※ネタバレをしないように書いています。
魔王(演技)
情報
作者:むらさきゆきや
イラスト:鶴崎貴大
試し読み:異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 (10)
ざっくりあらすじ
大魔王を打ち倒したことで、王に呼び出されたディアブロ一行。それを一度は断るディアブロだったが、彼の胸中は複雑だった。先日の戦いでレムに結婚指輪を渡したが、その効果でレムとシエラが結婚したことになってしまったのだ!
感想などなど
第九巻で描かれた大魔王との戦いは激戦でしたね。
大魔王をレベルアップしたディアブロが蹂躙したかと思えば、まさかレムに大魔王が取り憑いていたとは……そしてレムとディアブロが戦い、最後は結婚指輪を渡すという形で終結。道中のなんやかんやは読んで確認して欲しい。
第十巻はそこがメインなのだ。ディアブロの男気を、是非とも見てあげて欲しい。
そしてしばしの平和が訪れた訳だが、王から招集をかけられているディアブロ。王というだけあって、その権力は絶大であり、その招集は絶対に従わなければいけないようだ。さもないと国家反逆罪として、様々な罰則が課せられるらしい。
いつも通りの魔王ロールプレイングのディアブロは、「王の方から来い」と高々と宣言し、レムとシエラも「ディアブロがそういうなら」と彼に付いて行く修羅の道を選択したようだ。
それもそのはず、二人ともディアブロから結婚指輪を貰っているのだ。これを嵌めた二人は、婚約を結んだことになる……つまりはディアブロはレムとシエラの二人を妻に娶ったハーレム魔王なのである!
……いや、ちょっと待って欲しい。
結婚指輪というのは、二つで一組をなしている。当たり前だ。夫と妻という関係性であることを証明するためのアイテムなのだから。
しかしながらディアブロの手を見て欲しい。その指には結婚指輪が光っていない。つまりレムとシエラに渡している二つが一組であり、レムとシエラが結婚したことになっているのだ。
何も知らずに二人に出会った者はこう思うだろう。「この二人は結婚してるんだな……」と。ディアブロと結婚したつもりでいるレムとシエラの言動は、滑稽に見えたことだろう。
自身のメイドロボにそのことを聞いたディアブロは生きた心地がしなかった。二人が事実に気付く前に、何とかして結婚指輪を用意しておかなければと奮闘することとなるのだが、ついでに王都で事件を解決したりするのが、第十巻の内容である。
子供の頃には意味に気付けなかったゲームの話がある。
中世時代において花を売ることが、風俗業の暗喩だなんて知らなかった純真無垢な子供ではなくなった。隠された裏設定など知らず、純粋にゲームの世界観に浸っている時代が、自分にだってあったのだ。
ディアブロの中の人・坂本拓真もそんな者の一人だ。
MMORPG『クロスレヴェリ』では定期的にイベントクエストが出される。その一つで『破壊神エウロパ討伐』というものがあり、イベントの開始時には、王都の広場にいる花売りのNPCが、いつもとは違う紫色の花を売り始めるのだ。
ディアブロは王都の広場で、見慣れていた清楚系美少女の花売りが、紫色の花を売っている光景を目の当たりにする。ディアブロの脳裏には、そのゲームのイベントにおいて、悲惨なその後を思い浮かべた。ネット上では「あの花売りは売春しているぞ」と噂されていたことを思い出していた。
ディアブロは彼女が売春をするような人間ではないことを確かめるため、彼女を救い出すために、イベントでの記憶を頼りに王都を駆け回っていくこととなる。
ちなみに、彼女は(催眠術にかけて満足な気分にさせて金だけ貰う)売春してました。
久し振りのホルン……忘れたという方は聖杯に小便をしてレベルアップした子だと言えば分かりますかね。彼女が通っている学園が、一連の事件の中心となるために彼女も関わってくる。相変わらず、ただのギャルにしか見えないレベルアップの精霊と一緒にいて、魔術の勉強を頑張っているらしい。
ディアブロは色々なゴタゴタを解決することができるのか。目まぐるしい第十巻でした。