工大生のメモ帳

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デート・ア・ライブ 十香デッドエンド 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

デートして世界を救え

情報

作者:橘公司

イラスト:つなこ

ざっくりあらすじ

五河士道は可愛い妹に起こされ、いつも通りの日常が始まる……と思っていた。突然の衝撃波と共に跡形もなくなった街並み、クレーターになった街の一角の中心にその少女――精霊はいた。

感想などなど

アニメは三期、映画化もされた本作。名前だけは知っていながら、三期も続いているとなると手を出しにくいいと感じていました。自分のような人、多いのではないでしょうか。

しかし、完結したということでせっかくなので読んでみることに。やはり完結してくれているという事実は安心感があります。さっそく読み進めていきましょう。

 

本作で描かれている世界では、『空間震』と呼ばれる災害が世界各地で発生していた。『空間震』とは、発生原因不明、発生時期不定、被害規模不確定の爆発、振動、消失その他諸々の現象の総称である。

今回主人公の周囲で発生していく『空間震』は、消失が引き起こされ、街の一角が跡形もなく消え去っていく。しかも時間は放課後だったり、授業中だったりとバラバラ。場所も街中だったり、校舎内だったりとこちらもバラバラ。どうやら何もかもが不確定であるということは本当のよう。

しかし、妹を助ける為に向かった『空間震』発生の中心地にて。五河士道はとある少女と出会う。彼女こそが『空間震』発生の原因であり、人知を遙かに上回る力を持った精霊であった。

さて、原因は分かった。となると対策を打たねばなるまい。

ざっと考えられる手段は、『殲滅』か『対話』の二つ……それぞれについて見ていこう。

 

まずは『殲滅』について。というか、これまでずっと精霊との戦闘を繰り広げてきたようだ。『殲滅』を担っているのはASTという戦闘部隊であり、精霊と戦うための特殊な武装を開発し、精霊が現れようものなら何処からともなくやってきて攻撃を仕掛ける。

そのAST隊員の一人がクラスメイトの女子高生だと言うのだから驚きである。彼女の名は鳶一折紙、絶世の美少女であり、成績も断トツ。

といっても女子高生であることに代わりないので、精霊と戦うためには何かしらの素質というものが必要なのだろう。彼女の戦闘シーンでは、ドレスのような明らかに戦闘向きではない服装に身を包んでいる。

ここで厄介なのは、どうにも鳶一折紙は主人公である五河士道に惚れているらしいということだ。理由は……今後みっちり描いてくれるだろう。

 

次に『対話』について。たまたま精霊と話すことができてしまった五河士道。これまで散々攻撃してきたが、もしかすると説得なりできるかもしれない。

「というわけでデートして、精霊をデレさせなさい!」

……どういうわけだか知らないが、そういうことであるらしい。その精霊をおとす役目として白羽の矢がたったのが、本作の主人公である五河士道であった。

しかし彼は女性経験がない。世界の命運を賭けたナンパを成功させるための特訓に勤しむことになる。

特訓の一つ目は『ギャルゲー』。なるほど、ギャルゲーに勤しむオタク達は女性をおとすための特訓をしていた訳だ。多種多様な属性を持つ女性達と会話することで、女心を理解できるようになる……と。「可愛い妹に起こされるシチュエーション」や「女子高生と廊下の角でぶつかるシチュエーション」など、「あぁ、良くあるよね」と思わず頷いてしまうリアリティに満ちあふれた状況で、どのようにすれば相手に良い印象を与えることができるのかを考えていく。

……次はギャルゲーでの経験を生かした『実地訓練』。女子高生や女教師と健全なお付き合いを目指しトークする。その相手が三十間近で婚期を逃していたり、もう話す前からベタ惚れな鳶一折紙だったから普通に成功してしまう。もし本作で女性の落とし方を学ぼうとしている方がいるならば、彼の状況があまりに特殊すぎるとだけ説明しておこう。

 

世界を救うために精霊をデートに誘え。

個人的に発想が天才的すぎる作品だと思う。ラブコメ的要素もあり、精霊と女子高生というボーイミーツガール的要素もあり、さらには世界を救うというセカイ系的要素までも詰め込まれている。

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