工大生のメモ帳

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【映画】ハッピー・デス・デイ 感想

※ネタバレをしないように書いています。

私が望むのは明日だけ。

情報

監督:クリストファー・ランドン

脚本:スコット・ロブデル

ざっくりあらすじ

高飛車でパリピな女子大生・ツリーは、今日もパーティで男子を物色。次の日、見知らぬ男・カーターの部屋で目覚めた。そしてその日も変わらず男漁りしていると、殺人鬼に殺されてしまい、またカーターの部屋で目覚めるのであった。

感想などなど

タイムリープものの作品は珍しくない。おそらく一つ二つ、タイムリープと聞いて思い浮かぶ作品があることだろう。

そんなタイムリープものは、あまり外れがなく面白い……とブログ主は勝手に思っているが、欠点を上げるとすれば「時系列が複雑で分かりにくい」「ラストに納得がいかない」といったような点が上げられると思う。

しかし本作はタイムリープという設定に関しては、死んだら朝に戻るというようにシンプルで、時系列も複雑に入り乱れるということもなく分かりやすい。そのためタイムリープものとして見るというよりは、同じ日を繰り返すツリーの生長物語という方がしっくりくる。

初めての死を迎えるまでのツリーは、かなり視聴者に悪い印象を与えるキャラクターとして描かれている。早朝、カーターという知らない男の部屋で目覚めた彼女は、不機嫌そうな目をして男を睨み着ける。部屋に戻るまでの道中、悪態を振りまきながら戻る様は、かなり地味だが性格の悪さが滲み出ている。

極めつけは部屋に戻り、ルームシェアしている同居人が作ってくれたカップケーキを、食べるでもなく、彼女の目の前でゴミ箱に捨てるという絶縁待ったなしの行動。

想像して欲しい。誕生日プレゼントを目の前でゴミ箱にたたき付けられたら、どう思うだろうか。

そういったことを平気でやってのける女子大生なのだ。

 

男漁りにパーティーに向かう途中、彼女は不気味な仮面をつけた何者かに殺害される。それで死んだはずが、再びカーターの部屋で目覚め、同じ朝を繰り返しているということに気付かされる。

序盤はわりかしホラーな作品となっている。

パーティー会場で男と一緒にいたら、男もろとも同じ不気味な仮面を被った何者かに殺された。パーティーに行かず部屋に籠もろうとしても、彼女はいつの間にか殺されてしまい、カーターの部屋で目覚めたときには、絶望に満ちた表情を見せてくれる。またカメラが切り替わると背後に不気味な仮面が写っているシーンなど、ホラーではなじみ深い演出が施されている。

しかし、ブログ主は本作をホラーだとは思っていない。

それは何故か?

三回目のタイムループだろうか。彼女はカーターに助けを求める。同じ日を繰り返しているという荒唐無稽な話ではあったが、彼は彼女の話を真剣に聞き、犯人は誰なのか? どうすればループを抜けられるのか? を考えてくれる。

そこで彼は一計を案じた。

「何度も死にながら犯人を捜せばいいのでは」と。

ここが本作における一つ目の大きな転機であり、ここから先はかなりギャグを交えて、死を繰り返していく。ここからが本作の本領発揮だろう。彼女のストーカーをしていた男が実は……だったり。犯人を倒したと思ったら友人で、その後すぐに殺されたり。早朝に裸で出歩いたり……何とまぁ良い死に様を見せてくれる。

死に慣れてしまうとは、こういうことなのかもしれない。何故かあまり血も飛び出さないためグロいという意味での恐怖もいつしか薄れていく。

 

しかし死に慣れたとは言っても、精神はすり減っていくことに違いはないし、タイムリープは無限ということではなく有限であるということまで判明。ツリーはこれまでの情報を踏まえ、一つの可能性に辿り付く。

ここが二つ目の大きな転機であろう。もしかしたら明日を迎えることができるかもしれない、そんな希望が見え始めたのだ。ツリーは犯人を追い詰めるため、かなり無茶苦茶な手段に打って出る。

二転三転する展開と、些細に思えた日常の一風景に散りばめられた伏線が回収されていくラストは、大きな驚きと感動を与えてくれる。

本作はホラーに分類されている。しかし、ホラーだと思って見ないでいると損をする。中盤以降に用意された小気味良い展開は、ホラーであることを忘れさせてくれる勢いがあった。

ホラーが苦手という人も、是非とも見て欲しい映画である。

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