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【漫画】嘘喰い22 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

至高の騙し合い

情報

作者:迫捻雄

試し読み:嘘喰い 22

ざっくりあらすじ

ゲームの利益をかっさらおうともくろむ鞍馬組。しかし、そのさらに裏にアイデアルがいて――陰で潜んでいた両者がぶつかり合う。

感想などなど

最初に謝っておきたい。

何が起きているのか全く分かりませんでした。

タワーが始まった20巻から三週くらい読み返し、Excelで表を作成したりといった漫画を読んでいるとは思えない労力をかけて理解しました。頭がいい人……それこそ獏レベルで頭の回転が早い者ならば、複雑に入れ乱れる人間模様や、ゲームの数字当ても理解できるのだろうが。

あぁ、頭が良くなりたい……。

と叶いそうにない夢を書き殴っても仕方がない。ネタバレをしない範囲で状況を整理していこう。

 

前巻の感想記事では獏の置かれている状況が最悪だということは語った。マルコに確認するよう指示していた拾隈が入力させた1回目の数字が分かっていなかったこと。獏の目が潰されたことで数字の入力チャンスがマルコの1回分しかないこと。マルコが戦っている相手が強すぎること……等々。

これらを打開する方法として、阿呆なブログ主は「ドティで数字を当て拾隈に血を注射させる」しかないと思っていた。まぁ、その数字を当てるためにはマルコが手に入れるはずだった情報が必要になるので難しい。

拾隈側で数字を入力できるのは、登録された網膜の持ち主しか入力する権限を与えられていない以上、拾隈自身が上に行く必要がある。タワーの上階は暴力が許されているため、マルコがその妨害をすることも選択肢の一つとしてある。

ただ、ここで登場するのが鞍馬組の存在だ。彼らは拾隈と組んで、獏たちの妨害をすることで戦況を有利に進めていた。彼らがいる以上、獏たちに拾隈の入力を妨害することもできない。

ふむ……考えれば考えるほど詰んでいる。

 

しかし、その状況を変えてしまうのが斑目獏という男なのだ。やはりポイントとなるのは、拾隈が1回目に入力させた数字だ。これが分かりさえずれば、この状況をひっくり返すことができる(かもしれない)。

何故、ここまで入力させた数字にこだわるのか。

このゲームは二人が選んだそれぞれの数字の和を当てる単純なルールだ。最大数がそれぞれが10を選んだ場合の20で、最小値はそれぞれが1を選んだ場合の2となるため、19通りの組み合わせが考えられる。

(厳密には、それぞれ1~10の10通りが二人なので、10×10=100通りのケースが考えられるのだが、そこまでここに列挙していくと死んじゃうので)

20巻でのドティ1回目のターンでは、獏が11を入力し失敗。拾隈は10を入力し失敗。

21巻でのドティ2回目のターンでは、獏が12を入力し失敗。拾隈は14を入力し失敗。

となると残りは、2、3、4、5、6、7、8、9、13、15、16、17、18、19、20の15通り。ただ拾隈は一度入力していうので14通りの中から推測することができる。このアドバンテージはでかい。

厳密には自分の持っている個数も含めて考えると複雑になっていく。がちで理解しようとすると、ブログ主のように表計算ソフトExcelの出番となる。作中でも、わざわざ表が登場し状況を整理してくれるのだが、表で整理している最中にもゲームは展開していくので混乱する方は、ノートかExcelを記載しながら読み進めることをおすすめする。

 

ゲームとしては終盤と言って良いだろう。獏の仕掛けたトラップが作動し、かなりの盛り上がりを見せ興奮しっぱなしで早く先を読みたいという中、鞍馬組とアイデアルの抗争が勃発する。

鞍馬組はハングマンから獏たちに協力してくれているヤクザだ。女性の組長自らが前線に赴き指揮し、とっさの機転と度胸で状況を引っかき回し利益をかっさらっていく姿は、獏やマルコとは方向性の違う暴力と言って良いだろう。

一方、アイデアルは二者が争っている中、漁夫の利を狙って機をうかがっていたようだ。そこで発動した獏のトラップが動いた今を好機と判断、鞍馬組との争いが起きる。

アイデアルが送り込んだ刺客は、あのカラカルだ。頭脳も戦闘力もどっちも高く、タワー内部という特殊な環境で、自らの肉体のみならず備品や環境を利用した戦闘は読み応えがある。

警察と賭郎の戦闘も一段落し、少しずつ一本の線として繋がっていきそうな第二十二巻。次の23巻まで一気読み必死の内容であった。

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