工大生のメモ帳

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【漫画】嘘喰い1 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

至高の騙し合い

情報

作者:迫捻雄

試し読み:嘘喰い 1

ざっくりあらすじ

遊ぶ金欲しさにヤミ金に手を出した梶は、謎のギャンブラー・斑目貘と出会い助けられる。そのままの勢いで闇のギャンブルに足を突っ込んでいくが……

感想などなど

多くの人を狂わせ大きな成功を夢見させ、または忘れることができず、打ち込み続けることとなるギャンブル。例え運の要素が強いと言えど、皆少なからず頭を使って勝とうとする。それで勝てば良かろうが、負けてしまえば運が悪かったと嘆くのみ。

所詮はギャンブル。運の要素に左右されると、頭を使うことを捨てた者は格好の餌となる。

頭を使い、運の要素を限りなく削った者達にとっての餌に。

その者達は知略も嘘も巧みに操り、我々のような凡人風情から金を巻き上げていく。そんな強者とも呼ぶべき嘘つき達を食い物にするギャンブラーがいた。その男は『嘘喰い』と呼ばれている。

そんな男の物語の立ち上がりというのは、とてもとても静かなものであった。不合法な闇カジノのルーレットにて百万近い大金を、ヤミ金を騙して四百万を、顧客の個人情報を売り捌いていたあくどいレンタルショップを脅迫して百万……桁が一般人の感性とはずれているが、これでも斑目貘という男がこれから動かしていくことになる。

 

『賭郎』正当に公正にギャンブルを取り仕切ることを生業とした組織であり、「嘘喰い」という漫画の世界観を決定づける上で重要な存在である。

例えば。

貘と梶は闇カジノにて怪しげな老人に賭け事に誘われた。Q太郎と名乗るその男の話を聞き、古ぼけたビルに向かってみれば、これまでとは額の桁が違う一千万と命を賭けたギャンブルが始まろうとしていた。

そんな危険なギャンブルにおいて大事なのは公正さ。勝ったのにお金が貰えなかったとなれば損であるし、もしも殺されたりしたらたまったものではない。負けた側としても同様の不安が付きまとう。

そんな不安を徹底して取り除く絶対的な暴力を有した組織……それが『賭郎』である。

『賭郎』が取り仕切るギャンブルにおいて、負けたにも関わらず賭けていた物を支払わないということはあり得ない。例え命であろうとも、絶対に取り立ててみせるという力の恐ろしさは、巻を読み進めると良く分かる。

この世界において力を持たない者は狩られるしかない。その力は単純な暴力かもしれないし、明晰な頭脳かもしれない。

ただ一つ言えるのは、弱ければ死に方も選べない。

 

『賭郎』が取り仕切るQ太郎と貘のするゲームのルールは至ってシンプル。

廃ビルから脱出する……ただそれだけ。ただし、この廃ビルには人を殺したくてたまらない殺人鬼が放たれており、さらに幾つもの罠が張り巡らされている。つまり一歩間違えれば死あるのみ。

貘の身体能力は下の下の下、梶は一般人。暗闇の廃ビル内に仕掛けられたトラップを見てから避けるような器用なことはできない。銃で撃たれれば当然死ぬし、格闘でやり合ったとしても負けることは必死。だとすれば頭を使うしかない。

そんなむちゃくちゃでスリリングなゲームを笑って楽しむ者達ばかり。梶は生きて帰れるのだろうか……。

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