工大生のメモ帳

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ノーゲーム・ノーライフ3 感想

【前:第二巻】【第一巻】【次:第四巻】

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

世界を掴む戦いを

情報

作者 / イラスト:榎宮祐

ざっくりあらすじ

世界最強のゲーマー『  』(空白)は異世界の神によって、異世界に送られた。その世界で人類種に世界を掴ませ、神に挑むべく戦いを始める。しかし、ある日目を覚ますと、空の記憶が全員から消えていて――。

感想などなど

天翼種との『実現しりとり』に勝利し、前王の残した仕掛けを解き明かし、残してくれた情報という武器を手に入れ、獣人種との戦いを挑むだけの準備が整った……と思いきや、今回の前半は準備段階のお話となります。

……といっても何処までがネタバレなのか、判断が付きにくい部分。空の記憶を失ったステラやジブリールに白の面々が、違和感を覚え、残された手がかりを元に、「何が起こっているのか?」「行われているだろうゲームの内容とは?」と推測を重ねていく様は、是非ともネタバレを見ずに楽しんで貰いたい。

ということで、その部分に関する詳細はバッサリと割愛。後半部分である獣耳王国との戦いに関する感想を綴っていこう。

 

獣耳をモフりたいという健全な理由で、獣人種の国を手に入れるべく行動を開始した『  』の二人。実は獣人には第六感なんてなかったり、実際の武器は卓越した身体能力であり、これまで使っていたゲームは電子ゲームであったりと色々なことが判明し、勝つための策が浮かんだらしい空。前王は全くもって気付くことができなかった勝ち筋に『  』は思いついたということなのだろう。

ということで、人類種の全てと獣人種が前王から奪った国土を賭けたゲームの内容は『VRMMOシューティング』である。自分の場合、ガンゲイル・オンライン(ガンゲイル・オンラインⅠ スクワッド・ジャム 感想 - 工大生のメモ帳)を思い浮かべたが、そういったガンシューティングとはかなり毛色が異なっている。ゲームの内容を簡単に説明すると、

エネルギーを消費して『銃』や『爆弾』を使い、敵に一発でも攻撃を当てれば勝ち。エネルギーはNPCを撃つことで回復させることができる。

……というもの。ちなみに『銃』の名前は『ラブラブガン』という名前である。

他にも細かなルールとして、攻撃が当たった相手は『愛の奴隷状態』になったり、味方が相手の『愛の奴隷状態』になったとしても、味方が再度撃てば状態が解除されたり、跳弾は勢いが殺されることなく永遠に続くなど、細かな設定は作品内で丁寧に説明してくれるので分かりやすい。

それら全ての設定が上手いこと噛み合い、前巻から張り巡らされた罠が明らかとなり、これまでの行動の意味を知った際のカタルシスは相当なものです。

 

さて、本作の魅力は『伏線回収』にあると思います。正確には『  』の行動――意味がないと思えたような物から、ギャグ的要素を多分に含んだ行動も含めて、読み返すと「あぁ、こういう意味があったんだな」と納得のいくことが多いのです。

面白可笑ギャグキャラのステラや、空に忠誠を誓う天翼種・ジブリールなど個性的なキャラ達との掛け合いもテンポ良く織り込まれた本作。見逃せない展開が続く作品でした。

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