工大生のメモ帳

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【映画】今夜、ロマンス劇場で 感想

※ネタバレをしないように書いています。

運命なんて飛び越えて

情報

監督:武内秀樹

脚本:宇山佳佑

主演:綾瀬はるか、坂口健太郎

ざっくりあらすじ

映画監督を夢見る青年・健司は、ロマンス劇場にて、焦がれ続けていたモノクロ映画のヒロイン・美雪と出会う。映画の世界から出てきた彼女と過ごしていくうちに、互いに惹かれていくが……。

感想などなど

愛の表現方法はたくさんある。

クサい表現であるが、愛の言葉を囁くことはその代表例だろう。しかし言葉だけでは信用できなくなるというのが、人の悲しい性。手を繋ぐといったプラトニックな繋がりから、キスシーンなどの熱烈な繋がりに至るまで。

そもそも愛しているのであれば、その愛を何らかの形で表現したくなるのが一般論だ。本作『今夜、ロマンス劇場で』の主人公・ 牧野健司だって例外ではない。

彼はとある女性に恋心を抱いていた。

しかしながら、その恋が叶うことはあり得なかった。身分違いだとか、遠距離だったとか、そういった生半可な理由ではない(ある意味、遠距離か……)。だからこそ彼は、ただ眺めているだけの今の状況を甘んじて受け入れていた。もう少しで別れの時が近い時にも、それすら受け入れていた。

彼女はいつだって明るく、そして強い女性だ。その笑顔は多くの人を虜にした。彼は通っているロマンス劇場で上映されていたモノクロ映画のヒロイン・美雪に恋をしていたのだ!

さて、そんな諦めていた恋の相手が、目の前に現れた時、あなたの恋が試される。そんな本作『今夜、ロマンス劇場で』の感想を語りたい。

 

まず最初に語りたいのは、綾瀬はるか演じる美雪の魅力である。モノクロ映画の中にいた彼女にとって、カラフルで科学技術が発展したこの世界は見所と発見がいっぱいだった。

そんな彼女にとって知る由もなかった世界を楽しそうに駆け巡り、とても幸せそうにしている姿を見ていると、いつまでもそうあって欲しいと思ってしまう魅力に満ちている。

ちょっと強気で頑固なところはあるけれど、しかし誰よりも優しい。そんな映画で見ていた通りの彼女への愛は、牧野健司の気持ちは強まっていくばかりだった。

それは視聴者も一緒である。いつか彼女は映画の世界に戻るのだろうと思い、その別れを想像するのが辛くなる。

作中、ガラス越しのキスシーンがある。これまではスクリーン越しでしか会うことの叶わなかった二人を象徴していて美しいシーンだ。

美雪はスクリーンという一つの時間の壁を超えているけれど、それでもまだ二人の間にはどこか壁がある。

その壁の秘密を知った時、それは視聴者も牧野健司も覚悟を決める時である。

 

愛の深さとは覚悟の強さでもあると思った。

一方的に牧野健司視点で美雪を見ているだけでは分からなかったけれど、美雪の抱えている秘密を知ると、つまり彼女の覚悟を見た時に、そのあまりの切なさに号泣してしまった。

彼女が何か秘密を抱えていることは明らかで、それは何だろうと想像する。しかし、その想像は浅かった。きっと多くの人がそうだと思う。

彼女の愛を舐めていた。

そしてきっと、牧野健司のことも舐めていた。想像を超えた二人の愛の行く末を、是非とも見てあげて欲しい。良い映画でした。