※ネタバレをしないように書いています。
たかまるぅー
情報
脚本:西荻弓絵
監督:堤幸彦、加藤新、今井夏木、金子文紀
主演:戸田恵梨香、加瀬亮、福田沙紀、城田優、神木隆之介
全10話
ざっくりあらすじ
捜査一課が手に負えないと判断した超能力絡みの事件などを押しつけられる未詳事件特別対策係、通称 ”未詳” ――そこに配属された天才・当麻と、SIT出身の瀬文の2人がSPECと呼ばれる超能力者絡みの事件を解決していく。
感想などなど
人間の脳はその10%の力しか使いこなせていないらしい。残りの使えていない部分に秘められた力は謎に包まれている。しかしどうやら、その秘められた力が解放された者達がいるらしい。彼らをSPECホルダーという。
そんなSPECホルダー達は、自分たちの力を駆使して犯罪を起こす。
そんな一見すると常識では考えにくい無茶苦茶な犯罪――つまりは通常の捜査では犯罪の立証すら難しいような事件については、捜査一課では手に負えないとして当麻と瀬文がいる未詳へと押しつけられてくる……そんな話だ。
例えば。
第一話「甲の回 魔弾の射手」では、占い師に殺害を予知された代議士・五木谷春樹が、警察に警護を依頼しにやって来た。捜査一課としてはこれから殺されるかもしれないという曖昧な話に乗っかって警護するなどという余裕はない。その情報源が占いというのであれば尚更である。
という訳で、そんな面倒な案件は ”未詳” に回ってくる。当麻と瀬文の両名で、占い師が言うには殺されるらしい五木谷氏の警護をすることとなった。となってくると、現時点で一番怪しいのは占い師であると考えた瀬文は、占い師・冷泉を留置所にぶち込んで解決を図る。
この占い師・冷泉は界隈ではかなりの有名人で、占って貰うには大金とかなりの順番待ちをしなければならない程、かなりの実力者であるらしく、占いが外れたことはないのだという。そんな彼に殺されることを占われた五木谷氏が、自分が殺されることを心配するのは当然のことなのかもしれない。
そして占いによると死んでしまうと予言された五木谷グループ創立15周年記念パーティーにて、当麻と瀬文の目の前で、彼は死んでしまったのだ。さて、犯人は誰か?
占い師自身で死を占って、自分の手で殺すというのは素人考え。冷泉は囚われているため、警察が彼の鉄壁なアリバイを証明している……しかも五木谷氏の死因は病死だというし、もし毒殺したとしても毒を混入させた方法が分からないというのに。そんな完全に手詰まりな状況を、あっさりとひっくり返す当麻の推理に感服させられながら、SPECというものについて理解させられる完璧な一話だ。
この作品の魅力は世界観だと思う。
そんな世界観を構築する魅力的なキャラクター達がたくさんいる。
ダブル主人公の一人、瀬文はSITにて仲間を誤射したという疑いで異動させられた身だ。そのため未詳をめちゃくちゃ見下していて機会があればSITに戻りたいと考えるが、徐々に心を許し、元々の生真面目な性格も幸いして、当麻に協力しつつ事件を解決するために自分ができることの最善を尽くすのがカッコいい。
また、彼の誤射(実際は違うのだが)によって意識不明となった後輩のために行動しながらも、その行動によって未詳を裏切ってしまうことになるかもしれないという彼の葛藤が個人的に好きだ。とても真面目だからこそ、この決断はとても苦しんだのだろうことが伝わってくる。
個人的に印象に残っているのは第9話。とあるSPECホルダーを葬り去るために、当麻が立てた作戦を遂行するためには、彼がいなければいけなかった。とあるSPECホルダーと当麻と瀬文が相対するシーンは、殺し合いでありながら非常に美しいシーンとなっている。
一方、超天才・当麻はかなり変わった人間だ。生真面目かと言われれば絶対に違う。餃子を食べながら話を聞くし、敬語を使っているシーンは記憶にない(多分ない)。しかし事件を解決するために全力である。
当麻の推理シーン、もとい演出は一度見れば絶対に忘れることのない印象的なものだ。SPECという常識の範囲内で考えていては、絶対に捕まえることのできない相手を捕まえる策を編み出してくれるだろうという安心感がある。
彼女について個人的に印象に残っているのは最終話。醜悪で劣悪で最悪で気持ち悪い黒幕を、最後の最後は頭脳ではなく心で暴き出すのが、(賛否あるかもしれないが)個人的には好きだったりする。
他にも第一話で出てきた占い師・冷泉も好きだし、途中で出てくる「心を読むSPECホルダー」も好きだし、「病を処方するSPECホルダー」も最期の台詞が忘れられない。あまりにも印象に残るキャラクターが多く、それらのキャラクターが『SPEC』というドラマの世界観を形作っているのだ。
ブログ主は映画も全部視聴済みである。
あまり調べないで欲しいが、映画の評判はあまりよろしくない。ブログ主も映画初見時は「???????」となったので気持ちは分かる。ただドラマ『SPEC』が凄く意味深な終わり方をしたため、その正体を知りたいという意味で、必死に映画に食らいついた。
結果、『SPEC』シリーズで描かれた世界は完結したという納得はできた。ちなみにこれから『SPEC』シリーズを制覇するという覚悟が出来た方は、ドラマ『ケイゾク』を見てからにすべきだと忠告しておく。
ドラマ『ケイゾク』も素晴らしい作品であるし、これを見てから『SPEC』を見ると「お⁉」となる。一度嵌まると抜け出すのが大変になるドラマだった。