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【漫画】ジャンケットバンク14 感想

【前:第13巻】【第1巻】【次:第15巻

※ネタバレをしないように書いています。

鏡に答えはない

情報

作者:田中一行

試し読み:ジャンケットバンク 14

ざっくりあらすじ

解任戦に勝利することで防衛に成功した宇佐美班は、すぐさま反撃に転じ、主任解任戦を挑む。伊藤からの提案で団体戦となった解任戦の第一回戦は、タッグバトルで――。

感想などなど

今は未来から見た過去ではない

やっぱり成長には価値があるな

たとえ今日が最期の日でも

ゲームのルール、即ち世界を疑ってガラスの部屋から脱出した真経津に対し、死が確定して、その最期の瞬間まで学び成長した男・眞鍋。彼は有言実行し、最期の最期まで学び成長した。

彼の最期のシーンはあまりに美しい。ここで死んで欲しくないと思うくらいには。

しかし敗北を経験し、死を覚悟する瞬間でなければ、このような気づきを得て成長を遂げることはなかっただろうと思う。となると死を持って完成するキャラクターだったとも言える。

いいんだ

君たちにはたくさんのマルがついている

幸せになってください

ゲーム「シヴァリング・ファイア」は、確実に相手を○して勝とうとした場合、絶対に無限ループすることが求められるのはクソゲーだったと思う。両者とも死ぬ可能性を極限まで高く、1ヘッドにまで登り詰めた実力者でしか成立しないゲーム性……1ヘッドのゲームは1回しか使わない。

そんな中、最もゲームが面白い展開となるには、この二人でなければなかったと思う。この二人に対してこのゲームを選定した者に拍手を送りたい。

第14巻ではゲームの後片付けのような話になっている。

例えば。

1ヘッド戦で勝利した真経津にはヘックスメダルが与えられる。これは銀行が用意した特権を購入することができる報酬である。当然、特権を購入しないかという営業が、真経津の元にやって来た。

しかし真経津は、営業が提示した特権のカタログすら見なかった。

それは真経津という男の狂気であり、誰も彼を制御することができないことを分かりやすく教えてくれている。1ヘッドには求めているものがあったという真経津の発言も思い出される。そんな彼の狂気を理解し、心酔している男・御手洗の狂気もまた、さらに浮き彫りになっていく。

御手洗と真経津の出会いは偶然だったかもしれない。それすらも疑ってしまうような二人の奇怪な関係性。この物語の行方が気になってしまう。

とはいえ、そんな彼らはしばしのお休み。次のゲームへと進んでいく。

 

忘れがちだし、そもそも感想を書くに当たっては記載していなかったが、そもそもこのゲームが成立したのは伊藤班が宇佐美班に解任戦を挑んだことがきっかけだ。それに真経津が勝利して、防衛が成立したというのが今の状況である。

解任戦で敗北した場合、再度挑むことは一ヶ月の間だけ出来なくなる。つまり宇佐美班としては、その "一ヶ月" の間に準備して次の戦いへ望むことができる……これが素人考えだ。逆説的に考えて、その一ヶ月の間に伊藤班もまた、準備することができるということまで想像するのができる男だ。

宇佐美主任はその伊藤班の準備させる期間を封じ、解任戦を申し込んだ。しかもお互いの主任の首を直接賭けた戦いを。その上、ルールは団体戦。1/2ライフのギャンブラー3人をぶつけ合い、それぞれの勝利数に応じて、最終1ヘッド戦で有利になるような条件が加わっていくというものだ。

そんな宇佐美班の今後を賭けた団体戦、一回線はなんとタッグバトル。面白いことにそのメンバーは、村雨礼二&天堂弓彦のコンビである。神から最も遠そうな医者と、神を自称する善人のコンビは、果たして仲良くできるのだろうか……。

そんな凸凹コンビに相対するは、「お客様は神様です」をモットーに掲げるチェーンレストランの店長「ジョイキッチン」代表取締役・牙頭猛晴と、どんな犯罪者も無罪にするが悪人を許さない弁護士・漆原伊月の幼馴染みコンビ。仲の良さは間違いなく村雨&天堂コンビに勝っている。

そんな両コンビは共に、「今日の勝負に勝てるか」を尋ねられている。

伊藤班のコンビ・牙頭&漆原は下記のように答えている。

どうだろうな

勝負に絶対はねぇ

世の中にはヤベぇ奴らがウヨウヨいる

彼らは自身の弱みも理解している。しかも上記の考えは二人の間で共通している。

対する宇佐美班のコンビ・村雨&天堂は、下記のように答えている。

100%勝つ

崇高な神の意志の前では人の子の力など及ばぬが道理

彼らは自身の力に絶対的な自信を持っている。

このようにコンビは何もかもが真逆のように思える。戦いに挑む上でのスタンスや考え方、それまで歩んできた人生までもが。そんなコンビが挑むゲームは、「ピーキー・ピッグ・パレス」。

 

ゲームは童謡「三匹の子豚」をモチーフにしており、それぞれのプレイヤー(今回は4人)が最初に持っていた5匹のブタを失うまでゲームは続く。そんなブタを賭けたゲームに使うカードは、下記の4種類だ。

  • 藁の家のブタ(グレード1)
  • 木の家のブタ(グレード2)
  • レンガの家のブタ(グレード3=インビンシブル)

まず上記のカードの中から指定したカードを場に出す「建築フェイズ」からスタートする。それぞれがカードを場に出し終えた後は、「襲撃フェーズ」へと移行する。

狼を場に出した場合、2つの選択肢がある(逆にこの2つの選択肢のいずれかしかできず、他の行動――例えば「何も攻撃しない」といったことはできない)。

1つ目の選択肢としては、場に提示された「ブタの家」の中から最もグレードが低い家を攻撃し、相手のブタを奪うことができる。最終的には6匹のブタを奪うことで勝利となる。しかし、レンガの家は攻撃することができない。

2つ目の選択肢としては、場に提示された「狼」を指定することができる。指定された狼は、他の家を攻撃するように選択していたとしても、怯えて行動することができずブタを奪うことに失敗する。

特殊な状況として、次の3ケースが想定される。

1つ目のケースは、狼を場に出していていながら、他の家が全て「レンガの家のブタ」だったケース。つまりは狼が襲撃できる家がなかった時、狼は混乱し、自身が持つブタを二匹食い殺してしまう。

2つ目のケースは、狼が場に不在のケース。この場合は襲撃が発生しない。いわゆる "あいこ" である。

3つ目のケースは、狼が一匹と三種類の家が存在するケース。この場合、狼がブタの仲の良さに感動(?)し襲撃が発生しない。これもいわゆる "あいこ" となる。

これを繰り返し、六匹のブタを集めたプレイヤーのいるコンビが勝利となる。ちなみに最初に持っていた五匹のブタを失ったプレイヤーは、部屋の酸素濃度が6%になって○亡。

ここまで書いておいて何だが、文章で説明するには難しすぎるゲームだ。詳細は読んで確認して欲しいし、ゲーム「シヴァリング・ファイア」で学んだ通り、プレイヤーがいる空間の描写などもゲームのルールを理解する上で大事なことは分かった。

是非とも細かなところまで読んで楽しんで欲しい。

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