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【漫画】ジョジョリオン16 感想

【前:第十五巻】【第一巻】【次:第十七巻】
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※ネタバレをしないように書いています。

「呪い」を解く物語

情報

作者:荒木飛呂彦

出版:集英社

試し読み:ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 16

ざっくりあらすじ

無関係な人々を巻き込んで攻撃をしかけてきた岩人間ドミロテ。敵の居場所を特定するために定助は康穂に助けを求めたが、常敏に阻止されてしまう。果たして「植物鑑定人」に会うことはできるのか?

感想などなど

ドミロテのスタンド「ブルーハワイ」により、杜王町には尋常ならざる被害が出た。子供が轢かれて、婦人が身体中がぐちゃぐちゃになりつつ、金網に突っ込んでサイコロステーキみたいになってしまった人もいる。一番最初の少年を見る限り、一度ゾンビのようになってしまっても能力が解除されれば元に戻るようだが、決して無事ではいられないだろう。

しかも、このゾンビによる攻撃の射程距離は少なくとも街の全域に及ぶ。街の外に出たとしても逃げ切れるかどうか。

しかも。

この攻撃によりゾンビ化するのは人だけではないらしい。タクシーに乗り込んで走り去る定助の頭上に、鳥が激突してきたのだ。そこから命からがら逃げ延びたかと思えば、次にゾンビと化したのはハエである。

頼みの綱である康穂が常敏に攻撃された第十五巻のラスト、敵の居場所を特定するための手がかりは奪われてしまった。

もう勝てない……敵が厄介すぎた。

とはいっても、こちらの仲間もチート級の能力だったんだよなぁ……と思わされる幕引きだった。そのチート仲間というのは康穂のことなのだが、彼女が颯爽と現れて「地図を調べるのが一番好き」とか言いながらドミロテを追い詰めていくシーンは痺れるものがあった。

ジョジョシリーズの女性陣は強者ばかりだが、その中でも彼女はかなり上位に来る気がする。

 

そんな戦いを経て、語られるは常敏の過去。彼はロカカカの実の密輸や、岩人間達の資金洗浄などに加担し、東方家を裏切る悪い人のように描かれている(実際そうなのだが)。

しかし、彼には自身の息子・つるぎの病を治したいという目的があり、東方ふるうつ屋をより繁盛させて大きくしたいという思いもあった。それらは決して東方家を裏切ろうとかそういった意思はない。全ては東方家の未来のためだと信じて疑わない。

さて、そんな彼の過去はなかなかに壮絶だった。

東方花都という憲介の元妻にして常敏の母親は、殺人罪で十五年の刑で服役していた。

東方家の長男は代々、病で十五才以上生きることができないとされてきた。しかし、常敏は生きている。

この上記二つの事実を繋げて、想像して欲しい。呪いのような病に罹っても生きていくために、代々の東方家はどんな手段を取ってきたのだろう。東方憲介も代々の方法と同じ策をとるつもりだと語った。その策とは一体なにか。

常敏の過去が暴かれると同時に、この家の秘密もつまびらかにされていく。ジョジョリオンは謎多いシリーズであるが、こうして謎が確実に解き明かされていくと楽しくなってくる。

とても重要な情報が多い話であった。

 

さて、時間は今に戻ってくる。もともと「植物鑑定人」に会うために、憲介さんに教えて貰った場所へと向かっていた定助は、その道中でまさかの人物に遭遇する。

何を隠そう、その会いたかった植物鑑定人・豆鉄礼が走っているバスに乗り込んできたのだ。

「君はわたしのことを敵にしゃべってしまったようだが……すでにあいつらがオレの所に来た」

……おそらく岩人間でスタンド能力者だろうが、そいつらから逃げ出したということは、彼もまたスタンド能力者であった。

スタンドは「ドギー・スタイル」。「身体をワイヤー・ロープ状にして伸ばすことができる。伸ばしたら伸ばした分だけ身体が欠けた状態になる」という六部の徐倫と少し似た能力のようだ。

シンプルな能力は強いとされるが、彼もまた例外ではない。その能力の汎用性や便利さはかなりのものだ。シャボン玉を飛ばすってなんやねん、という気持ちになる。それにしても、これまで岩人間を何人も破壊してきた定助に、チートスタンド「ペイズリーパーク」の康穂、汎用性の高い豆鉄礼と役者は揃った。これで岩人間にも勝ったな。

と思ったが甘い。

敵は触れればほぼ勝ちという厄介過ぎる能力の持ち主であった。スタンドは本人の心が反映されるようだが、岩人間達は一体どんな心しとるんだと心配になる。

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