※ネタバレをしないように書いています。
「呪い」を解く物語
情報
作者:荒木飛呂彦
出版:集英社
ざっくりあらすじ
盲目の妹・大弥に、康穂の記憶を奪われた定助。そこからさらに追い込まれ、スタンド『ソフト&ウェット』の記憶までも奪われてしまう。
感想などなど
第二巻、大弥と定助のスタンドバトルは何もできぬまま終わってしまった。ただ影を踏ませれば勝ち、しかも相手は盲目という絶対的有利とも思える状況にも関わらず、だ。
次々と奪われていく記憶――康穂のことしかり、見覚えのある印のこともしかり。このまま行けば、彼の予想通り、手がかりを全て失ってしまうことになる。大弥に奪う記憶の選択はできないようだが、いずれスタンドの記憶を奪われてしまうことも懸念しなくてはいけない。最悪、その記憶を破壊されてしまえば、もうそれはなかったものとなってしまう。
そんな最悪な予想というのは大抵当たる。
日常生活の中で、何とか影を踏ませようとする定助。しかし大弥は油断せず、影を踏ませようとする行為を看破してくる。あと少し、あと少し動けば影を踏む! という状況で、大弥は動きを止めて定助に問いかけるのだ。「何をしているのぉ?」と。
そして抜かれる記憶は『スタンド使い』としての記憶。ソフト&ウェットというシャボン玉を飛ばして何かを奪うという力を持っていたという記憶、それに伴いスタンドの使い方に至るまでスタンドに関連することは全て失われた。
もう負けたか?
という絶望的な状況から捲り上げていく展開は、ジョジョのスタンドバトルらしい頭脳戦となっている。大弥が盲目であるという点、大弥が康穂と定助の関係に嫉妬のような感情を覚えているという点など全てが噛み合っていく勝負であった。
さて、勝負の結果、記憶の片隅にある印があった二階へと赴いた定助。そこで出てくるのは血筋の話。なんと吉良吉影は東方家の遠い親戚であり、吉影はジョースター家の子孫であるというのだ(ちなみに叔母がスージーQである。懐かしい名前)。さらにスティール・ボール・ランの話まで関わってくることが判明。
しかし、やはり定助の正体についてはよく分からない。とりあえず吉良吉影の母であるホリー・ジョースターの話を聞くことに。康穂の調査により、現在大学の病院に入院しているところまで突き止めた。
となると当然、大学に行って話を聞こう! ということになるのだが、大学へ向かうその道中にスタンド攻撃を受けて、スタンドバトルへと移行していく。
その敵は神出鬼没であった。
携帯のナビに習って病院へと向かう定助は、ナビが全くのデタラメであることに気付く。そこでナビに逆らって道を進もうとしたその時、突如として黒ずくめのライダーが現れた。直接何かをされたということはないが、そのライダーが通り過ぎた後に、看板が頭上から降ってきたり、足を滑らせて階段から落ちそうになったり……これがスタンド攻撃だと気付くも、いつ現れるか分からぬ敵に、相変わらず意味不明なナビに翻弄される。
敵のスタンドは一体どんな能力か?
考えながら読み進め、謎だけ残した状態で第三巻は終わっていく。