※ネタバレをしないように書いています。
これは陰謀です。
情報
作者:日日日
イラスト:x6suke
ざっくりあらすじ
ある日、凰火は罵詈雑言をまき散らす猫耳少女・凶華と出会う。そんな彼女を連れて職場へ行ってみれば、彼女と家族を築き上げろと命令を受ける。
感想などなど
あらすじがあらすじとしての役割を果たしていないようですが、本当にこのままの展開なので困ったものです。読んだ感想としては、
熱量がヤバい。
勢いがヤバい。
全てがヤバい。
と、とにかく語彙力が喪失する事態が発生いたしました。ジャンルとしてはギャグ? いや、家族愛を描いたヒューマンドラマ? ふーむ、きっとどっちもです。
そんな奇想天外で、荒唐無稽なライトノベルの感想をもっとしっかりした語彙で書いていこうと思う。
あらすじが適当すぎたのでもう少しだけ書かせていただこう。突然見知らぬ少女と結婚しろと言われる展開では、「ニセコイかな?」とラブコメを想像される方が出てきてしまうかも知れない。
主人公は超常現象対策第一課行動部隊長・乱﨑凰火。彼の通う職場は、名前の通り超常現象が起きた際に動く部隊であり、今回の物語もその一環のようなものだ。
昔『閻禍』と呼ばれる悪魔がいた。その悪魔は残虐の限りを尽くしたが、人の手によって滅ぼされた。そんな『閻禍』は「千年後、俺の子供が世界を滅ぼすぞ」と不気味な予言を残したのだ。そして現代、『閻禍の子供』 ”かもしれない” 存在が世界に六体存在するらしい(正確には二人と、人外一人と、二匹と、意味の分からないものが一つ)。正確にどれが『閻禍の子供』かは分からないので、一緒に家族として生活することで誰が『閻禍の子供』なのかを見つけ出そうということであるらしい。
……ふむ。まぁ、ここまではいい。問題はその子供候補の内訳だ。
まず一人(?)目は、言わずもがな猫耳少女・凶華。
次に二人目、可愛らしい普通の少女・優歌。
次に三人目、極道のオカマ・銀夏。
四人目(?)、百獣の王ライオン・帝架。
五人目(?)、謎の殺人マシーン・雹霰。
六人目(?)、くらげ・月香。
……おかしい、明らかに人でないものが混じっている。いや、人じゃないものの方が多い。あれ、もしかして人間って少数派だった……?
そんな明らかにアンバランスな家族による生活が始まった。
当然普通に我々が想像する家庭像は、そこにない。あるのは凶華の罵詈雑言と、やけに常識的なその他面々の日常である。いや、やはり日常ではない。自分の知っている日常にライオンは出てこないし、殺人マシーンが暖かな言葉を投げかけてくれることはない。
とりあえずそこら辺は皆さんの想像力にお任せしよう。今回、第一巻にて焦点を当てられたキャラは可愛らしい普通の少女・優歌である。おそらく年齢が一番若く小学生であり、普通の家庭同様、彼女も小学校に通っている。
そんな彼女が小学校でいじめにあう。理由は様々だろう。「学校に会わなかった」「転校の時期が中途半端だった」「可愛いからクラスメイトの嫉妬にあった」……。
さて、普通の家族ならばそんな危機的状況にどう対処するだろうか。現代社会ではいじめによる自殺は度々ニュースを賑わせ、社会問題としても取り上げられる。
親としてできることは何か……学校に相談? 警察に相談? もしくは別の学校に転校? 最悪不登校?
我々一般人に思い浮かぶ対処法は、悲しいことにこんなものだ。しかし、この家族は普通ではない。いじめの対処法が常識で捕らえられるとは思わないでいただきたい。
さらにさらに、そうしていじめ問題を解消した後のアフターケアも完璧。なんということだ……我々人類によって形成された一般家庭よりも進んでいる。
もしかすると、この『狂乱家族』こそが一番世界で幸せなのかも知れない。