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【漫画】嘘喰い36 感想

【前:第35巻】【第1巻】【次:第37巻

※ネタバレをしないように書いています。

至高の騙し合い

情報

作者:迫稔雄

試し読み:嘘喰い 36

ざっくりあらすじ

「アウトロー」の支配権を巡った伽羅とジョンリョの戦いはついに決着。一方、斑目貘はテイバー王国を巡ってゲーム『ハンド・チョッパー』に挑む。

感想などなど

35巻で幕を開けた「アウトロー」の支配権を巡る伽羅とジョンリョの解毒薬争奪戦。MMORPG「プロトポロス」において、どの組織にも縛られない第三勢力・アウトローの支配権を賭けた戦いである。そんなもの得たところで何になると思われるかもしれないが、このアウトローというのは現実世界における犯罪組織。彼らに睨まれれば、観光に来たような者であれば逃げ帰るしかない。

この漫画においては、常に暴力を制することの重要性が語られてきた。賭博で勝ったとしても暴力で奪われては意味が無いという元も子もない話を、賭郎という絶対的な暴力を持って組織が賭博としての価値を担保している。

そんな世界観において、単純で分かりやすい暴力である犯罪組織・アウトローの支配権を得られることの優位性は、何となく分かるのではないだろうか。そのために貘が送り出したのが、我らが伽羅である。

そんな伽羅の相手はジョンリョ。彼は契約者が殺された後、その殺害犯を殺すことを信条とする変わった男だが、その信条が果たされなかったことはない。そんな悪意に満ちた男・ジョンリョの一番の強みは、その眼である。

皆さんは眼球のみを動かして背後を確認することができるだろうか。この意味不明な芸当をこなす男の画と、そんな彼の命を刈り取る伽羅の迫力は、是非とも読んで確認してほしい。

 

さて、伽羅とジョンリョの戦いの行く末は、ネタバレをしないためにも置いておくとして……斑目貘は本気で王を取りに行く。

狙うはテイバー王国の王の座。この国では王を持ち回りでやっていた。「ネロネロ」というプレイヤーを中心にして、彼の側近「ヌルパチ」と「ハメハメ」らの間で持ち回って王をしていた。

そもそも王になるには、【LV80以上であること】と【上級職3分の2以上の支持】が必要になる。獏はLv80に到達したため一つ目の条件を満たしているとはいえ、現王「ネロネロ」の息がかかった上級職メンバーからの支持は簡単に得られない。

しかし、獏にも勝機が訪れる。彼らは次の王をゲームを使って決めていたのだ。

「ネロネロ」が提案したゲーム、それは『ハンド・チョッパー』。自分の地元では小学生の頃に流行ったのだが、皆さんのところではどうだっただろうか? ルールは下記の通り。

  1. お互いの両手の指を一本ずつ立ててスタート
  2. 先行から相手の指をタッチ。タッチされた方は、タッチしてきた指の本数と同じ数、指を立てる
  3. 全ての指が開ききった腕は【使用不能】となる
  4. ただし【使用不能】になるのは、指が開ききった時のみ。例えば3本指で3本指にタッチしても、指の数は戻って1になる
  5. 両腕が【使用不能】になった時点で負け。ゲーム終了となる。

道具は何も使わず、手だけを使ったシンプルなゲーム。進行も早く進み、結果も一目瞭然で分かりやすい。だからこそイカサマの入る余地もなく、純粋に実力が試されるゲーム……かと思っていた。

 

ギャンブラーというものを、少し舐めていたかもしれない。

勝つためならば手段を選ばない。勝つためならば準備を怠らない。常人にはできないことを平然とこなすからこそ、彼らは勝つのだ。そういうことを見せつけられたゲームだった。

屋形越えを賭けたたMMORPG「プロトポロス」での統一戦も、ついに佳境。最初は見えなかった統一までの道が見えてきた第三十六巻であった。

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