工大生のメモ帳

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マグダラで眠れⅢ 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

仲間とは。

情報

作者:支倉凍砂

イラスト:鍋島テツヒロ

ざっくりあらすじ

異教徒最大の鉱山の町カザンへの入植に参加できることとなったクースラ一行。しかしウェランドが ”錬金術師ではない” という嫌疑を掛けられ、入植に加わることができない危機に陥る。放っておこうとするクースラに対して、何とか彼を助けようとするフェネシスに後押しされ、行動を開始する。

感想などなど

イリーネの協力を取り付け、ダマスカス鋼を錬成し献上することで鉱山の町カザンへの入植団へと加わることができたクースラ一行。イリーネも救いつつ、マグダラへと一歩近づくことができました。

彼らのいる街の環境は決して悪くありません。半ば無理矢理送り込まれた場所ではありますが、錬金術を行うことができてますし、市場で物資を集められますし、(もう無理でしょうが)職人達の協力があれば知識も手に入ります。

しかし、誰も辿り付くことのできなかった ”マグダラ” に至ることはできません。

誰も辿り着けないならば、誰も手に入れることができていない新しい知識・場所に行くことが必要となります。そのための異教徒達の住む町カザンへの入植に乗り出したのです。

そんな彼らの目的を邪魔するかのような騒動について、簡単に感想を書いていきましょう。

 

「自分が錬金術であることを証明しろ」

ウェランドに課せられた無理難題です。現代のように身分を証明してくれる書類がある訳ではなく、ただ名乗っているだけの彼らが「錬金術であることを証明する」……なるほど、確かに難しい。しかし、実際は簡単です。

またダマスカス鋼を作れば良い。

間違いなく錬金術にしかできないこと「ダマスカス鋼の制作」を行えば、錬金術師としての証明にはなるでしょう。イリーネがいて、協力的な今ならば再び作ることは容易いはずです。

しかし、社会的にできない理由があるのでした。一つずつ紐解いていきましょう。

まず、ウェランドがとある貴族の娘に告白され、ウェランドが断り、娘がオトリス(二巻にて登場。詳しくはそちらを参照)に泣きついたことが事件の始まりです。

つまり、敵としてはウェランドと娘を結婚させることが目的です。そのために取った行動が「ウェランドは錬金術師ではない」と社会的に認めさせ、逃げられないようにすることだったのです(このままだとカザンに行ってしまう)。

そこで「ダマスカス鋼を作ろう」……と当然思いつくのですが、『既にダマスカス鋼は一度作り、国王に献上している』ことを思い出して下さい。その時、国王は ”ダマスカス鋼の材料” などを訊ねています。対してクースラは答えず、国王も追求しませんでした。

本来ならば喉から手が出るほど、 ”ダマスカス鋼” がもっと欲しいことでしょう。しかし、追求はしなかった。その理由をクースラは『唯一のダマスカス鋼を独占したいから』だと説明しています。実際その通りだろうと思います。

さて、そんな国王の真意を無視して、ダマスカス鋼を作ったらどうなるか? 良い印象を持たれるはずがありません。

そんな状況を冷静に分析し、「無理だ」と結論を出したクースラ。おそらくウェランドも諦めています。しかし、そんな彼らを「冷たい」と切り捨てて、自分一人で考えて突っ込んでいく輩がいました。

修道女であり、獣耳を持つ呪われた少女・フェネシス……そんな彼女とラークスの関係性が大きく進展する物語でした。

 

物語の場所は基本的に動くことがなく、会話だけで進行していく作品です。だからこそ情報を脳内で整理しながら読まなければ、「今、何をしているのか」「今、どこにいるのか」が分からなくなります。これまで本をあまり読んだことがなかった人にとっては辛い作品と言えるかも知れません。

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