事の依頼人は至高神の都の大司教様。かつては魔神王を倒した金等級の一人であり、剣の女神と呼ばれる英雄。
そんな最強の一角である彼女が言うには、この美しき水の都にはゴブリンがいるらしい……あぁ、やっぱりな。しかし、ゴブリンは綺麗な場所よりも小汚い場所を好むはず。この美しい水の都にはそんな場所はないように思います。
しかも、ゴブリンはしっかりと武装しているという話です。ゴブリンごときには、そのような「武装する」といった知識はありませんし、「武器や防具」といった装備品は ”誰か” に教わらなければできるようにはなりません。さらに町娘を連れ去るのではなく、惨殺しているという奇妙な行動。
これは……何か壮大な裏があるような予感がします。
と、それはさておき。ゴブリンスレイヤー御一行は大司教様にお願いされたゴブリンの掃討に向かいます。場所はどうやら水の都の地下に張り巡らされた、いわゆる上下水道。
なるほど、確かにそこならば人から見つかることもなく息を潜めることができるでしょう。一行は地下へ潜り、奥深くへと進んでいきます。
ゴブリン。何度も言うようですが、ステータス的には最弱。新米冒険者が負ける理由は、その数量差とトラップに押し切られた結果です。今回も水の都の地下でぬくぬくと過ごし、数を増やし、誰かは知りませんが知恵を授かっています。
武器防具は先ほども書きました。それに加えて、奴らは船を漕いでやって来ました。
……さらにトラップもゴブリンの知恵では到底考えつかないようなものばかり。どれもギリギリまで追い込まれエルフは(自主規制)されてしまいますが、何とか逃げ延び、ゴブリンを殲滅するため先へと歩を進めます。
ゴブリンスレイヤーが銀等級たる所以は、彼の知恵と想像力に判断力でしょう。たとえ追い込まれようとも最善手を打ちます。
そんな彼にエルフは「水攻めに炎攻めに毒攻めは駄目」と釘を刺します。まぁ、上には普通に人が住んでいるのですし、言われなくとも(きっと)やらなかっただろうと思いますが、彼の策は幾らか狭められた状態での戦い。しかし、彼はその小さな壁すらも律儀に越えてくれました。
一巻で培った仲間達との仲。それを武器にして、ゴブリンスレイヤーは今日もゴブリン退治に勤しみます。
ゴブリン退治の手に汗握る、先の読めないバトルもさることながら、裏に控える怪しい影も目が離せません。そこにはあまりに悲しくも辛い話があるのですが、それは読んでからのお話と言うことで。
エログロは一巻の方があるように思います。まぁ、一箇所かなりやばいところがありましたが……。