※ネタバレをしないように書いています。
命を賭けたソーシャルゲーム
情報
作者:FLIPFLOPs
試し読み:ダーウィンズゲーム 3
ざっくりあらすじ
渋谷を舞台に突如として始まった300人のプレイヤーによるバトルロイヤル。スタート地点であるビルから脱出するために、解析屋・レインと共に行動を開始するが、花屋というプレイヤーが仕掛けた罠によって阻まれてしまう!
感想などなど
無敗の女王・シュカに土をつけてやったら愛されることとなって家族(ギルド)を組もうという話になった第二巻。身体の使い方などはド素人でありながら、まだ本人も良く分かっていないシギルを駆使して、センスのみで相手を無力化していく男・カナメは、第三巻でも関わりたくない危険に巻き込まれていく。
オンラインゲームにはイベントというものが付き物だ。ガチャがあるようなゲームならばイベント限定のキャラ登場であったり、イベント期間限定のステージが出現してクリアしたら限定キャラが貰えたりというように、イベントに参加することによる特典があるものだ。
ここで忘れてはいけないのは、あくまでイベント参加は任意であるということ。
そもそもオンラインゲーム自体が遊びであるし、始めるのも自由であれば、辞めるのだって自由。言うまでもなくイベント参加だって自由だ。しかしダーウィンズゲームには、そんな自由は存在しない。
イベントには選ばれた人達は強制参加。命が懸かっているゲームだというのに、ルールの文言にはゲームオーバーのフレーズが見える。
もし、ゲームがクリア出来ずに制限時間が過ぎた場合、[リング]の所有数が3個未満のプレイヤーはゲームオーバーです。
[リング]とは……? それ以外にもルールには気になる内容がある。カナメがゲームに適応していく過程も楽しみつつ、第三巻の内容を語っていきたい。
カナメ達が強制参加させられたバトルロイヤルこと宝探しのルールはシンプル。渋谷の街に散らばった宝石の入ったリングを集めるというもの。リングに嵌められた宝石に応じてポイントが割り振られており、一番ポイントの低いトパーズが100ポイント、一番高いダイヤモンドが2000ポイントとなっている。
単純に考えればこれらのリングをいっぱい集めれば勝ちだが、ここに罠がある。リングを探すには、アプリから使用することができる[異次元カメラ]というものを使う必要があるが、これは壁越しにもリングの位置が一目で分かる優れものとなっている。
つまり、大量にリングを抱え持っていれば、相手からしてみればカメラ越しに位置が丸見えということだ。せっかくイベント期間中は「プレイヤーサーチ」というアプリの機能が使えなくなっているというのに、である。
ポイントを集めたければリングをたくさん集める必要がある。たくさん集めれば、それほど他プレイヤーから見つかりやすくなる。楽にポイントを集めたい者からしてみれば、しかも強いシギルを持っているのならば、たくさんリングを持ったプレイヤーは狙うべきカモになる。
ただ闇雲にリングを集めれば良いという訳ではない。リングの管理、集める方法など考えることはたくさんあるゲームという訳だ。そんなゲームに一人で放り出されたカナメは早速窮地に陥った。
彼がいるのはホテルの一室。そこにはカナメと同じように集められたプレイヤーがいるのは当然として、そのビル全域を支配下に置いた花屋という強プレイヤーがいたのだ。彼のシギルは『植物を操る』ことができ、ビルにいたカナメとレインを除く全員を相手取って1人で完封。
建物の階段やエレベーターを植物による罠を仕掛けて完全に封鎖。残されたカナメとレインは逃げることもできず、このままジワジワと嬲り○されるのを待つだけとなった。さて、二人でこの状況をどうにかすることはできるのだろうか?
花屋の万能性の高い能力に翻弄されながら、カナメ咄嗟の機転や、レインの情報量などを駆使する戦いは見所がある。
見所はそんなカナメとレインの逃走劇だけではない。ダーウィンズゲームはカナメ以外の視点でも描かれていく。
例えば。
ダーウィンズゲームの存在に辿り着いてしまった刑事による捜査の様子、ダーウィンズゲームのイベントの勝者を予想する賭け事が行われている様子など、それぞれの視点でダーウィンズゲームの全体像が描かれていく。
知れば知るほどダーウィンズゲームを構成する不可解さが浮き彫りになっていく。
そもそもシギルとは? ゲームを運営している存在とは? 風呂敷がひたすらに広げられていきながら、カナメはゲームの中心人物へとなっていくような予感を感じさせながら突き進んでいく……そんな第三巻であった。