※ネタバレをしないように書いています。
命を賭けたソーシャルゲーム
情報
作者:FLIPFLOPs
試し読み:ダーウィンズゲーム 2
ざっくりあらすじ
何も分からないまま殺人ゲームに巻き込まれたカナメは、ゲームの情報を聞き出すために【無敗の女王】シュカと対面するが――
感想などなど
透明になるシギル(=超能力)を持ったパンダ男に、運を味方につけて勝利を収め、なんか良く分からないポイントをたくさん貰ったカナメ。とりあえず第一巻で分かったこっといえば、能力を駆使して殺し合うデスゲームということ。
とはいえ分からないことが多すぎる。シギルというフレーズは神視点である読者だからこそ分かっているが、カナメは良く分かってない。そもそも第一巻時点ではカナルは何も能力を使っていない。
分からないことがあまりにも多すぎるこの状況において、情報をくれるという何者かは、怪しいとはいえ頼らざるを得ない。カナメにとっては何よりも情報が欲しい。しかし、そう簡単に情報が得られるとは思っていないのが、カナメの賢しい部分である。
カナメが向かったのはシュカ指定された廃工場。
そしてそこにいたシュカは意外にも美少女。第一巻にはチラリと出ていたが、ツインテールとゴスロリ系のドレス、時折の「にゃあ」という語尾。【無敗の女王】という二つ名に似つかわしいんだか良く分からない。
そんな彼女に一つだけ質問に答えて上げると言われたカナメは、まず「ゲームを辞める方法」を聞く。しかしそれについては第一巻にてチャット上で答えており、その時と変わらず、「そんな方法はない」というのがシュカの解答だった。
デスゲームでは良くあることだが、カナメにはそんなお約束知ったことではない。
そんなはずはないだろうとキレるカナメだが、シュカとしてはそれ以上の答える意味はないらしい。生き残るには勝って殺せば良い、実にシンプルだ。そして次にカナメは「敵に襲われない方法」を尋ねる。その方法はあるらしいが、それに答えるには「カナメのシギルを教えてくれる」ことが条件であるようだ。
シギル……シュカ曰く「蛇に与えられる進化のこと」を指すらしい。まぁ、シギルの漢字は異能と書くようだから、そのまま超能力と思って差し支えないだろう。ここで疑問なのはカナメはシギルが何なのか分かっていないことだ。
どうやらアプリ上に名前が表示されて、その使い方諸々も自然と分かるようなのだが、カナメにはそれがない。この異様さはゲームの仕様なのか、バグなのか。これから先、その辺りも明かされていくのだろうか。
この漫画の主人公であるカナメは、とっさの洞察力と発想、観察力がずば抜けている。シュカは【無敗の女王】と呼ばれるだけあって、それまでの戦闘経験値はかなりのものであることが窺い知れ、能力についてもかなり強い。
能力の詳細が明かされることは先のことのようなのでここでは割愛するが、鉄製の鎖を操作し、鉄製の扉を容易くひしゃげさせる威力を与えるのは、かなりの脅威だろう。適当に振り回しているだけでも順当に強いはずだ。
そんな彼女を相手取って、ほぼ生身で戦いを挑んだカナメの胆力。そして逆境をひっくり返す発想は目を見張るものがある。
たまに主人公が勝つ意味が分からない、要はただの主人公補正という名の運だけで勝つことがある。第一巻でのパンダ男は運勝ちだったかもしれないが、シュカとの戦いは真っ当な実力で勝利した。
おそらくだが同じ状況で十回戦えば十回勝つ。それくらい順当な勝ちだった。この辺りの説得力が、この漫画の上手いところのように感じる。
ダーウィンズゲームとは何か?
この核に迫りたいところだが、このミステリ部分については不思議な失踪などを操作する警察官がやってくれるらしい。ダーウィンズゲームで死んだ人はその死体すら残らず消えてしまうことは、パンダ男の一件で身をもって知っている。
つまり警察としては捜査しにくい事件であるし、能力で殺し合うなんて想像の範疇を超えているだろう。しかしながら不可思議な失踪などから情報を精査し、ダーウィンズゲームに近づきつつある警察官がいるということが描かれていく。
そんな彼らの動きなんて気にせず、カナメとシュカはゲームを生き残っていくための行動を開始……という矢先にゲーム内のイベントが開催される。その名も『宝探しゲーム』。
第二巻の終盤から早速始まっていくイベントは、殺し合いを加速させるような性格の悪い内容になるのだが、このゲームに倫理観を求めるには遅すぎる。ゲームを追う警察、自分なりの正義で動くカナメ、彼を中心に集まりつつあるそれぞれ独自の理念を持って戦うプレイヤー達。
とても見所の多い漫画であった。